その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

待つ

2008年09月19日 | Weblog

 

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待つ

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足音に耳を澄ませ

 

人影に目を凝らす

 

ドアーに

 

神経を集中する

 

また

 

違う人

 

カーテンからのぞく

 

待ち人はこない

 

家の前を

 

遠ざかる人ばかり

 

この世で

 

たったひとりの人なのに

 

町には

 

沢山の人が

 

溢れている

 

たったひとりを

 

こんなに待っているのに

 

時間だけが

 

勢い良く過ぎてゆく

 

***

 

滅多に待つことがなかった

彼女にしてみれば

待つことの

辛さを思い知ったと

しみじみ話す

その顔には

日ごろの明るさがなかった

どうやら

春から秋へ

衣替えなのかも

 

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今日の写真は

 

赤いトケイソウ

トケイソウにも種類があって

青い花を見慣れていて

赤い花に出会ったときは感動でした

 

 

 


遠い街

2008年09月18日 | Weblog

 

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遠い街

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車で一時間ほどで行ける町

 

あなたの住んでいる町

 

約束もなく

 

ある日突然分かれた日

 

あれから

 

月日が

 

時の車窓に

 

流れ流れて

 

今ではどこよりも遠い町

 

・・・

 

あなたのことで一杯だった日々

 

あれやこれや

 

後悔反省失意

 

月日が

 

こころの傷を

 

撫でてゆき

 

いまでは

 

誰よりも遠い人と

 

なりました

 

でも

 

幸せを願う気持ちは

 

今も変わらない

 

***

 

ふとした行き違いから

分かれなければならないことも

それが自然の成り行きだとしても

お互いの心には

大きな傷がついてしまう

いつかきっと

解るかも

わからなくてもよいけれど

元気で幸せでいてほしい

 

***

 

今日の写真は

 

写真は港に停泊中の船たち

夏も終り

賑やかだった港も人影が減ってきます

海と山の見える町に住むきみと

一緒に乗って

海に出たかった夢は

叶わないままだね

 

 

 

 

 


つづき

2008年09月17日 | Weblog

 

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つづき

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夜の続きは

 

いつも朝

 

ものすごく真っ暗で

 

怖いくらい静かで

 

もしかして

 

生きているのは

 

自分ひとりかもと思わせる

 

でも

 

朝がちゃんとやってきて

 

全てのものが動き出す

 

それも

 

否応なしに

 

新しく始まる

 

そして

 

昨日は

 

否応なしに

 

夢だったように

 

過去になって消えてゆく

 

***

 

毎日を

計画立てて暮らしましょう

などといわれても

いわれなくても

夜が来れば必ず

朝がその後にやってくる

夜の次に昼は来ない

たまに・・・

寝たのは夜

目が覚めたら昼

朝はどうした?

うろたえるけれど

そんなのではない

本当の夜の次は朝なのである

 

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今日の写真は

昨晩の月

立待月

ススキと月の組み合わせが

写したくて

昼間偶然見かけた場所へ

ところが残念

街路灯が明るい

ススキをシャドーにして

月明かりを写したかったのですが

全く逆になってしまった

近場にはもうススキが咲くところがない

郊外の見晴らしの良いところを

探しておかないとついでの写真など

無理な話かもしれない

 

 

 

 

 

 


秋の始まり

2008年09月16日 | Weblog

 

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秋の始まり

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遠い昔覚えた歌を

 

ふと口づさむことがある

 

かなり覚えているけれど

 

全部を歌えない

 

そして一緒に思いだされるのが

 

その頃の美しい?思い出

 

人にはあまり話さず

 

今日まで過ぎたけれど

 

ふと 話してみたくなる

 

でもよくよく考えると

 

全てを思い出せない

 

どこか霞が掛かっている

 

歌も、思い出も

 

一生懸命になればなるほど

 

なんだか

 

心から離れてしまうような

 

忘れたくないのに

 

忘れてしまった

 

歌や事柄は

 

今まで

 

いくつあったのだろう

 

夏の終わりに

 

秋の始まりに

 

遠い昔のない子と

 

遠い昔をもつわたしは

 

不思議な時間を共有した

 

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思い出は・・

関連する言葉やきっかけがないと

脳の奥の又その奥に

しまいこまれていて

すぐ出てこないものなんだね

しっかり整理しすぎて

しまいこみすぎなのかも

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今日の写真は

分には関係がないけれど

旬だから

ススキの花です

 

 


2008年09月15日 | Weblog

 

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つい昨日まで

 

いたような気がする夏

 

いつのまにか

 

すり抜けていってしまった

 

山の上で

 

透明の風になって

 

夢見る少年の肩を押す

 

彼は無心に走る

 

垣根を越えて

 

紅萩の花をこぼし

 

馬ごやしの枯れた匂いを吸い込み

 

もくもくと走る

 

昆虫の羽根の

 

軋む音に驚きながら

 

やがて少年は

 

自分が風になってゆくのを感じた

 

***

 

芝生にねっ転がりながら

青い空を見ていると

ふと夢うつつの中で

ドラマが始まってしまう

空を飛びたい

その夢が忘れられなくて

 

***

 

今日の写真は・・・

ススキの穂先で

風を見ているバッタ

肌の色が

少し赤味を増してきているバッタ

緑色だったのがやがて

赤味を帯びた色に変わります

 

 

 

 

 

 


スカート

2008年09月14日 | Weblog

 

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スカート

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学生だった頃

 

ふと気になって聞いたことがある

 

どうして女の人は

 

スカートにベルトするの?

