生体肝移植が選択できた幸福

B型慢性肝炎から肝硬変・肝臓癌となり生体肝移植を受けることとなった医師によるブログ

2011年 あけましておめでとうございます

2011-01-03 20:45:20 | 退院後
あけましておめでとうございます。


相変わらず、ブログの更新が滞っています・・・申し訳ありません。


話は変わりますが、昨年の9月8日に福島県立医科大学で移植を受けた患者さんたちやその家族たちが参加する家族会が開催されました。昨年は、開催されなかったので今回2年ぶりです。


写真は全員で撮影した集合写真です。

肝臓だけではなく、腎移植を受けられた方も参加していますので、全くの初顔合わせの方も多くいらっしゃいました。

幹事を務められたのは、小さいとき肝移植を受け、現在看護師となりコーディネータつとめられたことのある方です。


自分と同時期に移植を受けられた方とも久しぶりにお会いすることができました。入院中は、お互いに余裕がなかったため、あまり話せる時間がとれなかったのですが、今回ゆっくりと懐かしい話をすることができました。
 
その中のお一人から、週2回晩酌しているよ!という話を聞きました。おそらく、自分も飲めるのだろうなーと思っているのですが、やはりいただいた肝臓なので、なかなかそこまでは踏み切れないと思います。

皆さんで集まって、バーベキューをして解散となるだけなのですが、すごく懐かしい気分になれました。それと、同時期に移植を受けられた方が皆さん元気そうなのをみれて、安心しました。



自分の体調ですが、年内の採血では、肝機能正常・胆管系酵素高め安定・腫瘍マーカー正常範囲です。CTでも胆管拡張は認めるが、血流の異常や萎縮など認めない様でした。順調に2年目を迎えることができました。

免疫抑制剤は、プログラフ(0.5)を2錠/日・セルセプト(250)を2カプセル/日・バラクルードを1錠/日・ウルソを6錠/日のみ内服で、最近は減量していません。
ヘブスブリンはだいたい3ヶ月に1回投与して、抗体価が25を切らないようにキープしています。

風邪に関しては、以前と比較して症状が強くなることはあまりないのですが、長引くような印象です。発熱することはほとんどありません。体重も、68kgまで回復したので、一番減ったときよりも8kg増えました。

日常のルーチンワークも休むことなくこなせています。


2年目の1/4より仕事開始していますので、もう充電の2年は過ぎました。今年は何か新しいことを取り組んで行きます。



皆さん今年もよろしくお願いいたします。


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15 コメント

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Unknown (たまき)
2011-01-05 10:55:13
はじめまして。
私は21歳の大学生です。
私は生まれて間もなく胆道閉鎖症という病気の手術をしました。21年間何にもなく過ごしてきましたが昨年12月に体調を崩して入院しました。
昨日、年明け最初の診察で遅かれ早かれ生体肝移植が必要になると言われました。
正直、怖いです…。移植して本当に元に戻るの?死なないの?いろんな不安があります。

一つ質問したいのですが、移植~退院までどのくらいの機関がかかるのですか?

はじめてのコメントで私事で申し訳ございません。
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はじめまして (ひさ)
2011-01-05 17:58:08
たまきさん、はじめまして。

コメントありがとうございます。

私の場合は、B型慢性肝炎から肝硬変となり肝癌が多発したために移植医療に踏み切りましたが、本当に偶然肝臓がんであることが分かったためたまきさんとは少し状況が異なると思います。

ただ、私も移植までほとんど日常生活が普通にできていたので、移植の”い”の字もない所に突然の選択肢が出てきたことは、たまきさんと似ているかもしれません。


移植医療には、必ずドナーが必要となるため受けたくても受けれない方もいます。自分の兄弟・親子間・結婚されていれば夫婦間での移植となりますが、ドナーは健康な方ですので何か起きるのではないかというプレッシャーが大きいとおもいます。

ドナーが決定すれば、術式にもよりますが、ドナーからの肝臓摘出に9時間程度・レシピエントへの移植に14時間程度の時間がかかると思います。これは一般的な話ですので、実際には移植を受ける病院の主治医の先生の説明になると思います。

移植して元に戻るのという質問に対しては、自分は”no”でした。特に移植前普通に生活していましたので、術後はつらいことの連続で現在も以前の生活から比較すると70%程度までの回復です。しかし、命との対比となりますので、自分の中では特に不満はありません。逆によくここまで回復したなーと思っています。

