泊まっている宿の周辺はたんぼと畑です。
ウブドと同じ、農作業中でした。
すでに穂が垂れているたんぼは雀を払うためにひもが張られ、時々ガランガランと大きな音をさせたり、子供たちがパチンコで的にして遊んでいます。
その隣では畔塗りをしています。
田起こしは2頭の牛に器具をつけて引っ張っていました。
小さな耕耘機を使う田もあり、田起こし後は器具を付け替えて代掻きをしていました。
こちらの村では一日中、農作業の人々を沢山見かけます。
たんぼを所有している人が多いのかなとも思いました。
シドゥメン村から9キロ離れた所にムンチャン村があり、イダバグースさんが近いので訪れてくれました。土地の所有を聞きました。村の創設に関わった人々に土地は分けられたそうです。その後、お金の為に売ったり、買ったりで多く所有する人と無くした人々が出てきたそうです。所有する人は農作業をせず、所有しない人に頼んでしてもらう場合、収穫に対して折半だそうです。
ウブドの農作業は土地を持たない農民に日当を払っています。一日約500円前後だと聞きました。単なる労働と農業への取り組みが違うと感じました。
朝の散歩中、たんぼに向かう人たちに出会います。
畔の幅は薄く、畔塗りはとても綺麗です。
棚田から流れる水は滝のようです。
苗代田もあちこちに見られます。
部屋のバルコニーから見えるパノラマの景色はまるで箱庭のように美しく絵画のようです。
散歩道沿いのたんぼ。
ウブドのロスメンの宿に帰ってきました。オーナーのバローンさんが話してくれました。20数年前、政府の指導でシドゥメン村に農業の研修に行ったそうです。当時から、優秀なスバックでお手本だったと分かりました。
米作り、野菜作りの技術が人の力と自然農法でしっかりと継承されているのでしょう。
刈り取り後のわらは取ってあり、たんぼを耕し畝を造り畑作の準備をして、その上に敷いていました。二期作のウブドのたんぼは畑作をしないので見られない光景です。
棚田では大型機械化の導入は難しく、効率を求める農業では無い姿があるように思います。
人の手による田作りが代々伝わって今の風景を完成させていることに驚きと、淡々と農作業に向かう姿は修行僧のように思えます。