イカットの島 / バリ島に暮す / 風に吹かれながら

バリ島ウブドの小路は手工芸にあふれています。バリヒンドゥーの信仰に息づく暮らしに触れながら手織りの時を楽しみたい。

ジャワ島の糸

2014年01月26日 | 織りの旅/海外
    写真 ジャワ島の糸 (緯糸用)

今年の楽しみは昨年の暮れに届いたジャワ島の糸で織ることです。昨年の11月にRaya Ubud通りを歩いていて見つけたお店です。店前でかわかしていた藍染めに惹かれて店内に入ると草木染めやイカット、バティックなどが素朴に置かれています。
糸を訪ねるとジャワ島から出店している方で
ジャワ島の村の糸を分けてくださることになりました。
手で紡いだ木綿糸でとても繊細です。1キロが220.000ルピア(約2200円)の価格でした。
経糸と緯糸で2キロを注文しました。昨年12月下旬に緯糸が1月中旬に経糸が揃いました。

出身の村、Desa Kerek はジャワ島東部にあるスラバヤ Surabaya から車で5時間かかるトゥバン Tuban を目指し、さらに3時間かかる小さな村だそうです。
手紡ぎ木綿糸を織り、ろうけつ染めをしているのが特徴です。
インドネシアは絣、ろうけつ染め、絞り、縞織り、紋織りなど染織の宝庫と言われています。中国の史書には3世紀頃にはすでに木綿絣が織られていたという記述があるそうです。絣の経、緯、経緯と全てがインドネシアでは存在していてその分布には興味がわきます。
経絣は現在のインドネシア人の多くを構成しているオーストロネシア語族に重複していて、非常に古い時代に大陸から移動してきた人たちです。紀元前5世紀ごろに中国南部から南への民族大移動があったと考えられていて、南部に住んでいた民族が除じょに押し出されてインドネシアの島々に移動したといわれているそうです。
緯絣はその後の紀元前後のインド人渡来によるヒンドゥー教、仏教の文化圏に限定されているそうです。「染織の美・1980」の絣分布を見ると大陸から離れている島ほど経絣が残り、バリ島は中間に位置していて緯絣(エンディック Endek)があり、
文化の交差点とも思われる「グリンシン」の経緯絣があり、
大陸に近い隣のジャワ島、スマトラ島では経絣と緯絣があります。経緯絣はインドの「パトラ」、バリ島の先住民バリ・アガのトゥガナン村の「グリンシン」、そして日本でしかありません。

日本の絣は18世紀の中頃、沖縄を北上して九州に上陸、薩摩絣を生みだしたことから始まったと言われています。絣は日本固有とのイメージがありますが伝わってきたのは比較的、新しいと知りました。

体力のあるうちにKerek村に行ってみたいです。

GEDOG ART SHOP (TRADITIONAL WEAVE BATIK TUBAN EAST JAVA)
Tel / +6281 7066 3887

参考 染織の美 1980 初夏
   概説 インドネシアの絣 吉本 忍
    yahoo.indonesia You Tube 「Kain Tenun Tuban」で検索


Raya Ubud通り沿いの表の看板と店前
 

Kerek村の織り。手紡ぎの木綿糸で織った布にろうけつ染め(バティック)をしています。
 

店内の様子。オーナー婦人です。
  

手紡ぎ糸と織った布
  

購入した1キロの経糸
  

裂き織り

2014年01月12日 | おりひめ手織機 で織りを楽しむ
 写真  裂き織りのキッチンマット

ワヤンさんがデンパサールから持って帰ってきてくれたジャージの布が
たくさん残っているのでキッチン用マットとバスマットを織ってみました。
こちらのジャージの布は原色でとても鮮やかです。色合いを決めずに
ランダムに織りこみました。
経糸と緯糸の兼ね合い、両耳での返しかた、経糸の張り、ふさの始末など、その都度試行錯誤の連続です。

 織りの企画  キッチンマット
 幅  40センチ、 長さ80センチ
 経糸 15羽、11寸、両端の2本は2本取り、169本
 整経 80+16(ふさ分)+70(ロス分)=166センチ
 緯糸 ジャージ切れ端 幅5センチの裂き布

 毛糸で捨て糸を4回。
 織り始めは2.5センチ幅の裂き布で10回、5センチ幅に替えて織ります。


 織りの企画  バスマット
 幅  32センチ、長さ35センチ
 経糸 15羽、8寸、両端2本は2本取り、124本
 整経 35×2枚+32(ふさ分)+70(ロス分)=172センチ
 緯糸 ジャージ切れ端 幅4センチの裂き布


