イカットの島 / バリ島に暮す / 風に吹かれながら

バリ島ウブドの小路は手工芸にあふれています。バリヒンドゥーの信仰に息づく暮らしに触れながら手織りの時を楽しみたい。

織り始めの始末に悩む

2022年06月30日 | 腰機(弥生原始機)輪状式 / in Yamato / 2022年
並太の綿糸(生成り)を経糸にしてみました。
始めに中細の綿糸(藍)2本取りで数段織り、始末は
ヘムステッチです。
3倍ほどの長さに残していた2本取りの綿糸でヘムステッチ。
経糸の間に糸を入れるので幅が広がってしまいました。その幅で織ると両耳は広がり、中心は狭まり織り幅が一定になりません。
経糸はそれぞれが寄ってくるので、段々と織り幅は狭くなりました。







織り終わりはヘムステッチではなく玉止めに、
表側はこぶが出ますが裏側は二重の回した糸なので綺麗です。
表側
裏側



タイトルから外れます・・・
経糸が太いと裂布の緯糸が殆ど目立たないので、糸と糸の間を広げようと途中で2本渡しに替えてみました。
機をかけたまま、上糸の中筒と下糸そうこうを2本取りに直しました。
中筒
下糸そうこう
経糸1本
経糸2本
織り上がり
太い経糸の時は単色よりも色合いを入れたデザインが良さそうです。
・・・・・

カレン族の動画を見ると、緯糸は細く、織り始めはスタート棒のきわから緯糸を入れ、スタート棒に直接はたいています。
バリ島のソンケット織りも糸は細く、織り始めの始末もせず織り始めます。それでも端から解けることはありません。
今まで房の部分の長さを考え、スタート棒から離して織り始めていました。
筬のない腰機で緯糸は裂布で、そして織り幅を一定にしたい。

スタート棒に沿わせて細い糸で玉止め、綿糸で数段織り、裂布で織る。試してみました。

細い糸で玉止め、スタート棒のきわに。



綿糸と裂布を交互に。
織り幅は一定になりました。

緑色とカラシ色の横縞が単調なので途中から綿糸と裂布をランダムにしてみました。
糸の太さで上になる色合いが変化します。
赤系の裂布で緯浮き織りをセンターに

緯浮織りを一列に
「上糸が上」すくい棒で2本づつすくう。すくい棒を立て、裂布を通す



「下糸が上」先の裂布をはたき、刀杼を立て、裂布を通す



間に平織り5段



浮織りを繰り返す


経糸の張りに強弱があり、織りにゆがみが出ます。
整経が大切だと気づかされます。

使用した糸  (見出しの写真)
バリ島で引っ越しまで預けていた環境が悪く、殆どの糸は使えない状態でした。今回、久しぶりに糸を買いました。
楽天、小糸屋の佐分進商店さん
並太 生成りアイボリー 100g=230m 500円
オーガニック中細 深緑、カラシ 100g=400m 500円
ファンシーヤーン中細 白・橙・エンジ・ベージュ4色
           100g=430m 300円

緯糸は裂布   布幅約1cm前後





  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

腰機 織りの手順

2022年06月24日 | 腰機(弥生原始機)輪状式 / in Yamato / 2022年
腰機の織りはとてもシンプルです。
経糸を腰と棒などで固定して張り、上糸を上にして、出来た開口に杼を通します。
次に下糸を上にして、出来た開口に杼を通します。
平織りはこれをくり返します。


1. 写真は少し横から見ています。
上糸(青色のみ)は中筒の上を通り、
下糸(茶色と青色のタテ縞)は中筒の下を通る。
輪で織れるので織った布は中筒の下。
2. 「上糸が上」からスタートします
上糸(青色のみ)は中筒の上。
中筒の高さがあるので刀杼は差し込まず、裂布を巻いた
板杼を入れます。
3. 次は「下糸を上」にします
下糸そうこうの棒を上に持ち上げて、中筒のきわに刀杼を当てると上糸と下糸の開口部がしっかりと開きます。

開口に刀杼を入れ、先に入れた裂布をはたきます。

そのままの下糸開口で刀杼を立て、開口を確保します。
板杼を入れます。

4. 次はスタートの「上糸が上」にします
下糸そうこうを中筒に近づけます。
そのまま、下糸そうこうと中筒をつかみ、少し前後させます。
綾が変わり、上部は上糸(青色のみ)が表れ、下部は
下糸(タテ縞)のままです。
上糸開口に刀杼を入れて、先に入れた裂布をはたきます。




