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名残り
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庭に出ると
夏の名残り
あれほど勢いがあった
花々も既に枯れている
どこかでカナカナが鳴く
諦めを覚えたのも夏
それを知っているひまわり
誰かが止めたタイマー
死んでしまった時間は
あてもなく遠い
夏になくした
紅いスカーフ
見つからないまま終わる
緑のにおいが
雨へと変わるようだ
夏のさいはて
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午後の庭に写るのは
影ばかりくっきりと
漣のように揺れている
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季節の変わり目は
すべての時が止まる
見るもの全てが
時間を失うように
枯れている花 蝉の抜け殻
枯葉だって
落ちたところにとどまって
洗い流す雨や風が
時を促すように
又動き出す
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今日の写真は
モミジアオイ
(紅蜀葵・こうしょくき)
殆どが咲き終わった中で
秋の空を眺めて夏を懐かしむように
一花咲いていました