イカットの島 / バリ島に暮す / 風に吹かれながら

バリ島ウブドの小路は手工芸にあふれています。バリヒンドゥーの信仰に息づく暮らしに触れながら手織りの時を楽しみたい。

動画 バリ島の伝統的な織り物 Bebali 2 / 腰機 平織りの手順

2015年07月14日 | 織りの旅/海外
Backstrap Weaving in Pacung Bali INDONESIA / SURAYA indigo



2015年7月13日の記事
「 織り人を探してシガラジャからテジャクラへ 6 」の動画です。
伝統的なブバリ Bebali の織り、太いボーダー柄です。

平織りの手順
● 上糸はブンブガン 中筒 の上を通っています。抜く動きはありません。
● パカンは細い糸と太い糸の2種類です。

1. 下糸が上
下糸綜絖を上に上げ、ブリダを差し込み、軽くはたきます。
2. ブリダを起こし、立てた間に細い糸のパカン 緯糸を左から通し、軽くはたきます。
3. 上糸が上
ブンブガンの高さの間にブリダを差し込み、軽くはたきます。
ブリダを起こし、立てた間に細い糸のパカンを右から通し、軽くはたきます。

  細い糸での平織りが一往復終わりました。

4. 下糸が上
下綜絖を上に上げ、ブリダを差し込み、軽くはたきます。
5. ブリダを起こし、立てた間に太い糸のパカンを右から通し、軽くはたきます。
6. 上糸が上
ブンブガンの高さの間にブリダを差し込み、軽くはたきます。
ブリダを起こし、立てた間に太い糸のパカンを左から通し、軽くはたきます。

  太い糸での平織りが一往復終わりました。

  これを繰り返します。

織り人を探してテジャクラへ 6 / ブバリ Bebali の体験織り

2015年07月13日 | 織りの旅/海外
写真  少し織りました。素朴な色合いが落ち着きます。

工房の織り人は7人いるそうで、今日は3人の方が織っていました。それぞれ違うデザインです。
インディゴ染めの糸を干して待つ間に織りの体験させていただきました。
私の台は経糸が3色の太いボーダー柄で、緯糸が2種類でした。
ソンケットと違い緯糸で平織りの手順だけです。ブンブガン 中筒 の動きがありません。
下糸綜絖を上に上げてブリダを差し込み、パカン緯糸を通します。
次にブンブガンの上に上糸が通る高さの間にブリダを差し込み、パカンを通します。この繰り返しです。
緯糸は細い糸で1往復、次に少し太い糸で1往復の繰り返しのデザインした。
 

ランダムに細いボーダー柄のBebaliも素敵です。


ショップ内の作品
ソンケットとの組み合わせ
 

インディゴの藍が映えます。


伝統的スタイルの Prada (布地に金で描いたもの)を紹介している本。


お祖父さん(もしかしたらお父さん)のPradaの作品です。



朝の10時からお昼も近くのワルンで一緒に食事をして、約4時間ほどの工程でした。
次は他の色も試してみましょうということでまた、伺うことにしました。
手持ちのかせを100グラムづつにしていきます。。
バリ・アガの人々は他の人との交わりを避けると聞いていましたが、村ごとで違うのだと思いました。
ガイドブックに紹介されてから日本からのお客さんが増えたそうです。バイタリティ溢れる方でした。
ホームステイも経営しているとのこと、次はそこに泊まる予定です。
レンガ色に染めたコットンのかせを買い、含めてRP.200000の支払いでした。
織るのが楽しみです。




SURYA indigo
Desa Pacung Tejakura Buleleng Bali
Tel / 0812 3626 535


BALIKU Home Stay
Tel / 0812 3626 535





織り人を探してテジャクラへ 5 / SURYA Indigoで染めの体験

2015年07月12日 | 織りの旅/海外
写真  インディゴ

テジャクラの目的はインディゴ染めの体験が出来る工房に行くことです。新しいガイドブックで知りました。
1ヶ月ほど前に予約を入れておきましたが、前日にホテルのフロントの人から、体験はセレモニーが入って出来なくなりキャンセルしますかとのこと。この為に来たので、見るだけでもということで出かけました。
ホテルから車で15分くらい、シガラジャの方に走ります。
本では11人の女性たちが染色技術を守るために立ち上げたと書かれていました。が、工房ではオーナーが案内してくれました。祖父は染色、祖母は織りをしていた家族です。
染色はオーナーが一人でしています。色々な草木の組み合わせで色を創ります。
オーガニックコットン、インディゴを自前のガーデンで育てていて、他の場所で糸にしています。
綿は雨季に入る12月頃に種をまき、4月頃が刈り入れだそうです。

