翌朝、H田と別れてフロリダへ飛びました。さすがに10年以上も経つとこのあたりは全然記憶になく、H田とどこで別れたのか、何で空港へ行ったのかまったく覚えてません。次に覚えているのはタンパ空港からです。
タンパ国際空港でスーツケースを拾ってロビーへ出ると、すぐに「ELS Language Centers」と書かれた紙を持った、背の高い白人のにいさんを見つけました。さすが時間通り、H田とは全然違う。にいさんはひろきちのスーツケースをゴロゴロ引いて自分の車まで案内してくれました。ピカピカに磨かれた紺色のセダンに乗って、学校とホームステイ先のあるSt.Petersburgへと向かいました。
「フロリダは初めて?」
「はい。アメリカ自体はじめて来ました。」
「そう。」
にいさんとの会話はこれだけで、そのあとはずっと窓の外を眺めていました。ホストファミリーがどんな家族かとても気になります。そんなに金持ちじゃなくていいけど、広くてきれいな家がいいな。ママは料理がうまくて、絶対美人がいいぞ。娘が美人でもいいけどww
約1時間後、車は高速を降り、割と大きな家の立ち並ぶ住宅街へ入っていきました。大きなカーポートのある白い平屋建ての家の前で止まり、にいさんとひろきちは車を降りました。
Photo by Google Map(ちゃんと覚えてたひろきちエラい!)
へえ、ここかあ。1階建てなのか。
家の正面には小さな玄関があり、その左側には大きなガレージが全開に開いていました。にいさんはガレージへとずけずけと入っていき、さらに家の中まで入っていきました。
「玄関から行かないのか?」
と思いつつ、ひろきちも慌てて後をついていきました。家の中に入ると、口ひげを生やした茶色い肌の男がキッチンカウンターに座ってコーラを飲んでいて、ひろきちに向かって「Hello」と言いました。奥の方ではジーンズにTシャツ姿の40歳代くらいの男の人が壁にペンキを塗っていて、ひろきちに気づくと
「今家の人は今いないから。すぐ戻ってくるよ。」
というようなことを言いました(実は鼻にかかった声が聞き取りにくくて、もしかしたら違うことを言ったのかもしれないのですが)。振り返るとお迎えのにいさんの姿はすでに無く、窓の外を見るとさっき乗ってきた紺色のセダンが動き出していました。
(一言もかけずに、えらいあっさりしてるな)
と思いましたが、あのにいさんはELSの職員じゃなくてただのハイヤーの運転手だったのか、と分かりました。
コーラを飲んでいた口ひげの男はヤジードという名前のサウジアラビアからの留学生で、1ヶ月前からここにホームステイしていると言っていました。つまりこれからルームメイトにになるという訳です。しばらくヤジードと片言で他愛もない話をしていると、家の人が帰ってきました。
「ごめんなさい!ちょっと出てて」
その姿はTシャツに短パンにサングラスにビーサン。ラフだなー、こんな格好で出かけるのか!?
「私はシャーリーよ。彼はヤジード、サウジアラビアからの留学生。そして彼は」
と奥でペンキ塗りをしている男を指して、
「ドウェインよ。」
なんだ、家の人だったのか。ペンキ職人かと思った。ドウェインはニッと笑って軽く手を振りました。
部屋に案内され、とりあえず荷物を運びました。大きなキングサイズベッドに十分な大きさの洋服ダンス。机はありませんでした。天井には大きなシーリングファンがついていて、スイッチを入れるとちゃんと動きました。大きな窓もあって快適そうでした。ベッドに横になると意外にも寝心地も悪くなく、とりあえず部屋に関しては安心。
着るものと勉強道具をとりあえずスーツケースから出して、適当なところに片付けました。その後、家の中をもう少し見てみようと思って部屋を出ました。
家の裏手には何と、プールがありました。
「プ、プール付きか!」
部屋はシャーリーのメインベッドルームの他に3つ。50インチのリアプロジェクションテレビにシャンデリア。高級そうな食器棚に並べられた、これまた高級そうな食器たち。そしてダインングテーブル。表にはシャーリーが乗って帰って来た真っ赤なキャデラックが止まっていました。
で、家の主人は短パンにTシャツ・・・。なんか庶民なのか金持ちなのか分かりかねる状況なのでした。
家族構成なども含めて謎が残りましたが、夜はシャーリーが中華料理を食べに連れて行ってくれたりして、まずはいい感じでホームステイ生活が始まりました。
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アメリカ留学記(1996~1997)ポータルページへ
タンパ国際空港でスーツケースを拾ってロビーへ出ると、すぐに「ELS Language Centers」と書かれた紙を持った、背の高い白人のにいさんを見つけました。さすが時間通り、H田とは全然違う。にいさんはひろきちのスーツケースをゴロゴロ引いて自分の車まで案内してくれました。ピカピカに磨かれた紺色のセダンに乗って、学校とホームステイ先のあるSt.Petersburgへと向かいました。
「フロリダは初めて?」
「はい。アメリカ自体はじめて来ました。」
「そう。」
にいさんとの会話はこれだけで、そのあとはずっと窓の外を眺めていました。ホストファミリーがどんな家族かとても気になります。そんなに金持ちじゃなくていいけど、広くてきれいな家がいいな。ママは料理がうまくて、絶対美人がいいぞ。娘が美人でもいいけどww
約1時間後、車は高速を降り、割と大きな家の立ち並ぶ住宅街へ入っていきました。大きなカーポートのある白い平屋建ての家の前で止まり、にいさんとひろきちは車を降りました。
Photo by Google Map(ちゃんと覚えてたひろきちエラい!)
