イカットの島 / バリ島に暮す / 風に吹かれながら

バリ島ウブドの小路は手工芸にあふれています。バリヒンドゥーの信仰に息づく暮らしに触れながら手織りの時を楽しみたい。

カンボジアへ、織り工房を訪ねる

2013年12月31日 | 織りの旅/海外
写真 まゆはカンボジア元来の野蚕で黄金色の絹糸になります

カンボジアのシェムリアップ周辺にロビア村があります。
12~14世紀、クメール文明は広大な灌漑用水を作ったにもかかわらず過去の内戦により知識層の断絶があり文化が途切れてしまいました。広大な土地は雨期になれば水が流れず、乾季は水が無く耕作が出来ない乾いた大地となります。
カンボジアのどこにでも存在する村のひとつ、ロビア村との出会いがありました。つれあいのかつての仕事仲間が集い
2008年10月からロビア村支援プロジェクトが始まりました。
私も数年前にカンボジアに行ってきました。
支援内容は
1) マイクロファイナンスの運用。養豚組合を立ち上げ、融資。農業用水ポンプ購入の融資。
2) 奨学支援の仕組み整備。高校生の補習支援や大学生の奨学、生活支援。
3) 生産施設の整備 
4) 青少年育成の仕組み整備などです。小学生には村の外に出る機会も少ないので、課外授業として国立博物館やマーケットなどの見学をします。村を出る、バスに乗る、信号を見る、レストランでの食事などなど。全てが始めてのことだらけ、唯一の白い上着の正装を着て、みんなは緊張気味でした。
シルクウォーム・ブリーディングセンター(Silk Worm Breeding Center)も見学します。
農業以外に働く場所も少ない子どもたちにとっては織りはひとつの希望でもあります。伝統工芸品の技術学校、アーティザン・アンコールと同系列の養蚕センターです。
養蚕から糸を紡ぎ、染色、機織りまでの工程を見ることができます。野蚕が食べる桑の葉に近づくよう研究が進められています。

会社設立の趣旨
   

養蚕から糸になるまで (まゆは渦巻き状で飼育。桑の葉を食べる幼虫。まゆを煮て糸を取る。)
    

管巻き機と色々な糸のかせ
   

筬通し。糸を括った様子。昔使った機が展示されていました。カンボジアシルクの製品
    

機織りを見学する子どもたち。説明を聞く子どもたち。
  

博物館の前で
 

過去の旅のまとめが今年最後となりました。
新しい年を暖かな国で始めて迎えます。心、穏やかに。

始めての織り、八丈島から。

2013年12月29日 | 織りの旅

 写真 始めての織り、コースタ― (左が綾織り、右が平織り)

八丈島 / 黄八丈
5年ほど前、バリ島での暮しを楽しむためにダイビングを習おうと考えました。始めての体験ダイビングは八丈島に行きました。宿から近い所に織りの体験が出来るお店「八丈民芸やました」がありました。始めての織りです。とても楽しく二日続けてコースタ―を織りました。
八丈島で自生する植物を染料とする草木染め、手織りの絹織物です。黄色の色は八丈刈安(コブナグサ)を使っています。
黄と樺と黒の3色をつかい柄は伝統的な縞や格子柄です。江戸時代から平織り、綾織りと決まった織り方があり、受け継がれているそうです。室町時代にはすでに伝承されていたとの記録があり、江戸時代でさらに発展した織りが黄八丈です。

 め由工房 (2009.11月に訪れた当時の写真)
 アイヌの人々が織る地機も展示されていました。
   
 あいさつ文。織りあがった反物を干していました。
    

草木染 黄八丈 め由工房
八丈町中之郷2542
Tel / 04996-7-0411
八丈民芸やました(織り体験)
Tel / 04996-2-3476


それからの旅は各地の織りを見て歩くことが楽しみになりました。バリ島に移住するまでの過去の旅をまとめてみました。

石垣島 / みんさー織り
ダイビングを目的に石垣島を訪れ、ミンサー織りの体験をしました。五つと四つの絣柄が特徴です。女性が男性に贈る帯の柄に使われました。「いつ(五つ)の世(四)までも末永く・・・」の想いが込められています。
みんさー工芸館のホームページから「17~18世紀の琉球王朝時代に綿の栽培や交易記録があり、木綿発祥の地といわれるインダスから伝承されたと推定されます」とあり、
1) 先染めのたてうね織りとすること
2) よこ糸の打ち込みは手投げ杼又は板杼を用いること
3) かすり糸の染色法は手くくりによること、そして使用する糸は綿糸であること、地域は石垣市と八重山郡竹富町と限定されているのが八重山みんさー織りです。

