クログワイの球茎
大きい芽がでるので“めでたい”“芽が出る(出世する)”などの語呂合わせで使われるクワイ:慈桑
も欠かせないおせち材ですが、最近見たクワイならぬクログワイ:黒慈姑を思い浮かべていました。
クワイとは縁もゆかりもないカヤツリグサ科ハリイ属のクログワイの名前の由来になったのは、地下茎の先に生える径7~18mmの黒い球茎で、これがオモダカ科のクワイに似ていて食べられるからといます。
おせち料理に使うクワイはオモダカ科の変種の球茎で中国から渡来したもので、それより前に日本でクワイといっていたのがこのクログワイで、渡来種のほうが知られるにつれて、球茎が黒いのでクログワイと呼ばれるようになったそうです。つまり本家のクワイが名前の母屋を取られてしまったというわけです。牧野図鑑でクワイの名は食べられるイ(灯心草)となっていることもこれで納得ができ、クログワイ、イ、クワイの関係も分るというわけです。
クログワイの草姿