死なないのという質問には、私が手術をするわけではないので、なんとも答えられないのですが、移植医療自体で10%の方が合併症や感染症で亡くなられるようです。当然自分はそこには入らないと思いながら移植を受けましたが・・・。
術後再開腹を提案された時には、脳裏に”死”が浮かんだのも事実です。


移植から退院までの期間に関しては、合併症などでかなり幅があると思います。
私の場合は、手術前に8月27日に移植したら11月から現場復帰すると宣言(ほざいて)いましたが、実際には、1月5日からやっとの思いで復帰しました。胆汁漏と腹膜炎・胆管狭窄・胆管炎などにより長引きました。早い方ですと1か月ぐらいで退院して2か月あたりで復帰される方もあるようですし、1年近く体からチューブを出しながら復帰している方もおられますので、いろいろです。
たまきさんは、お若いので早いのではないかと思います。

このブログの主旨は、次に受けられる方への情報提示ですので、気軽に聞いてください。だたし、主治医が説明すべき点についてはコメントできない時もありますので勘弁してください。


ブログのブックマークに私が移植前に情報収集をさせていただいたサイトがありますので、参考にしてみてください。

移植の費用についても少し勉強したほうが良いかもしれません、
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これからも (かんぞう)
2011-01-06 10:15:45
ひささんの3年目の始まりですね。

なんだかとても嬉しいんです。
移植されて元気に過ごしている方はたくさんいらっしゃいますが、働き盛りの年齢で、前線で仕事を頑張っている方は、ひささんの他にあまり知らないので、自分と重ね合わせてしまいます。

元々生活に余裕は無かったので、移植前後やその後の入院生活で、病気の状況云々よりも、仕事に復帰できるのかどうかの方が気になっていたのですから、今考えると認識が甘かったと反省しているところです。

それにしても、死んでいてもおかしくないのに、今仕事している自分が時々不思議になります。
ひささんはどうですか。
実際、現生活でも大変な事はたくさん有るのですが、生死との比較を考えると、色んな事が大した事ではなくなったり、それでも現実に大変な事では憂鬱になったり、人間って勝手でわがままなものですね。


これからも、体調に注意しながら楽しんで仕事も頑張りましょうね。
ひささんの「新しいこと」にも注目していま~す。
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Unknown (たまき)
2011-01-06 12:01:26
詳しく説明して頂きありがとうございます。
費用は私の場合、先天性胆道閉鎖症ということで保険がきくようです。私がこの病気になった時はまだ生体肝移植がなかったようですが、50%の人は移植が必要になるようです。私の頃は20歳まで生きられないと言われたそうです。
昨日はいろいろ移植について調べたせいか、目に黄疸が出てきた…病は気からと言いますが本当にそうだと思いました。
心配していてもしょうがない!自分が生きるためだ!移植できる機会があるならやるしかないのかな…と。
ただ、生体肝移植で母から肝臓をもらうことになると思うのですが、母に合併症や辛い思いをさせることが私も辛いです。
私は、福島県の下の茨城県に住んでいるのですが、今の段階では移植は栃木県の自治医科大学病院で受けることになりそうです。まだ、紹介情を書いてもらっている段階です…受診はしていません。

いろいろ不安なことがあり、コメントさせて頂くかと思いますがよろしくお願いします。
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仕事 (ひさ)
2011-01-07 20:21:17
かんぞうさん、こんばんは。

この返事を書いているのも、昨日自宅から80km離れた病院で、お手伝いをした後、新規移転病院で新しく始まる治療の打ち合わせを行い、ホテルに宿泊し、本日、120km離れた病院で朝7時半から働いて家に戻ってきてから書いています。

2年前の復帰時には、午前中2人の患者さんを外来でお話しただけで息が続かなくなり、おなかが張り、横になって30分休んだ後、病棟に行こうとしたら、途中の廊下で息切れしてしまい、休み休み行ったことを思い出しました。

夢のような回復ですが、移植前の状態と比べると70%程度です・・・

こんな体で大学病院での仕事を続けるのは無理と考えてやめようともしましたが、今では逆に穴を開けられなくて、やめれません。

難しいところです。


ところで、ネスカフェバリスタ買いました!!
少しぬるいのですが、いつでもすぐに飲めるのは非常に重宝しています。以前よりも飲む機会が2倍に増えています。夏場には、エスプレッソに氷をいれて楽しみたいと思います。

かんぞうさんも、自営業のつらさがあると思いますので、この時勢大変だと思いますが、楽しんでがんばって下さい。



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ドナー (ひさ)
2011-01-07 20:35:53
たまきさん、こんばんは。