道路沿いに看板が見えてきました。
 

ショップも併設されています。表側はとても地味で、ソンケットが目を引きますが、草木染めの素晴らしい作品ばかりです。


入って右手が織り工房です。



ワークショップ用に流れがわかるように、一通り準備されていました。何故か、やってみますか? とのお話で体験することが出来ました。

染めの材料。名前はわかりませんが木の皮


Kunit ターメリック は黄色に。マンゴスチンも無造作に。


インディゴ(木藍)でも藍建てというのでしようか。
気温が一年中20度以上ですから、地中にはうわっていませんでした。


まず、持参したかせの絹糸を水に浸します。



ゴム手袋を借りて、藍建ての液に糸を沈めます。ゆるく絞っては、解きを繰り返しました。


数分で液から取り出して、干します。2回目は少し長く、浸しました。
干して染めるを繰り返しますが、時間もないので2回で終えました。


袋に入ったオーガニックコットン


種を取り除く機械。日本の棉繰りと同じ仕組みでした。


糸を紡ぐ紡車。


整経台


大管巻き


小管


機は腰機でした。ソンケット以外に腰機で織る織物にやっと出会えました。
経て糸をストライプ柄にして緯糸は2種類の色、太さの違う糸を往復で交換して、平織りです。
色の組み合わせやデザインはオーナーの企画みたいでした。
バリ島やインドネシアからの賞を頂いたそうでカップなど見せてくれました。
 

オーナーはバリ・アガの人で Desa Pacung はバリ・アガの村だとわかりました。
近くのバリ・アガの村 ( Julah / Sembiran )でも古くから織りが伝わっていたそうですが今ではここだけだそうです。
グリンシンで有名なバリ・アガのトゥガナン村だけが織りをしていたと勘違いしていました。
ダブルイカットではなく、ボーダー柄ですが、草木染めで腰機で織る村に出会えたのはうれしいことです。
ソンケット織りは王族の人たちが伝えてきましたが、ここの織りは儀式に必要な織りが伝えられてきたと納得しました。
伝統的なテキスタイルのブバリ Bebali の工房でした。


染めの工程の本。インディゴのページ。
 

案内書
 


染めた翌日に受け取りに行きました。まだ乾いていないので、ベランダで日に当たらないよう干しました。


染めた後のことを説明してくれたのですが、語学力なく、レモンと洗剤の言葉だけが残りました。
帰ってからネットで調べたり、本を読んでも確かな方法がわかりません。
酸性を中和させることかなと、とりあえず試してみました。
色止めの処理として、水5リットルに対して酢酸大匙5杯を入れて、30分浸しました。
そのあと、中性洗剤適量に浸し、流れる水で色が出なくなるまで、ふり洗いをしました。
2日間の陰干し。
 


SURYA indigo
PURE SILK & NATURAL COLOUR
Desa Pacung Tejakula Buleleng Bali
Tel 0812 3626 535
Sarmika19@hotmail.com/http://www.suryaindigo.nu

織り人を探してテジャクラへ 4

2015年07月11日 | 織りの旅/海外
写真  光のエネルギー

今日から泊まるホテルに着きました。ロスメンに1ヶ月泊まっていたアメリカ人のご婦人が
数日間過ごした場所です。パンフレットを頂いていたので、予約を済ませていました。
いわゆるヴィラとかリゾートホテルというスタイルでした。

波打ち際で一棟づづ、離れて建てられています。
美しく計算されているのはオーナーが欧米人だからでしょうか。
10人の共同オーナーだそうで、棟の持ち主がそれぞれ異なります。
共有部分を共同で出資したのでしょう。財団の形態です。
オーナーが不在な時に貸し出しているのはシドゥメンのヴィラでも多いです。
心地よい空間に満たされています。
でも、地元の暮らしとかけ離れていて、私にはしっくりしませんでした。
日常を離れた時間、空間を求める人たちのリゾートホテルなのでしょう。

持っていった本
「ブッダのことば 第4章 
かれには、子も、家畜も、田畑も、地所も存在しない。
すでに得たものも、捨て去ったものも、かれのうちには認められない。
かれは世間において{わがもの}という所有がない。また無所有を嘆くこともない。
かれは{欲望に促されて}、諸々の事物に赴くこともない。
かれは実に{平安なる者}と呼ばれる。」

既に生活に困らない家を得た者が、他国の景観を所有したい行為は
このことばとも掛け離れているように思えてなりません。

美しく造られた空間と室内
   
   

日の出は正面の海から。
 

朝日は部屋を飾ってくれます。
  

月も海から。


海岸線
 


海沿いは漁民の糧となる船が何艘も置かれています。夕方から、出航して、明け方に戻ってきます。





開発途上のテジャクラの海岸線には約10のヴィラが建ち進んでいて、これからも増え続けることでしょう。
日本のリゾート開発など、どこにでもある現実です。
いつもは騒々しいタクシードライバーのワヤンさんがかつて、こう言いました。
「私はヴィラは嫌いだ。何故ならライステラスを壊すから」
旅人として心が痛みます。