ハッピー&ラッキー

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永遠のモータウン

2006-04-29 | 音楽
さっきスペシャで「永遠のモータウン」を放送していたので見ていました。以前ラジオでアナタキコウの藤井さんがおすすめしていたのを思い出して。

私はいわゆるモータウンミュージックと言うか60年代はさっぱりなのですが、知らない時代のことでも、自分も好きな「音楽」に関する映画ということでとても面白かったです。60年代にたくさんのヒットを飛ばしたモータウンの立役者は、シンガーでもプロデューサーでもなく演奏していたバックバンド「ファンク・ブラザーズ」で、その彼らを他に取られないようにするため長年レコード会社はひた隠ししてきたという背景は藤井さんの話で知っていましたが、実際の映画を見て、そのミュージシャン達がまったくそれを恨みに思っていなさそうなところに感動しました。いや実際はくやしかったのかもしれないし、マーヴィン・ゲイのアルバムに初めてクレジットされたときのことを嬉しかったと語っていたくらいだから、やっぱりずっと存在を明らかにされなかったことを快くは思っていなかったんでしょうが、それ自体に腐っていたように見えないんですよね。インタビューも冗談言って笑いながらすごく楽しそうだった。キング牧師が暗殺されて、アメリカで人種差別に関する暴動が起きたときに、スタジオから街に出るとき(白人が危険な状態で)「(白人の)仲間を守ることしか考えていなかった」って言ったメンバーと、それを受けて「逆に白人のエリアに入ってもし危険な目に遭ったら、僕が(黒人メンバーの)銃弾を浴びる気でいた」って返したメンバーの絆が泣かせる。もうくっさいこと言いますけどほんとに音楽ってあらゆる障害を越えて人をつなぐものなんだ。ノーボーダー! 桜井和寿の出番です。才能があって愛嬌があって、音楽を愛しているのに表舞台で脚光を浴びることがままならないというと、私の好きなバンドをどうしても想像してしまうので、必要以上にのめりこんで見てしまいましたが(ヒートウェーヴやダンシンインザストリートも流れたし)、ラストのライブシーンに救われましたね。大歓声の中、バックバンドではなく「ファンク・ブラザーズ」としてのライブを行うメンバー。紹介される中にはもう他界してしまった人たちもいて、でもその写真をステージに一緒に並べて演奏を始めるところで泣けてきました。いい映画だ。面白かったです。