生体肝移植の場合には、ドナーさんとのつながりが強い要素となっています。

お母さんがドナーになられるようですが、私は兄から肝臓の6割をいただきました。兄が、この肝臓はおまえのためだけでなく、おまえの家族のためにあげるんだぞと言われたのが、今でも心の強く残っています。

やはり家族の関係は、切っても切れないものがありますし、自分の子供が病気で苦しんでいる姿をずっと見ていたのですから、お母さんとしっかり話をして、元気に社会復帰されて下さい。


私が一番恐れていたのは、当然ドナーの兄に大きな合併症が出ないことですが、自分のこととしては移植がうまくいったのに、自分で何もできない状態で、一生病院で過ごすようになってしまうことでした。

幸いにして、今現職復帰ができていますので、何も言うことはありません。

逆に、いただいた人生ですのでそろそろ新しいことを始めようとも思っています。

意外と近いところのようですので、これも何かの縁かもしれませんので、文章だけですが何かあれば質問下さい。

黄疸に関してですが、学生の頃ビリルビンが20以上になり真っ黄色というか真緑になりました。その頃医学生だったので、病院実習で担当教官に”君、黄色くないか?”と言われ入院しました。それ依頼、2以下になることはありませんでしたので、輝く白い目にあこがれています(笑)。今では、あまり気にしていませんが・・・
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:迎春 (nobu.oikawa)
2011-01-13 12:08:17
久志先生
昨日は 本年最初の経過診察ありがとうございました。
 セカンドオピニオンで陽子線治療 毎日新聞で見かけた放射線治療トモセラピーでのサードオピニオンで初めて先生にお目にかかりました。

お会いした瞬間 ああこの先生にお願いしようと決めました、、、。

仙台の病院では詳しい治療方針がなく不安ばかり
の毎日 けんか腰でデータをもらい納得するまでは東京でも九州でも行ってやろうとの気概に溢れ返っていました。

いま治療が終えて三か月本当に久志先生との出会いに感謝しております。
今後とも宜しくお願いいたします。

ブログ古刹巡礼早速お立ち寄りいただきありがとうございました。

flickerのaddressも案内させて頂きます

http://www.flickr.com/photos/34058715@N05/

ぜひ電車のブログはflickerをご利用してください 世界中に仲間が増えます。
                nobu









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移植 (たまき)
2011-01-13 14:13:39
毎回長文ありがとうございます。

11日に自治医大の方へ受診して移植の話をしてきました。丁寧に説明して下さり、最初より不安は少なくなりました。

自治医大での移植はほとんどが胆道閉鎖の移植で実績もあり安心する反面、もし私が移植する場合は21歳で最年長になるそうで…(汗)
その分、多少リスクも大きくはなると…

しかし、移植は先の伸ばしにしても何のメリットもないですし、家族が若いうちにと私も両親も考えてます。

今回は、お話を聞けていろいろ考える機会になりました。実際に話を聞いて不安も解消される反面、現実的になることへの恐怖も多少ありますが…。これを機に家族で乗り越えていきたいです。
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写真 (ひさ)
2011-01-14 21:00:53
nobuさん、コメントありがとうございます。

flickernページのぞいてみましたが、私の撮った写真など恥ずかしくて、載せられません・・・

これからもよろしくおねがいいたします。
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移植 (ひさ)
2011-01-14 21:11:20
たまきさん、こんばんは。

そうですね、やるなら早いほうが良いかと思います。

私と同時期に3人の患者さんが移植を受けました。

私が一番若く、移植前の条件が良かったのですが、結局ふたをあけてみると、私が最後まで入院していました・・・

なかなか、思った通りには行かないようです。


大学の時の同級生(骨髄移植を受けた同級生)が入院中に、見舞いにきてくれて、こんな一言をアドバイスしてもらいました。やっときつい時期が過ぎて、少し洛になってきたときに、
”大丈夫!! まだまだ、いろいろあるから。
 あきらめた頃に、明かりが見えてくるから。
  心配ないよ。””

最初は、またー冗談言って・・・と笑って流した言葉でしたが、まさにその後の、胆汁漏・胆管炎・サイトメガロ感染・拒絶反応・・・・
いろいろありました。

よく移植後1ヶ月はジェットコースターの様に体調が変化すると言われていますが、その通りになりました。

これから移植を受けられる方に、このような話をするのは、心苦しいのですが、きつい時期もあると思います。

でも時間がたつと、つらいことは忘れていきますので、心配いりません。

少し我慢が必要ですが、がんばって下さい。
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