はたいた刀杼は抜いて、板杼を入れます。
平織りが一往復、織れました。これを繰り返します。

5. 始めのスタート棒に幅だし棒が近づくほど、織りが進みました。

6. 開口が狭くなって、刀杼が入れにくくなると、織りは終了です。
最後に通す刀杼と板杼です。

板杼を入れて、開口を替えて、はたき、織りが終わりました。
7. 終わりの始末はヘムステッチにしました。
取り付けていた下糸そうこう、中筒、幅だし棒、スタート棒を取り外します。



完成です。

使用した道具

刀杼と板杼
バリ島 テガガランのDukuk Village Homestay に泊まった時に作ってもらいました。ようやく活用が出来ました。

気づき
1. 織りの始めに玉止めをしました。
何故かガタガタになり、前回の織りとの違いを考えました。


前回は15cmほど試し織りをしていて、布の部分を布送具に挟んでいました。経糸は輪なので1本づつの張り具合が違います。そこを挟んでしまうと、張りの強弱がそのままなので
玉止めのラインがくずれてしまうと思い、玉止めを中止。
綿糸で織り進めてもラインのくずれが直らないので、布送具を1本に替えました。輪がそのまま生き、グルグルしながらも互いに調節しあってくれます。
写真は布送具を1本に切り替えた所です。
白の裂布の段までが2本、青色の綿糸から1本にした織りです。ガタガタが解消されました。

2. 途中で布送具を2本に替えました。
おりひめ手織り機の前巻棒の先端は紐が外しにくいので、違う棒にしました。
布送具に挟める程度に織り進めて、布送具に挟む。
腰あて紐をしっかりと布送具に結びます。

3. 色糸を替える。
替える糸(裂布と青色の綿糸)は交互に差し込みます。
方向が同じだと重なりが厚くなり、織りのバランスに影響しますので。

4. 織り幅を時々確認します。
YouTubeを参考にして厚紙で定規を作りました。
布に合わせ、織り幅が一定か調べます。


出来上がりは、織り幅10.5cm、長さ108cm。
企画より小さめでした。裂布の材質や打ち込み具合が考えられ、次の整経は少し長めにしてみます。





  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

整経を終え、織り始めるまでの準備

2022年06月20日 | 腰機(弥生原始機)輪状式 / in Yamato / 2022年
万力を外し、そのまま手前に倒せば腰機の構造です。
1. 万力から棒を外す前に、下糸棒と上糸棒は仮りの棒に
差し替えます。その時、両端から糸が外れないように注意 。  
2. 竹のすくい棒で開口し、仮り棒を差し込みます。
両端をひもでしばる。
上糸棒も同じ。





3. 手前に倒す。
倒した状態。左端の棒、スタート棒、下糸の仮り棒、上糸の仮り棒、 幅出し棒、右端の棒

腰あて、左端の棒を布送具、右端の棒を経送具に替えて腰機となる




4. 固定する場所に移動。机に二つの万力を止め、ひもを通して
両端を輪にします。経送具を輪にかける。

5. 腰あてのひもを布送具の両端にかけます。
今回の布送具はおりひめ手織り機の前巻棒2本で試してみます。

6. 布送具と経送具にかかっている糸束の輪を引っ張り、出来るだけ経糸の張りを一定にします。

7. 上糸の仮り棒を持ち上げて開き、中筒を差し込みます。
両端をひもでしばる。または中筒 の中を通してしばる。



8. 下糸の仮り棒を持ち上げて開き、刀杼を差し込み、
下糸(茶色と青色のタテ縞の面)を上にします。



左側より1本づつ下糸をすくい、下糸そうこうを作ります。
上から見た図

両端をひもでしばり、完成。(見出しの写真)
下糸そうこうに使ったレース糸


9. 移し終えた仮り棒は抜き取ります。

これで織れる準備が出来ました。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

腰機(弥生原始機)輪状式の整経

2022年06月18日 | 腰機(弥生原始機)輪状式 / in Yamato / 2022年
6年ぶりの腰機で迷いながらの整経です。
以前、自分で書いたものを見ながらやってみましたが、分かりにくい所もあり、図は書き直しました。




織りの企画
織り幅 12cm、 長さ 145cm
下糸 タテ縞で茶色と青色
上糸 青色

1. 定規に経糸を巻きつけ、1cm幅の本数を調べます。
1cm=7本



2. 机に万力を止める位置を決めます。
(長さ145cmの半分)
左端(手元側で布送具)と右端(先端の固定側で経送具)の
棒にメジャーをぐるっと1周して145cmで測ります。