    
手織り体験も出来ます。タペストリーを織り、修了証書をいただきました。
 
みんさー工芸館
石垣市登野城909
Tel / 0980-82-3473 


佐渡 / 佐渡裂織り
佐渡の相川町では裂織りをネマリ機(地機)で織っています。相川町の相川郷土博物館では裂き織り講習会が開かれています。ネマリ機を使うのは佐渡の海府(大佐渡北海岸一帯)だけで伝承されてきたそうです。
1) ネマリ機を使用すること
2) クサ裂き包丁で布を裂くこと
3) 裂き織り用の杼で打ち込むこと を基本としています。
 
相川郷土博物館
新潟県佐渡郡相川町大字坂下町
Tel / 0259-74-4312


京都 / 西陣織
5~6世紀ごろ、大陸から渡来人である秦氏の一族が住み始め養蚕と絹織物を伝え発展したのが現在の西陣織です。
詳しくは「西陣web 西陣工業組合」のホームページで。

西陣織会館に展示してある空引機
1872年(明治5年)にフランスのジャガード織りが導入されるまでは空引機で織られていました。紋織り用の高機です。人が機の上に乗り、ぬきいと(横に通す糸)を通す道をつくって織る方法。
   
西陣織の下絵
 
西陣織会館
京都市上京区堀川通今出川南入
Tel / 075-451-9231

日常に戻る

2013年12月28日 | 暮し
   写真 ロスメン屋上から、夕焼け

ロスメンに帰ってきました。
11月頃から雨期に入りました。雨期の最中ですが4階の屋上からは
雲の間にまっ赤な夕焼けが見えました。
屋上には小さな食堂があり、ここでの朝食は気持ちが良いものです。
エネルギーが満ち溢れるのを感じます。
さぁ、日常が始まりました。

翌朝、4階の食堂から望む。360°パノラマです。
   

雨期の合い間に快晴の日がありました。
同じ4階から。久しぶりに霊峰のアグン山が見えました。
 
左側の樹木のあたりがこの村の火葬場です。普段の景色の中に溶け込んでいます。
  
遠くにはサヌールの海岸が見えます。
 

子どもたちが家寺のお掃除をしています。
 


どちらが夢

2013年12月22日 | 暮し
  写真  マンションの小さな窓から、夕日があたるビル群

少し前から日本に帰国中です。
つれあいの病状の変化で再びの入院生活でした。ここ数年間はこのペースが続きそうです。
東京生活はパソコンが必需品です。それとコンビニ。
マンスリーマンションの空室確認、契約書兼申込書、契約金の決済など、
一度も不動産屋さんと対面しなくても部屋を借りることができます。
FAXが手元に無い時はコンビニでFAXの受け取りが出来ることも
知りました。便利な生活は電気の供給が無ければ成り立ちません。
暖房、冷房、電子レンジ、冷蔵庫、テレビ、お湯のポット、浴室暖房での
洗濯物の乾燥などなど。
日が落ちればろうそくの明かりで食事をして暗くなれば眠り、太陽と鳥のさえずりで
目がさめるバリ島とは対極の暮しです。
バリ島での暮らしから突然、東京の都会での暮しに移った時、再びバリ島の暮しに戻った時、
ふとどちらが現実なんだろうと感じてしまいます。
どちらの風景も夢の中のように思われます。ガルーダは天空と地上を行き来する鳥ですが
ガルーダ・インドネシアの飛行機はまさに私にとって夢と現実を行き来する乗り物です。
明日の朝はバリ島です。

今回の滞在でも織りができないので編み物を楽しみました。

寒くなったので湯たんぽが放せません。カバーを100円ショップの毛糸で編みました。
  

鍋敷きもいくつか。
 

マフラーを忘れたのでグラデーションの糸で。
 

リサイクルシルクで織る

2013年12月08日 | おりひめ手織機 で織りを楽しむ
 写真 ネバ-ルの糸。サリーなど作った鮮やかな残糸を撚って糸にしています。 


日本からおりひめ工房の知人がご夫婦で訪問してくれました。
お土産は嬉しいことに糸です。織り再開のきっかけとなりました。

ソンケット柄のモチーフで試し織りをした経糸が残っています。ロスメンで使う細い敷物を何枚か織りました。
 

知人は「第7回 手織り仲間の手織り展」のお知らせハガキも
持ってきてくれました。恒例の「みんなでタペストリー」を織り、作品展に参加したいと思います。
 織りの企画  タペストリー
 幅  12センチ、 長さ200センチ
 経糸 20羽、 3寸、 60本
 整経 200+20(ふさ分)+70(ロス分)=290センチ


   
                              経糸の残りで敷物も