むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ウラジロ:裏白(何年もかけて一枚の葉) 

2014-12-27 16:51:00 | 植物観察記録
明けましておめでとうございます。

2005年2月2日、当時ネットの世界に登場してきたブログなるものを試みようと「むかごの日記」を立ち上げました。
初めころは身辺雑事を取り上げていましたが、ほどなく植物観察に興味を抱くようになり、記事の中身はもっぱら植物観察の記録とそれにまつわる話題などが中心となり今年で丸10年となりました。
これだけ続けられたのも訪問していただいた多数の方々のご支援があったからこそと感謝しています。
少々ネタ切れの感に加えて、傘寿をこえた心身の衰えもあり、最近はアップロードの間隔もあきがちに
なっていますが、引き続きご支援のほどをお願いいたします。

毎年正月が近づくと、近くの山に縁起物のひとつウラジロ:裏白(ウラジロ科ウラジロ属)を採りにゆくことにしています。
ウラジロは、繁殖力が強いことから子孫繁栄を、左右対称羽片で夫婦和合を、葉裏の白さを友白髪に見立てて、正月の吉祥植物として欠かせない植物です。
本州北陸以南から琉球、朝鮮、台湾、中国からタイ、インドネシアなど東南アジア一帯に分布し、山中のやや乾燥したところに群落をつくる常緑性の多年草です。古い葉の上に二股に分かれた羽片が何段にもつき、暖地では2m以上もの高さになりますが、対になっているのは葉ではなく羽片で、ウラジロは1枚の葉を何年もかけて開いてゆきます。このように古い羽片を何年もかけて一枚の葉を形成してゆく姿を、代々年をかけて成長すると見抜いて縁起物にしてきた古人の観察眼には驚かされます。

ナツメヤシ:棗椰子(西洋では重要植物) 

2014-12-27 16:51:00 | 植物観察記録
クリスマスの前、ある植物園でクリスマスにちなんだ植物の展示と説明会が催されていました。
その中で興味があったのがナツメヤシ:棗椰子(ヤシ科ナツメヤシ属)でした。というのも、あるとき植物の文化史について調べ物をした時、万葉集に出現する植物ベストテンには食べ物がないのに、聖書に出てくる植物ベストテンはすべて食用にされるとあって(中尾佐助、花と木の文化史)、ほとんどが日本でもなじみのあるもの中に、ナツメヤシという聞いたことがない名があったからです。
このナツメヤシは、古代エジプトで重要な食品として栽培されていて、新約聖書の「生命の樹」のモデルとされ、聖母マリアがナツメヤシの木の下でイエスを産み落としたとも、イエスをみごもった時ナツメヤシの実であるデーツを食べていたといわれている重要な植物だというのです。
またムスリムの間では、ナツメヤシの実は預言者ムハンマドが好んだ食べ物の一つであると広く信じられているといいます。
展示されてイタナツメヤシは、まだ幼木で実はなっていませんでしたが、お一人様一袋だけともったいをつけてドライのナツメヤシを売っていました。

ドライデーツ
レーズンを甘くしたような味があるといい、カロリーが高く、ビタミンCや植物繊維豊富という優れた食品のドライデーツを、正月に集まってくる孫たちに食べさすつもりです。