イカットの島 / バリ島に暮す / 風に吹かれながら

バリ島ウブドの小路は手工芸にあふれています。バリヒンドゥーの信仰に息づく暮らしに触れながら手織りの時を楽しみたい。

グアテマラ織物のタテ縞に似せて腰機で織る

2022年07月20日 | 腰機(弥生原始機)輪状式 / in Yamato / 2022年
自己流で織っている腰機ですがYouTubeなどを参考にしています。
現地に行かなくても、技術が見られるとは有り難いこと。

グアテマラは織物の宝庫とも言われているそうです。
アジアのブータン、「王家のために布を織る」クルテ地方の村で織られている片面縫取り織りや両面縫取り織りもあり、糸を染めてから織るインドネシアのイカットもあります。
中央アメリカのグアテマラで同じ技法で連綿と継承されていることに驚きです。

吉本忍先生(国立民族学博物館民族文化研究部)のフィールドワークのレポートから、腰と棒を使ってタテ糸に張る力を持たせている汎用腰機は環太平洋とその周辺地域(東アジア・東南アジア・南アジア・オセアニア・北米・中米・南米・マダガスカル)に限られているそうです。世界的に腰機が集中的に分布している腰機文化圏だそうです。
織物を織る技術は人類が新石器時代に獲得し、生活技術に欠かせない一つであったとあります。
各地域で同時的に技術が発明されたのか、または人々の移動とともに伝わってきたのか、いつ、どこから、とても興味深いです。

グアテマラの約4割の人々は紀元前1000年以上前から9世紀頃まで続いたマヤ文明の末裔と伝えられています。日本の弥生時代に腰機が伝わってきたように、グアテマラも原始の時代に民族の移動があったのでしょうか。

グアテマラの整経は輪でしていますが織りは直状式です。
機のセットは両端の棒に糸で固定させていて、手元に巻き込みながら織りますので仕上がりは四角形。直状式でも筬はないので、タテ糸が詰まっています。
輪状式も輪での整経ですが、輪状で織れます。筬はありませんのでタテ糸が詰まります。そこで、タテ縞が鮮やかなグアテマラの織物に似せて織ってみました。(見出しの写真)

写真は先日見学した唐古・鍵考古学ミュージアムで展示されていたグアテマラの織物です。

6色で整経


色糸に替えるスタート棒の裏側は結び目でいっぱいです。