その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

石蕗(つわ)の花

2011年11月07日 | Weblog

 

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石蕗(つわ)の花

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観賞用で庭の隅などに植えられていることが多い

園芸栽培の歴史は古く

1827年ごろの「草木奇品家雅見」には精密な図画とともに

当時の流行がうかがえる記述があります

葉っぱは吹きとよく似ていて和えもの煮物、佃煮など

食用にされていたそうです

九州南部では「オオツワブキ」という種類は

食用栽培もされていたそうです

また生の葉を火であぶってさまして

腫れものの吸いだし軽いやけどや湿疹などに

貼ると効果があるとされています

・・・

「石蕗咲くや心魅かるる人とゐて」 清崎敏郎

「静かなる月日の庭や石蕗の花」 高浜虚子

 

 

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マツムシソウ

2011年11月06日 | Weblog

 

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松虫草

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高原で風にそよぐまつむしそうの美しさは

ほかにたとえようがない

暑かった夏が終わり

秋を感じさせる窓の下で淡く青みがかった紫の花

あちこちに咲いて揺れているのを見ると

とても心が穏やかになる

この植物園にこの花が咲くと

ついつい昔の思い出にしばし時を忘れる

花の真ん中で咲くのを待つ粒粒の蕾が愛らしい

花を縁取るひらひらしたひだのある花びら

とても上品で美しい

ほっそりとした茎や柔らかな葉の薄緑色も

この花にはとてもふさわしく感じます

小さなミツバチたちが集まってきて

もくもくと蜜を吸います

シャッター切るのを忘れて眺めているのも楽しい

ヨーロッパでは紫色は縁起の良くない色

悲しみの色とされているので

花ことばもよいものがありません

例えば・・「悲哀の心」「失恋の痛手」とか~

でも まつむしそうには悲しみや寂しさに

黙って寄り添ってくれるやさしさがあります

今年は随分遅くまで花を楽しませてくれて

ブログに乗せる機会ができました

 

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週末トピックス 6

2011年11月05日 | Weblog

 

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週末トピックス 6

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10月9・10日に名古屋の東山植物園でも行われた

アサギマダラの行動記録会

アサギマダラを捕獲した場所日にちを羽にマーキングします

そしてその蝶が次にどこで確認されるか

毎年新聞で確認報道されています

今年の新聞に載ったのは10月30日の中日新聞朝刊

「函館→下関1200kmの旅」

北海道函館市近郊から今年8月に放たれたアサギマダラ

本州最西端の山口県下関市の

市立公園「リフレッシュパーク豊浦」で捕獲されました

二カ月間の距離は実に約200km

蝶は下関から放たれさらなる南下の旅路についています

同公園によるとアサギマダラは8月19日に

飛行ルート解明などの目的に函館市の愛好家グループ

「道南虫の会」が近隣の山から放し

10月24日に公園のバタフライガーデンに飛来した

捕獲されたアサギマダラは羽に

「ハコダテ 8/19」などとマーキングがされていました

アサギマダラは日本本土や台湾などに生息します

春先に北上し産卵 夏から秋に南下し

1000km以上飛行をします

このマーキングは1000匹に1匹程度の確率でしか

他の土地ではなかなか確認されません

近年では2008年に愛知県で確認されてます

もし見つけたらぜひ連絡してあげてください

写真は名古屋でマーキングされ1週間ほどまだとどまっていた蝶です

羽にマジックで書かれた文字が読み取れると思います

 

 

 

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木の実

2011年11月04日 | Weblog

 

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木の実

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木の実とは秋に熟す木々の実のことですが

果樹以外の木の実の総称で

樫(カシ)、椎(シイ)、檪(クヌギ)、楢(ナラ)

柏(カシワ)、榎(エノキ)、椿(タバキ)などをいいます

果樹以外ということで通常食べられない木の実をさします

団栗(ドングリ)も木の実ですが

特定の木の実ではなくてブナ科植物の

樫、椎、檪、楢、柏などの果実の総称です

おなじブナ科に属す栗は団栗とは呼びません

ただ・・栗、栗の実と呼び区別されています

「きのみ」とも言いますが俳句の場合は「このみ」と読みます

木の葉を「このは」というのと同じですね

「きこのみ」は発音しやすいように、また強調するために

言葉の中の母音がが交代する現象が起こり

現在のように「このみ」と定着したそうです

 

「よろこべばしきりに落つる木の実かな」 富安風生

 

 

 

 

 

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茶の花

2011年11月03日 | Weblog

 

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茶の花

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つばき科の茶の木に花が咲きました

製茶用として栽培されるほかに

住居や畑の仕切り垣根などにも植えられています

ふっくらとした丸みのある花に

黄金いろの雄蕊がせり出しています

この花は以外に香りがよいのに気が付きます

ひっそりと咲いているけれど

花に気が付き覗きこむと蕊がわんさと目につきます

 

「茶の花に人里ちかき山路かな」 芭蕉

「茶の花にうすずみいろの奥信濃」 小林侠子

 

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さねかずら

2011年11月02日 | Weblog

 

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さねかずら

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モクレン科の常緑蔓植物

光沢のある葉と雌株につく赤いが美しいので

観賞用にも多く愛好されています

実の付き方が独特で優雅な雰囲気がします

昔は茎からでる粘液を整髪料に用いたことから

美男葛(びなんかずら)の別名があります

サネカズラのサネは実のことで

美しい実のカズラということになります

実は乾燥させて漢方薬にします

歳時記には花の方は季語として扱わず

実の方だけが季語として使われています

 

「会いにけり美男葛を見るために」 高橋悦男

「さねかずら婆がうなずき歩きおり」 大石悦子

 

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秋ばら

2011年11月01日 | Weblog

 

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秋ばら

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 秋の薔薇が見ごろになって

ひと雨ごとに冷たさが増してゆきます

雨にぬれても花の女王の威厳を持ちつつ

甘い香りも忘れない

晴れた青空に思いもよらない気温の上昇で

まるで春を思わせる陽気

秋だっていうことを忘れてしまいそうだ

剪定がスムースのできたせいか

花も比較的大きく蕾の多く付けた

折角咲いた花も早々と摘んで春に備える

春までしばし休憩の時期

しっかりと栄養補給してまた春にまた

素晴らしい花をつけてほしいものだ

 

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