イカットの島 / バリ島に暮す / 風に吹かれながら

バリ島ウブドの小路は手工芸にあふれています。バリヒンドゥーの信仰に息づく暮らしに触れながら手織りの時を楽しみたい。

よこ吉野織り 5 スレンダン黒と白

2015年02月23日 | おりひめ手織機 で織りを楽しむ
クバヤ Kebaya (バリ島の正装)に合うスレンダン Selendang
(帯)を黒白でもう一本織りました。
バリ島では黒と白は「相反するもの」を表していて、同時に存在し互いにバランスをとっていると言われています。
善と悪の混沌とした世界観のようでもあります。
インド思想の二元論か中国思想の陰陽論か詳しいことは分かりませんが、男/女、右/左、昼/夜、表/裏、片方だけでは存在しない、二つが一つになることでもあるというヨガの原理「二つで一つの理」と同質に思われます。

白黒の格子柄のポーレン Poleng は魔よけとして使われ、儀式には欠かせません。男性のカイン(腰布)の上に巻くカンプーとして、また石像に巻いたり、歳時には家寺の柱に巻いたりしています。







ショウウィンドウにも



経糸は黒、緯糸は黒と白で。




バリ島。田植えから17日目

2015年02月17日 | BALINESE LIFE
隣のたんぼの苗は随分と茎が増えてきました。
上流の取水口はせき止められ、たんぼに水は入っていません。中干しの状態でしょうか。








中干し (くぼたのたんぼ参照)
茎の増える時期が終わると水を抜いて土を乾かす。
空気中の酸素を土に取り入れ、根をしっかり張らせる。


2番目の田植えのたんぼ(ロスメン前)



3番目の田植えのたんぼ(ロスメン左手)




シドゥメン村の農業

2015年02月17日 | BALINESE LIFE
泊まっている宿の周辺はたんぼと畑です。
ウブドと同じ、農作業中でした。


すでに穂が垂れているたんぼは雀を払うためにひもが張られ、時々ガランガランと大きな音をさせたり、子供たちがパチンコで的にして遊んでいます。
その隣では畔塗りをしています。



田起こしは2頭の牛に器具をつけて引っ張っていました。
小さな耕耘機を使う田もあり、田起こし後は器具を付け替えて代掻きをしていました。



こちらの村では一日中、農作業の人々を沢山見かけます。
たんぼを所有している人が多いのかなとも思いました。
シドゥメン村から9キロ離れた所にムンチャン村があり、イダバグースさんが近いので訪れてくれました。土地の所有を聞きました。村の創設に関わった人々に土地は分けられたそうです。その後、お金の為に売ったり、買ったりで多く所有する人と無くした人々が出てきたそうです。所有する人は農作業をせず、所有しない人に頼んでしてもらう場合、収穫に対して折半だそうです。
ウブドの農作業は土地を持たない農民に日当を払っています。一日約500円前後だと聞きました。単なる労働と農業への取り組みが違うと感じました。

朝の散歩中、たんぼに向かう人たちに出会います。



畔の幅は薄く、畔塗りはとても綺麗です。



棚田から流れる水は滝のようです。



苗代田もあちこちに見られます。



部屋のバルコニーから見えるパノラマの景色はまるで箱庭のように美しく絵画のようです。



散歩道沿いのたんぼ。






ウブドのロスメンの宿に帰ってきました。オーナーのバローンさんが話してくれました。20数年前、政府の指導でシドゥメン村に農業の研修に行ったそうです。当時から、優秀なスバックでお手本だったと分かりました。
米作り、野菜作りの技術が人の力と自然農法でしっかりと継承されているのでしょう。
刈り取り後のわらは取ってあり、たんぼを耕し畝を造り畑作の準備をして、その上に敷いていました。二期作のウブドのたんぼは畑作をしないので見られない光景です。
棚田では大型機械化の導入は難しく、効率を求める農業では無い姿があるように思います。
人の手による田作りが代々伝わって今の風景を完成させていることに驚きと、淡々と農作業に向かう姿は修行僧のように思えます。

シドゥメンに小旅行 3   PASAR SIDEMEN

2015年02月17日 | BALINESE LIFE
4日目の朝は市場(パサール)に出かけました。朝、4時から9時頃まで開いています。

供物、果物、菓子、魚、肉など生鮮食料品が沢山。





品質が高いシドゥメン産のお米を買いました。
1キロ、RP.11000 (約110円)
こちらで言うローカルのお米と違い、白く粒が膨らみ炊飯器で炊いてもとても美味しいお米でした。ウブドの市場やスーパーには置いてありませんでした。





インディカ米(長粒種)



織りの村ならでは。腰機や糸を売っているお店が何軒かありました。
ブンブガン、ブリダ、竹の筬など





トゥンダ (子管プレティンを入れるシャトル)



染料はケミカルのみのようです。





布を扱うお店、ミシン一台の裁縫など様々なお店。



学生服を縫っていました。








シドゥメンに小旅行 2  ソンケット工房とイカット工房

2015年02月16日 | 織りの旅/海外
2日目は近くのソンケット工房とイカット(エンディック)の工房を見てあるきました。


ご主人を亡くされイギリス人の援助により、小さな工房を開いています。

工房の看板





説明文が工房内に置かれていました。
アユさんはご主人を亡くされて、イギリス人オーナーの支援で小さな工房を営みお子さん3人を育てています。1枚の織る日数は1日8時間、1ヶ月かかります。通常は2枚をはぎ合わせますがサロン以外にも使えるように1枚の幅で仕上げています。





シドゥメン村にはソンケットだけではなく、2つのイカット工房があるそうです。ギャナールで見学した工房と変わらず、自動でシャトルが右左に動きます。10台程の高機で織っていました。経糸が単色又は段染めに染めてあり、緯糸が模様染めの緯絣です。

シドゥメンの市場からバイクで5分ほどの所、看板が出ています。



ガルーダインドネシア航空からの支援もあるそうです。



緯糸の染色の様子。ビニールひもでくくっています。





かなかけ(御光台)と管巻き



高機で織る、織り人たち

経糸が単色。



経糸が段染め。










ほとんどがケミカルの糸の中、草木染めのソンケット工房があると知り、訪れました。今回の旅の目的です。残念なことに、織りはお休み中で現在はご主人のワルンを手伝っているそうです。染色はオランダの方が先生だそうでシドゥメンに在住されていません。Nengahさんは織りが専門の30歳代の素敵な方です。1日2時間ならば教えられるという温かなお言葉に甘え、来月7日間ほど泊まりで習うことになりました。Rumah Tenun (House of weaving) という名のホームステイも経営されています。私は英語、インドネシア語が少しの聞き取りのみ。先生も少しの英語だけということでインドネシア語のコミニュケーションになりますが何とかなるでしょう。来月が楽しみです。

Rumah Tenun  Nengah Sukriさん
JL.Pura Dalem Cepik Sidemen
+6281916248209 (ご主人 Ketut Laba さんの携帯)


宿に帰ると朝食時、言葉を交わした日本からのご夫妻がチェックアウトされていました。(奇遇なことに、実家の診療所の元患者さんでした) 部屋からの景色が素晴らしいので、空いていたら移られたらいかがですかとのお誘いを受けて、部屋を移りました。

アグン山と棚田だけの素晴らしい眺めです。



4月も予約して帰りました。