Hiro’s Diary (あしあと)

『TEAM DU BON TEMPS』に所属。 チーム名の意味は、フランス語で『楽しい時間』なんですよ。☆ミ

マニュアル『役に立たず』

2011年04月06日 | その他



私達の職場では、医療ニュースをよく読みます。
その中で、こんな記事に目が止まりました。



 宮城県の気仙沼市医師会は昨年10月、近い将来の発生が確実視されていた宮城県沖地震に備え、市と連携した対応マニュアルを策定したばかりだった。今回の震災はその想定をはるかに上回り、「何の役にも立たなかった」(医師会事務局)のが実情だった。
 マニュアルでは、震度5以上の地震が発生した場合、医療機関が電話やファクスなどで施設の被害状況や診療が可能かどうかを医師会に知らせる手はずになっていた。
 しかし、停電などで通信機能が失われたばかりでなく、医師の多くが避難所暮らしを余儀なくされ、医師会職員が避難所を回り、安否確認をしなければならない状況だった。市災害対策本部に入り、連絡調整に当たるはずだった医師会副会長も被災して動きが取れなかった。
 壊滅的被害を受けた南三陸町も医師会の管轄地域だが、町内にいる医師の誰とも連絡が取れず、道路ががれきで埋まって同町に入ることも無理だった。
 医師会などに配備していた衛星電話は電池が切れた後は停電で充電できず、新たな問題も浮かび上がった。
 マニュアルは約2年かけて作成した。「想定外の震災で役に立たなかったが、基本的な考え方が間違っているわけでない」と事務局。今回の経験を踏まえ今後、つくり直す方針だ。



私達も2年前に、この気仙沼市の病院と同じように、地震対策などの災害についてマニュアルを改訂し作成してあります。
これは、平成7年に起きた『 阪神 淡路大震災』や平成16年に起きた『福井豪雨』などの地震や水害についても考えられてきました。

休日や祭日の時に起きた地震(震度5強以上)の場合は、病院に集合しないといけません。
これは、地震で散らばった器具や医療機器が作動するかを確かめ、明日の診療に差支えがないように致します。
しかし、病院の建物は震度6.5~7.0は耐えられても、これ以上の場合で崩壊した場合はマニュアル通りにはいきませんね。
ライフラインが、全く使えないのも想定はしてますが…。

これ程の地震が起きた場合は、まず家族の安全の確保と家の状態などの確認です。
最悪の被災地は何処になるかわからないから、こればかりは仕方がありません。
この辺も、マニュアルに記載されてます。
また、職場が被災地近辺だと、近くまで行けたとしても入る事が出来ないかも知れません。

福井豪雨の時にも経験しました。
施設課の責任者も被害にあわれ、職場に駆けつけることが出来ませんでした。
私の自宅からは行くことが出来ましたが、松本交差点からは道路も水嵩が増えてました。
水を掻き分けるように、車で入って行きましたが、水に浮くような感じで怖かったです。
思わず、高台に道を変えましたが、そのまま真っ直ぐ走ろうものなら、二次災害になろうとしてたんですね。
職場が落ち着いた頃、帰ろうとしたときは、一時道が封鎖されてました。
このように、現地に向かうのも考えないといけません。

さて、気仙沼市のようにライフラインが殆んど止まってしまい、何も出来なくなってしまった事を教訓にマニュアルの見直しが必要となりました。
4月末までに色々調べて、5月には完成の予定です。
更に、同じ2年前には建物の耐震審査を受けました。
昨年には、耐震計画が立てられ、今年から着工されることになりました。

ところで、一般の家庭でもこんな事に注意をすると良いですね。
一番危険なのは、上から落ちてくる落下物です。
こちらは、一度家の中を再確認するのも良いと思います。
後は、ガラスや陶器の割れたものを踏まないように、スリッパは履いてたほうがいいですね。
もう一つは、キャスター付きのワゴン等です。
こちらのキャスターはロックしないほうが良いです。
地震の時は、ロックされてるほうが倒れます。
なので、私達の病院では、キャスターの付いた医療機器はロックしておりません。
こんなことでも、大きな怪我から逃れることが出来るかも知れませんね。

マニュアルというのは、作っただけでは何の役にも立ちません。
ゴチャゴチャ書いたものより、フローチャート(流れ図)なども書いて、一目で理解できるように工夫するのも良いですね。
そして、やはり日々の訓練なども必要です。


さて、もう一つ心配なのは原発ですね。
福井県の原発は15機あるとか…。
ここが破滅すると、半径300kmを包みこんでしまうとか言われてます。
殆んど日本を飲み込んでしまいますね。
私は、原子力というエネルギーが素晴らしいと思ってましたが、福島原発の事故を思うと怖くて仕方がありません。
今朝のニュースでも言ってましたが、ロサンゼルスも海に面した原発を持ってることから、かなり深刻になっているみたいです。
私も、これを思うと何か安全なエネルギー源がないものかと思いますね。
福井に集中している原発、やはり反対したくなります。

本当に、今回の事故には欧米を中心に海外の専門家、メディアも注目しており、その分析は日本より踏み込んだものが多いようです。
鮮明な事故現場の写真が世界中に配信され、その画像を元に、原発先進国の研究機関が独自に開発したシステムを活用しています。
事故の状況をコンピューターでシミュレート(模擬実験)し、積極的に情報開示しているようですね。
早く、安全な方法を割り出してもらいたいものです。


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4 コメント

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Unknown (フレディ・M)
2011-04-06 21:06:19
うちの嫁さんの勤務する病院も、
「有事の際に、自転車で来るとしたら
 どれだけ時間がかかるか申告しなさい」っと、言われたそうですが、
全職員が自転車保有してるの?
がれきで道路がふさがれた状態での所要時間は?
原発が最悪の事態の想定は?
といった説明はまったくなかったそうです・・・

最低最悪の事態を想定してのマニュアルでないと、
いざというときにはマッタク役に立たないということを、
今回のことで学ばないとイケマセンね
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フレディ・Mさん☆ (hiro)
2011-04-06 22:14:10
こんばんは。
ありゃ、そんな事言われる病院もあるんですね。
しかし、フレディさんの言われるとおりで、どういう設定で決めるんでしょうね。
今回は津波の傷跡が大きかったですが、地震だけでも道の状況は悪くなると思います。
普通の運転では走れませんよね。

病院というところは、スタッフがいないと患者さんを診ることが出来ませんね。
被災地では、患者を診ると言うより、自分自身が患者の立場かも知れません。
早く、病院を立て直さなければと焦っても、どうしょうも出来ないことが歯痒いです。
しかし、これが現実ですね。

また、病院の建ってるところが安全なら行けるとしても、危ない状況なら二次災害に
巻き込まれてしまいます。
行くか行かないかの判断も、かなり迫られると思いますね。

私も、行けると思ったら、息子のMTBで出かけますよ。
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そうなんだ~ (ysphotos)
2011-04-07 18:27:47
>キャスターはロックしないほうが良いです

全く反対でロックしています
解除しておきますね
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ysphotosさん☆ (hiro)
2011-04-07 21:50:59
こんばんは。
そうなんですよ~。
震度6.5でも、ロックしてないワゴン車は揺れに対して動くだけで、倒れませんでした。
こちらは、実際起きた地震で実証済みですよ~。
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