平和への希い６８ 国連憲章の「集団的自衛権」

平和の希い68　戦後７０年　
　　　　　国連憲章５１条の「集団的自衛権」・・・安倍政権・与党が安保関連法案を正当化する根拠の一つ

先日、図書館で調べてみました。「世界大百科事典」より。
『自国が直接攻撃を受けなくとも、他国への攻撃を自国への攻撃を受けたものとみなして反撃することができること』
を集団的自衛権と言う。（国連憲章５１条）

国際連合が、世界のあちこちの紛争に機能できないのは、安全保障理事会の常任理事国（５大国）の規定が大きく、
影響しており、世界平和のアキレス腱となっているように思います。

紛争が発生すれば、安全保障理事会が開催され、対応を検討する事になるが、５大国は「拒否権」を有し、自国や
同盟国・友好国などの国益に反すると「拒否権」を発動し、５大国の１国でも反対すると、話がまとまらない構造に
なっているのです。

国連憲章５１条は、この「拒否権」で「にっちもさっちもいかなくなる」場合に当事国の「集団的自衛権」を認めているのです。

何だか、何のための国連か、と無力感を禁じえませんが、５大国は揃って核兵器を多数保有しており、５大国同士の
戦争になれば人類は破滅するでしょう。安全保障理事会で話し合い、５大国が相互にけん制することが５大国間の
戦争抑止につながっていると思えば「まあいいか」とも思うのです。

国際法で自衛権（専守自衛、集団的自衛とも）を当然有する国も、それをいかなる手段で行使するか・行使しないか
は、その国の憲法の規定に従って決めなければならないのです。
日本国憲法の戦争放棄に関する９条は、この点をも定めており、武力による防衛以外の武力交戦はできないと考えられて
きたのです。

安倍政権・与党は、国連憲章の集団的自衛権を一つの梃に、憲法を拡大解釈し、「アメリカが攻撃されたら、日本が攻撃
を受けたものとみなして反撃できる」国連憲章５１条を盾に、戦争に巻き込まれる危険がでてきたのです。

兎に角、国民無視、憲法無視の安保関連法案を絶対廃案にしなければならないのです。
孫や子供たちが戦争に駆り出されないためにも。