***
夜汽車の窓
***
子どものころ
列車が走る線路際に
住んでいたことがあった
いつも通る夜汽車に憧れ
その列車を見送っていた
いつかあの列車に乗って
いつも眺めている
自分の家の窓や
街の明かりを
眺めたいと思っていた
夜汽車の窓からは
何が見えるのだろう
きっと知らない世界が
見えるに違いない
そんな小さな夢も
他の夢に先を越されて
いまだに実現していない
いつも見るのは
見送る列車の窓の灯り
青い灯りが
静かに流れてゆく
私の夢を引きずって
***
夜行列車の旅に憧れ
何度も乗っては見ても
外を見るのを忘れて
眠りこけてしまった
夢だったことさえ忘れて
思い出すたびに
今度はきっと・・
いまだに続く夢
***
今日の写真は
フランスの教会の
ステンドガラス
幻想的な傑作