8月末に期限の迫った2007年度予算の概算要求に向けて各省庁の作業が進められている。政府の「構造改革の基本方針」(いわゆる骨太方針)は5年、10年にわたって社会保障を切り捨て続ける方針を掲げている。
歳出の削減と言えば社会保障、歳入の見直しと言えば消費税・庶民増税とすべての負担を庶民に転嫁するというのが自民党・公明党が言う「構造改革」である。
財政破たんの原因は、軍事費、大型公共事業のむだ遣いと大企業・大資産家への行き過ぎた減税にある。
米国に次ぐ水準の5兆円の軍事費、グアムの米軍基地にまで国民の血税を投入するという異常さ。国と地方合わせて50兆円に上る公共投資、この無謀な大規模プロジェクトの積み残しで財政赤字が大きくふくらんだことは国も認めている。
「構造改革」の名の下で連続して大企業減税を実施、相続税・所得税の最高税率を引き下げ、株の売買益や配当課税の減税を進めてきたことが歳入の基盤を直撃した。
財務省の法人企業統計によると企業の経常利益はバブル期の最高(89年の39兆円)を大きく超え、04年には45兆円に達した。にもかかわらず、この間の法人税収は19兆円から11兆円に、8兆円も減っている。
社会保障費が財政悪化の主な原因であるかのような小泉内閣の宣伝は全くウソである。
国の最も大切な政策の第一は「国民の生存権」を保障することである。
とくに切り捨ての対象となっているのは、障害を持つ人、生活保護を必要としている人、子どもを抱えて働く母子・父子家庭、介護を必要とする病人を抱えた家庭、老人など。さらには、長時間・低賃金・過密労働・不安定雇用にあえぐ労働者。
こうした人々が標的となっている。
かろうじて年金で食べている私どもでも申し訳ない気持ちにさせられる。そして税金を払う。脱税など全くしたことはない。
日本医師会の日医総研のレポートによれば、
《 例えば04年度の国債・借入金残高は78兆円も増えたのに対し、社会保障費はわずか6千億円の増加。社会保障費の増加額と借金の増加額には「全く関係がない」。公共事業の過去の遺産は重く、社会保障削減の一方でイラク派兵が強行され、米軍への「思いやり予算」は死守、今また米軍再編の費用が捻出されようとしている 》
と分析している。
憲法第25条
すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する ②国はすべての生活部面について、社会福祉、 社会保障、及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
とある。だから憲法を変えたいのだろう。彼ら小泉・安倍をはじめとする自民党及び自民党的政治家(野党の一部を含む)の憲法改悪の企みは、9条の改悪だけではない。弱者抹殺、弱者攻撃を合理化するためのすべての部分に及ぶと思って間違いない。憲法9条を変えて戦争をする国に変えるためにはそのことが必要なのだ。
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