「パッチギ! Love & Peace 」 井筒和幸監督
「パッチギ」2作目をつくった井筒監督は語ります。
「声なき声が、いっぱい詰まっているんですよ、この映画には。植民地時代に、日本軍に徴兵、徴用を受けた朝鮮半 島の人たちの、声がね」
「これは僕らが勝手につくった物語じゃない。取材した事実にもとづく話です。在日の話というのは、日本の現代史 そのものですよ。でも、日本の物語は語っても、朝鮮の物語をマスコミは言わないし、教科書は教えない。歴史をき ちんと踏まえないと、本当の、友好とか共生なんてできないでしょう」
「なにを考えてんのかね、この国は」
「憲法九条の言ってることは、国民のほとんどの常識ですからね。この前の(世論)調査でも憲法は改正してもいい という人は過半数いるけれど、中身を見ると、九条を変えようと言う人はそんなにいない。九条のおかで、日本が戦後何十年、平和がつづいてきたこと、多くの国民が自覚しているからです」
「どんなことがあろうが、手を出さない。出すものがないし、出してはならないというふうになっているわけだから こんな理想憲法は、どこにもないですよ。本当に、世界遺産に登録したっていい。日本は、周りが戦争しそうになっ たら”まあまあちょっとまて”という役目をはたさなきゃ。それがいちばんカッコイイでしょ」
「戦争を起こさせないようにするのが、外務省の努めです。武器も持たず、きちんと外交努力をする国を、攻めてく るわけがない。ところが、憲法を改悪して武器の使用を認めてしまえば、戦争を構えることになる。向こうもやってやろうと思うでしょう。だから、許しちゃいけないんです」
(5月27日付『赤旗』日曜版より)
ここが考えるスタートだと思う。