自宅から歩いて20分ほどの散歩道にカスミザクラ(バラ科サクラ属)が咲いています。
山桜より標高の高いところに生え、ヤマザクラと分布が重なることが多くて、混同されやすいのですが、開花期がヤマザクラより10日ほども遅く、新芽が緑色であること、葉柄や花柄に毛があることが多いなどで区別されます。
カスミザクラはケヤマザクラとも呼ばれていて、以前は山桜の有毛種と考えられた時期もありましたが、今ではカスミザクラとしてヤマザクラとは別種とされています。ケヤマザクラの名から毛の有無にとらわれることも多いのですが、実際にはカスミザクラでは、花序型、葉や花の毛の有無や多少、若芽や花の色、花の大きさなどの変異幅も大きいといいます。
写真の木も、花柄などの毛がルーペでよく見ないとわからないくらいだったので、当初はカスミザクラかどうか決めかねていましたが、総合的に考えて、いまではカスミザクラと判断しています。
樹皮は明るい灰褐色で、秋田県角館の伝統工芸品である樺細工では、オオヤマザクラとともにこのカスミザクラの樹皮が使われています。
散初めは紅色を帯びる