花弁雪(はなびらゆき)
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花弁雪ひとひらそっと手の中に
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子どもの雑誌に載った
雪の結晶を見て
自分で見たいと言い出した
なかな雪が降らなくて
雪のあるところまで出かけることに
ところが
なかなかタイミング悪くて
結晶を見る機会がなく
家に戻る
翌日
朝から大騒ぎ
どうしたの?
雪がちらついている
おまけに
顕微鏡持ち出さなくても
窓ガラスに
綺麗な結晶がついている
食い入るように見るきみは
寒さも忘れて
妄想の世界かも(笑)
・・・
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幸福が降ってくる
雪を花に例えた言葉
雪を花に例えた言葉は沢山ありますが
見たまま「雪の花」、六角形の結晶の形から「六つの花」
天からの花の意味で「天花(てんか)」
そして、大粒のはらはら舞い落ちる雪が
「花弁雪」といいます
「牡丹雪」も
大粒の雪を牡丹の花に見立てたものですね
降る雪の姿は本当に命があるようです
その美しさを 雪見して
楽しんだりもしました
雪の多い地方では
そんなのんきなことは
言っておられないでしょうけれども
雪の多い年は豊作とも言われます
「瑞花(ずいか)」は
めでたい花という意味で
方策の兆しとなる花のことを言いました
つまり 雪のことなのです
この冷たい一片(ひとひら) 一片(ひとひら)が
いつか 本当の幸せの花に
変わりますように・・・・・
(山下景子著「美人の日本語」より)