三流読書人

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原子力神話の崩壊

2011年05月13日 12時52分52秒 | 徒然なるままに
原子力神話の崩壊


高木仁三郎というすぐれた科学者がいました。残念ながら2000年10月になくなった。
生涯をかけて原子力という巨大なエネルギーを人類がコントロールすることの困難さを、危険を訴え続けた科学者でした。たくさんの著書を残していますが、亡くなる2ヶ月前に出版された『「原子力神話からの解放」日本を滅ぼす九つの呪縛』(カッパブックス・光文社)という著書があります。ぜひ読んで欲しいのですが、光文社業務部に聞いたところ、すでに絶版とのことです。
福島原発の事故後の処理は困難を極め、今後の見通しも立たない状況にありますが、そのような事態になることは、この書物の中ですべて喝破されていると言ってよいでしょう。1945年日本に原爆が落とされ、1954年3月1日、アメリカの水爆実験によって多量の放射能に汚染された第五福竜丸、その翌日3月2日に、国会に予算提案し、強引に政治的に原発を導入したのが中曽根康弘・齋藤憲三(当時改進党)の両氏他数名の代議士たちでした。「札束で科学者の頬をひっぱたく」というたかちで反対論を抑えこみ、反対運動には金をばらまき暴力まで使って徹底的に攻撃したのです。
多岐にわたる内容を紹介することはできません。出版社にも在庫がないということで読んでいただくのは難しいでしょう。図書館か、ネット上で探せば手に入るかもわかりません
あるいは、高木仁三郎氏が立ち上げた原子力資料情報室に問い合わせるしかないでしょうか。