 

するときみは

 

スカートが落ちるからでしょう

 

花の模様の

 

かわいいスカートの君が

 

怪訝な顔していった

 

僕は悪戯っぽく言った

 

じゃあベルト外してよ

 

後ろからついて行くから

 

二人は大笑いした

 

少しだけ大人に憧れ

 

少しだけ大人びてきた頃の

 

淡い恋心を抱いた

 

パステルな思い出

 

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今日ベルトを貰った

男性女性用のセット

なんだかもらい物が多くなって

公務員なら問題だぜ

などといいながら(笑)

そして子どものころのことを

ふと思い出した

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今日の写真は

文に合う様な写真がないので

無理やりこじつけて

時計つながりで、

時計のネジを逆回転させた

想い出にまつわる

時計草

そのアップ写真

グラデーションが美しかった

今日写したものです

 

 

 

 

 


夜汽車の窓

2008年09月13日 | Weblog

 

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夜汽車の窓

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子どものころ

 

列車が走る線路際に

 

住んでいたことがあった

 

いつも通る夜汽車に憧れ

 

その列車を見送っていた

 

いつかあの列車に乗って

 

いつも眺めている

 

自分の家の窓や

 

街の明かりを

 

眺めたいと思っていた

 

夜汽車の窓からは

 

何が見えるのだろう

 

きっと知らない世界が

 

見えるに違いない

 

そんな小さな夢も

 

他の夢に先を越されて

 

いまだに実現していない

 

いつも見るのは

 

見送る列車の窓の灯り

 

青い灯りが

 

静かに流れてゆく

 

私の夢を引きずって

 

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夜行列車の旅に憧れ

何度も乗っては見ても

外を見るのを忘れて

眠りこけてしまった

夢だったことさえ忘れて

思い出すたびに

今度はきっと・・

いまだに続く夢

 

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今日の写真は

 

フランスの教会の

ステンドガラス

幻想的な傑作

 

 

 

 

 


宝石

2008年09月12日 | Weblog

 

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宝石

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宝石店には

 

絶対売っていない宝石

 

どうしても飾ることができない宝石

 

それは

 

ごくごく小さな宝石

 

トパーズ

 

なにものにも かえがたい

 

きんいろのゆらぎ

 

それは

 

暗闇の中で

 

ひっそりとかがやいています

 

それは

 

ひとつぶの

 

きんいろの宝石

 

あの人の住む家の

 

ちいさな

 

窓の灯り

 

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夜が昼間の勢力を押し返し

闇が深くなるほど

窓の灯りが輝いて見えます

いくつもの窓に灯りが一つ二つとついて

次第に宝石で飾られる都会の暮らしは

賑やかだけれど

少しだけ温かみが薄い気がする

山の中腹にぽつんとつく明かりは

とても高価な宝石に見えてくる

 

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今日の写真は

 

レンズテストのときの

ろうそくの灯り

 

 

 

 

 

 

 


イチゴのケーキ

2008年09月11日 | Weblog

 

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イチゴのケーキ

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普通のなんでもない日に

 

イチゴのケーキのもらい物

 

それを

 

食べる前にスタッフの一人が

 

わけもなく

 

おめでとうといって・・拍手

 

他の人たちは怪訝な顔で

 

え・・だれが~だれの~

 

えぇ・・何がおめでたいの

 

他のスタッフが狼狽

 

そうしたら いわく

 

冗談です・・ちょっとそんな気がして

 

その訳は~~

 

イチゴのケーキは

 

子どものころから

 

お祝いのときに食べたから

 

イチゴのケーキ食べるときは

 

つい~「おめでとう」って

 

言ってしまうんです

 

言ってみたいのです

 

特別なことは何もなくても

 

元気でがんばってる

 

スタッフに

 

「おめでとう」は・・

 

きっと自然なことなんですね

 

とても心がハッピーだから

 

改めて・・みんなで言おう

 

何もないけど

 

お・め・で・と・う

 

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今日もこんなスタッフと

ワイワイガヤガヤ

そしておしゃべり以外は

お菓子やケーキに囲まれる毎日

みんな元気でがんばろう

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今日の写真は

もちろん

そのケーキ

おいしかったですよ(笑)

 

 

 


空をつかむ手

2008年09月10日 | Weblog

 

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空をつかむ手

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朝家の前に

 

白い手袋が落ちていた

 

その手袋は

 

まるで空をつかもうとするような形で

 

それとも

 

持ち主に落とされて

 

呼び止めようとしたかのように

 

指を空に向けて

 

何かを掴もうとしている

 

持ち主に会えるように

 

目立つところに

 

掛けてあげたら

 

指をそろえて垂れ下がった

 

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冬になるとよくあるね

持ってたはずはいつの間にか

手から滑り落ちている手袋

最近は手袋するほどの

冷たいところには

行かないから

手袋することはないけれど

今の時期は

紫外線予防なのかも

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今日の写真は

心の友人の木

この木は、三年前に

植物園でであった

その頃はなぜか気を感じる木で

私は密かに好きだったので

自分の木として

出かけるといつも

しばらく話をして帰ります

話といっても一人しゃべりですが

目があることに気がついた

今までまったく気がつかなかった

急に目立ち始めた

だから余計うれしくて

いつもその木に触れて

気持ちの安らぎを覚えて帰ります

素敵な木です

皆様もご自分の木を

見つけてみるのはいかがですか