へえ、ここかあ。1階建てなのか。
家の正面には小さな玄関があり、その左側には大きなガレージが全開に開いていました。にいさんはガレージへとずけずけと入っていき、さらに家の中まで入っていきました。
「玄関から行かないのか?」
と思いつつ、ひろきちも慌てて後をついていきました。家の中に入ると、口ひげを生やした茶色い肌の男がキッチンカウンターに座ってコーラを飲んでいて、ひろきちに向かって「Hello」と言いました。奥の方ではジーンズにTシャツ姿の40歳代くらいの男の人が壁にペンキを塗っていて、ひろきちに気づくと
「今家の人は今いないから。すぐ戻ってくるよ。」
というようなことを言いました(実は鼻にかかった声が聞き取りにくくて、もしかしたら違うことを言ったのかもしれないのですが)。振り返るとお迎えのにいさんの姿はすでに無く、窓の外を見るとさっき乗ってきた紺色のセダンが動き出していました。
(一言もかけずに、えらいあっさりしてるな)
と思いましたが、あのにいさんはELSの職員じゃなくてただのハイヤーの運転手だったのか、と分かりました。
コーラを飲んでいた口ひげの男はヤジードという名前のサウジアラビアからの留学生で、1ヶ月前からここにホームステイしていると言っていました。つまりこれからルームメイトにになるという訳です。しばらくヤジードと片言で他愛もない話をしていると、家の人が帰ってきました。
「ごめんなさい!ちょっと出てて」
その姿はTシャツに短パンにサングラスにビーサン。ラフだなー、こんな格好で出かけるのか!?
「私はシャーリーよ。彼はヤジード、サウジアラビアからの留学生。そして彼は」
と奥でペンキ塗りをしている男を指して、
「ドウェインよ。」
なんだ、家の人だったのか。ペンキ職人かと思った。ドウェインはニッと笑って軽く手を振りました。
部屋に案内され、とりあえず荷物を運びました。大きなキングサイズベッドに十分な大きさの洋服ダンス。机はありませんでした。天井には大きなシーリングファンがついていて、スイッチを入れるとちゃんと動きました。大きな窓もあって快適そうでした。ベッドに横になると意外にも寝心地も悪くなく、とりあえず部屋に関しては安心。
着るものと勉強道具をとりあえずスーツケースから出して、適当なところに片付けました。その後、家の中をもう少し見てみようと思って部屋を出ました。
家の裏手には何と、プールがありました。
「プ、プール付きか!」
部屋はシャーリーのメインベッドルームの他に3つ。50インチのリアプロジェクションテレビにシャンデリア。高級そうな食器棚に並べられた、これまた高級そうな食器たち。そしてダインングテーブル。表にはシャーリーが乗って帰って来た真っ赤なキャデラックが止まっていました。
で、家の主人は短パンにTシャツ・・・。なんか庶民なのか金持ちなのか分かりかねる状況なのでした。
家族構成なども含めて謎が残りましたが、夜はシャーリーが中華料理を食べに連れて行ってくれたりして、まずはいい感じでホームステイ生活が始まりました。
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あんまりしないタイプなんですけど、
ひろきちさんの旅日記見たりしてると
「やっぱ若いうちに!?外に出とくんだった!!」
ってしみじみ思うよ。
旅行じゃなくて、暮らしてみたかったな~。
いつだって何かしら失うんですから。
若い時の方が取り戻しやすかったり失うものが
少なかったりはしますけどね。
長い人生から見れば、まだまだ若いうちとも言え
無くも無くも無い(どっちやねん)。
30年後に「あの時だったらまだ行けたのに、なんで
行かなかったのかな~」って後悔するかもですよ~
と、他人事なので好きなことを言ってみる。