 整経した経糸を手前の男巻き棒にセロハンテープで止めています。
 私は糸端を後ろのちきりまでの長さにして止め、糸を平らにし綾なしです。
   

 4センチ幅に切ったジャージの切れ端と裂き織り用の経糸。
 経糸はもう少し太い方が良かったです。
 (使用糸 きんしょう 経糸用 藍 10/2  240g 1260円)
 

 裂き織りの時は強くはたく為に筬柄の裏側に鉄板の重りを止めています。
 

 裂き布のつなぎは両端でやらずに織りの途中でしてみました。
 布端を斜めに切り、合わせるように打ち込みます。
 

 布端の始末は捨て糸を少しづつ抜きながら、6本づつの巻き結びにしました。
 
 出来上がりました。(ブルー系とレッド系の2枚) バスタブの前で。
 
 

両端が波うち、幅も一定ではなくまだまたの仕上がりでした。
 
 

 

綾千鳥織り

2014年01月05日 | おりひめ手織機 で織りを楽しむ
    写真  4色柄、6本の綾千鳥

2014年1月  Happy New Year!

12月31日、ウブドは雨でした。夕方の7時ごろから花火が上がり始めました。12時に近づくにつれ、バリじゅうで花火が打ち上げられます。3階の窓から見える地平線には数え切れないほど。まるで円周の中心で見ている気分です。ひとつひとつは日本のように大きなものではなく、数もわずかですが次から次へと違う場所から上がります。島じゅうがお祭り騒ぎでした。
余韻が残る日本の花火とはまた、違った趣向でした。



日本での冬用のマフラーが必要になりました。
毛糸が残り少なくなり同色では長くとれない為、4色柄と2色柄の6本の綾千鳥を織ってみました。

織りの企画 Warp and Weft 142ページ 綾織りの6本千鳥
幅   23センチ、  長さ   150センチ
経糸   20羽、 6寸、 120本 (薄緑 60本、オフホワイト 60本)
整経  150+12(ふさ分)+70(ロス分)=232センチ
緯糸  茶色とグレー 使用糸 パピー二ュ―4PLY

  組織図を機につけています。

  左耳で色を替えています。

   替えた糸を切らずに左耳でからめて織りこみました。

  織りあがりました。

2色柄
 おりひめ手織機の後ろに座り、綜コウを通しています。
 茶色6本、ピンク6本を綜コウに通してからちきりにその都度結びます。
 

 経糸を指と櫛でとかします。引っ張りながらちきりに巻きとります(前)。
   

 ちきりに巻きとります(後ろ)。機草のかわりにカレンダーをはさんでいます。
 

 男巻きに結びます。真中、両端と順番に結んでいます。
 2色交互なので6本づつの結びが分かりやすかったです。
 

 綾織りで織り始めます。板鉄を踏み変えて2本入れます。
 捨糸を4回織ります。4 を踏み、左から板杼を入れて 3 に踏み変え、
  2、1、と踏みます。
 

 始まりは茶色の糸で 4 を踏み、左から板杼を入れて 3 に踏み変え、
 2、1、4、3、2、と踏みます。
 右耳側は3と1の踏み変えになり端1本にからませなくても織れます。
 踏み木を踏んだ時の経糸の上下(綜コウ)と平面の織りの様子です。
 写真上は 3 を踏んだ綜コウ (手前から1、2番が下がり3、4番が上がる) と右から板杼を入れた右の耳です。
 写真下は 1 を踏んだ綜コウ (手前から1、2番が上がり3、4番が下がる) と右から板杼を入れた右の耳です。
 (2色の太い糸を使用したので、今まで分からなかった耳の状態が理解でき ました。)

   
  

 織り機の筬柄に踏み木図を貼っています。綜コウの上下と織り模様を見ます。
 
 
  織りあがりました。

おりひめ手織機を知るきっかけとなりました手織り展が今年も開催されます。
「第7回 手織り仲間の手織り展」です。どうぞお立ちよりください。
日時 2014年1月21日(火)12:00~19:00 / 22日(水)10:00~19:00 / 23日(木)10:00~18:00
場所 府中グリーンプラザ別館 ギャラリー
  府中市寿町1-1 (京王線府中駅ケヤキ並木方面出口 徒歩2分)