その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

氷面鏡(ひもかがみ)

2008年02月14日 | Weblog

 

氷面鏡(ひもかがみ)

 

***

凍った湖の一角に

 

少しだけ溶けているところがある

 

そこに対岸の景色が

 

まるで絵に描いたように

 

自然は嘘や偽りがないね

 

ただ逆さまになっているだけで

 

全く同じ風景が写っているもん

 

わたしの心を

 

写したらきっと・・・

 

どこか違うところが

 

きっと写るかもしれない

 

だって・・だって~

 

こういうときに使うのでしょう?

 

謙譲の美徳

 

うぅ~~うん

 

・・・・

 

***

 

きらめく思い

氷の表面に風景が映って

鏡のように見える様子を氷面鏡(ひもかがみ)といいます

この言葉は

中世の歌人の造語なのだそうです

万葉集に出てくる

「紐鏡(ひもかがみ)」

これは 紐をつけるようになっていて

儀式などに使う鏡のことでした

「紐」も「氷」も

つまり とけるものですね

どちらも「とく」を

導く言葉として使われていたので

そこから生まれたと言われています

ますます

ロマンティックな言葉に生まれ変わりましたね

「とく」は 帯を解くにも通じ

とっても意味深なのです

もちろん

氷がとけて春になる

心がとけて親しくなる・・

氷面鏡に映った美しい情景に

さまざまな思いがきらめいています

(山下景子著「美人の日本語」より)