昨日午後、「七里の桜を守る会(40名)」と、土地区画整理協会、さいたま市区画整理支援課との
3回目の意見交換会を行った。
平成14年から、土地区画整理事業の検討が始まり、8年掛かって、地域内の地権者700名の、道路
用地提供や道路に掛るなどの家の立ち退き、代替地への移動(仮換地)について、承諾を取り、併せて、
道路や七里駅橋上化駅舎など、県や市の行政認可・補助金も決定される段取りも整えた。
事業の完了は、令和19年を見込んでいるようで、まだ17年先。
いよいよ、七里駅の橋上駅舎建築に取りかかることになり、桜の木が邪魔になるから「伐採」することに
なり、今年の3月4日に、「伐採する旨」の告知看板を、立てた。
告知看板を見て、初めて、整理事業のために、「70年モノの、株立ちという素晴らしい桜」(著名な桜守
玉木恭介樹木医の診断)が伐採されることを知った市民が、
「計画を、桜を生かした整理事業に変更して欲しい」、と「七里の桜を守る会」を立ち上げた。
「七里の桜を守る会」は、約7000筆の署名をもって、市長・県知事に陳情したため、市長・県知事は、
区画整理協会に、何とか丸く収めて、区画整理事業を進めるよう指示されたようだ。
昨日の「意見交換会」では、
協会・市は、「伐採から移植」の検討をすることになり、樹木医に移植の可能性を打診しているとのこと、
だが、「七里の桜を守る会」は、何とか、計画を、移植ではなく、現在の桜を生かした整理事業に変更して
欲しい、と双方の主張は、平行線。
市の支援課は、七里駅の橋上駅舎建築に取りかかる必要から、桜の前の空き地に資材などの置き場にすると
のことで、邪魔になる桜の枝を切ると言うのだ。
「七里の桜を守る会」は、「桜切るバカ、梅切らぬバカ」のとおり、桜は、枝の切り口から病気にかかり
やすいので、枝切りは止めて欲しい、と主張するが、
市の支援課は、整理区画内700地権者の悲願、「電車に乗るために、踏切を遠回りしなければならない
不便を、駅橋上化で、解消される」からと、道路用地を提供の承諾や、道路に掛かる家の方が立ち退き、
代替え地(換地)に移ることの承諾を、10数年掛け取ってきただけに、譲れないようだ。
整理協会も市の支援課も、10数年掛けて積みあげてきた事業計画を組み替え、700の地権者の了解を
取ることの「厄介さ」を思い、何とか、「移植」で妥協してくれませんか、というところのようだ。
協会も市も、意見交換会を重ねることで、ガス抜きして、計画通り推し進める、ということだ。
桜を生かした事業計画変更は、検討しない、ということだ。
11月、「移植」について、樹木医の診断が出るので、その結果をもとに、再度意見交換会をすることに
なった。ガス抜きの、「異見」交換会が、続く。
「七里の桜を守る会」がくたびれて、諦めるのを待っているみたいだ。
環境問題や自然保護で、世界の価値観が変わっている現在、10数年前の計画にしがみついて、計画変更
する面倒くささで、計画変更を受け入れない、協会や市を、許せない。
「改むるに憚ることなかれ」との会員の悲痛なお願いを、協会も市も、真剣に受け止めるべきだ。
桜伐採の立て看板、七里の桜。