心根(こころね)
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改築工事で
大木が切り倒されてゆく
電動のこぎりの
激しく甲高い音が
まるで木の悲鳴に聞こえる
やがて根元の木が
掘り起こされて
根っこが見えてくる
鳥や人が親しんだ木も
大きく延ばした根っこも
容赦なく取り払われた
少しだけ悲しい現実だった
・・・・
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花の咲かない冬の日は・・
心根・・・
心を土壌に見立てる発想は
農耕民族の日本人らしいですね
心根は
時には本性をさしたり
根性や気立てをさしたりしますが
どれも心の深い部分のことです
植物は
根っこさえ枯れなければいつか芽を出します
花を咲かせたり 実を結んだりすることが出来ます
人の心も同じではないでしょうか
心にも花が咲きます
そして・・
枯れてしまうこともあります
そんなときでも
根だけは枯らさないように
土を耕したり 肥やしをあげたりすることが大切です
下へ 下へと丈夫な根を伸ばせば
今度は きっと
前よりもすばらしい花が咲くことでしょう
(山下景子著「美人の日本語」より)
写真は先日見つけたどんぐり
拾おうとしたら根っこが出て
既に地中に根を張っていました
大きくなぁあれっていいながら
そのままにしておきました