3. 左端と右端の棒の間に4本の棒を立てます。
写真は左側から左端の棒、スタート棒、下糸棒、上糸棒、
出し棒。
後ろは使う綿糸2色と下糸棒・上糸棒の仮り棒と中筒。
幅出し棒は織り幅を一定にするため、筬の代用です。タイ北部のカレン族の動画から参考、ネーミングは私案。



4. セットした棒に経糸を回します。
上糸と下糸の2本取りで行うので、1周で2本。
1cm幅7本に織り幅12cmをかけて84本、
84本の半分の42周が必要数。

5. 整経スタート
1 ) スタート棒に下糸(茶色)上糸(青色)をしっかりと
結びます。2本の間に指を入れ、糸が交差しないように注意します
スタート棒の次が下糸棒なので、下糸が上に、上糸は下に。
2) 下糸棒の後ろに下糸(茶色)を通します。
上糸(青色)はまっすぐ。



3) 上糸棒の後ろに上糸(青色)を通します。
下糸(茶色)はまっすぐ。
この2本の棒の間に下糸と上糸が交差して綾が出来ます。





4) 幅出し棒に巻きつけます。下糸(茶色)を上に、2本一緒に手前から棒に巻きつけます



5) 右端の棒を回り、そのまま左端の棒へ回します。

6) 最初のスタート棒に巻きつけて1周目。下糸を上に、2本一緒手前から巻きつけます。これのくり返しです。





7) 下糸は2色でタテ縞にします。
色替えはスタート棒でします。
写真は青色から茶色に替えるところ。
スタート棒に青色(茶色)を結び、替える茶色(青色)を
結びます。もう1本はそのまま。
今回は3本の青色の縞になるように色を替えてみました。


42周回して、整経が終わりました。




  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

唐古・鍵考古学ミュージアムに行ってきました

2022年06月15日 | 腰機(弥生原始機)輪状式 / in Yamato / 2022年
唐古・鍵遺跡は二上山にも近く、石器の材料となるサヌカイトは二上山北麓で採れます。3万年前ごろの旧石器時代には二上山ふもとで奈良県最古の人類が表れ、石器の制作が始まっています。縄文時代には土器も作られ人々の暮らしは連綿と続いていました。
弥生時代でもサヌカイトは利用され、唐古・鍵のムラで石剣や石槍の完成品に仕上げられていました。
唐古・鍵遺跡は奈良盆地のほぼ中央にあり初瀬川と寺川に挟まれた弥生時代の集落で、面積は42ha。
遺跡からはムラを囲む環濠、竪穴住居、井戸、青銅器の
工房跡、機織りの部品(糸巻、糸をよる道具、布送具、
緯打具)、針、麻縄などが出土しています。

「輪状式原始機の研究 東村純子」の発表された論文に布送具の類例の一覧表があり、弥生前期(2点)、弥生後期(1点)
とあり、本物を見たくて早速考古資料が展示されている「唐古・鍵考古学ミュージアム」に行ってきました。

側面に凹凸の加工がある布送具。2材で1組。
出土した布送具の図(論文よりコピー)




緯打具(刀杼)と糸巻

縫い針

右側の建物が「唐古・鍵考古学ミュージアム」
ちょうど田植えの時期でした。



川の高低差を利用した水耕稲作は弥生前期には既にあり、後に広大な平野は穀倉地帯と発展していきます。勢力争いも増したであろうと想像出来、この辺りが古墳時代に続く地であってもおかしくはありません。ヤマト統一の象徴でもある銅鏡を作る鏡作りの中心地でもあり、三神二獣鏡が所蔵されている鏡作神社など五社が今でもあります。

機織り技術も大陸から伝わってきました。
腰と足を使ってタテ糸を引っ張る、輪状式整経の腰機は原始的であり、歴史は紀元前にまでさかのぼると吉本忍氏は書かれています。中国雲南省、李家山遺跡・石さい山遺跡に最古の機織りの像が出土、紀元前2世紀頃のものと見られるそうです。

李家山遺跡の腰機の像



腰機はブータンの織りに触れたのが始めてで、バリ島ではYouTubeなど見ながら自己流で織っていました。古代ヤマトの地で再び織ることになるとは不思議なご縁です。

戦いのない共同体の縄文時代から弥生時代へと移るさまを想像し、遺跡を辿っています。


参考
香芝市二上山博物館(旧石器文化を紹介する石の博物館)
唐古・鍵考古学ミュージアム
タテとヨコ 色とかたちのフィールドワーク 吉本忍
輪状式原始機の研究 東村純子



  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする