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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

古都

2013-06-23 17:31:13 | 読書日記
 古都
 川端康成著 新潮文庫

 何百冊と本を読んできて、今更、何を「古都」なんぞを取り上げると言うところなのだが、この歳になるまで、川端康成氏の本を読むことすらなかった。最近、奈良や京都を舞台とした小説や随筆を好んで読んでいて、やっぱり「古都」を読まなあかんやろうということで今回である。

 読んでみて、「美しい京都の私」である。京都を舞台にしないと成り立たないというか主人公は京都ということである。それも日本人のイメージにある美しい京の都である。
 本来の主人公は、呉服問屋の娘、千恵子と京都の北山に住む村娘苗子で、この二人は、生き別れになった双子であるのだが、境遇の違いにより、一緒に暮らすことができない、その二人を中心にさまざまな人物が絡まるのだが、特に物語が大きく進展しているわけでもない。偶然、二人が出会い、そして最後、一晩一緒に寝て、そして朝早く苗子は村へ帰って行って終わるのだ。

 その間に京都のさまざまな名所や行事が、四季の移ろいとともに描かれていく。葵祭、祇園祭、時代祭などの年中行事や平安神宮や知恩院、円山公園、清水寺、御所、仁和寺、広隆寺などの寺社、そして、周山や嵐山、祇園、西陣など誰もが思い浮かべるような地名をちりばめている。

 京都の名所旧跡を引き立てるために、この美しい双子がいるような気すらする。舞台が京都だから、いいのだろうなあ。これが大阪であれば、もっと銭ゲバな話になってしまって、上品さのかけらもなくなってしまうような気もする。日本人が持っている美しい京都のイメージを非常に大切にした小説と言える。
 そして、このような美しい京都とは対極にあるのが、水上勉の描く京都のような気がする。川端康成の古都のように絵巻物のように絢爛豪華な京都とは違う。もっと地下(じげ)にさまよう人間を描いている。水墨画のような墨の濃淡で描かれている京都である。(「雁の寺」や「京都図絵」の京都である。)
 
 とは言え、ここに描かれている京都が、未だ残っているのかというと疑問ではある。もはや町屋もかなり少なり、高層マンションが並び立つようになった。京都弁ではんなりしゃべる言葉も、日常聞くことは少なくなっているような気がする。
 でもやっぱり違うんだなあ。他の都市とは。どこか文化の蓄積を感じさせるところがある。本屋一つとっても本の並びが大阪とは違う。

 ずっと日本史や民俗学や考古学など興味があって、本を読んだり、現地に行ったりしている。最近気が付いたのだが、たぶん、ぼくは日本人が守ってきたもの、守ろうとしてきたものは何なのかを知ろうとしてきたのかもしれない。

 そんな風に最近思えてきた。

 古都に出てくる京都の名所をいくつか紹介しましょう。

 御所

 

 北野天満宮

 

 嵐山

 

 建仁寺

 

 南禅寺

 

 意外と写真撮ってないですね。

 

 
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