イカットの島 / バリ島に暮す / 風に吹かれながら

バリ島ウブドの小路は手工芸にあふれています。バリヒンドゥーの信仰に息づく暮らしに触れながら手織りの時を楽しみたい。

腰機 織りの手順

2022年06月24日 | 腰機(弥生原始機)輪状式 / in Yamato / 2022年
腰機の織りはとてもシンプルです。
経糸を腰と棒などで固定して張り、上糸を上にして、出来た開口に杼を通します。
次に下糸を上にして、出来た開口に杼を通します。
平織りはこれをくり返します。


1. 写真は少し横から見ています。
上糸(青色のみ)は中筒の上を通り、
下糸(茶色と青色のタテ縞)は中筒の下を通る。
輪で織れるので織った布は中筒の下。
2. 「上糸が上」からスタートします
上糸(青色のみ)は中筒の上。
中筒の高さがあるので刀杼は差し込まず、裂布を巻いた
板杼を入れます。
3. 次は「下糸を上」にします
下糸そうこうの棒を上に持ち上げて、中筒のきわに刀杼を当てると上糸と下糸の開口部がしっかりと開きます。

開口に刀杼を入れ、先に入れた裂布をはたきます。

そのままの下糸開口で刀杼を立て、開口を確保します。
板杼を入れます。

4. 次はスタートの「上糸が上」にします
下糸そうこうを中筒に近づけます。
そのまま、下糸そうこうと中筒をつかみ、少し前後させます。
綾が変わり、上部は上糸(青色のみ)が表れ、下部は
下糸(タテ縞)のままです。
上糸開口に刀杼を入れて、先に入れた裂布をはたきます。




はたいた刀杼は抜いて、板杼を入れます。
平織りが一往復、織れました。これを繰り返します。

5. 始めのスタート棒に幅だし棒が近づくほど、織りが進みました。

6. 開口が狭くなって、刀杼が入れにくくなると、織りは終了です。
最後に通す刀杼と板杼です。

板杼を入れて、開口を替えて、はたき、織りが終わりました。
7. 終わりの始末はヘムステッチにしました。
取り付けていた下糸そうこう、中筒、幅だし棒、スタート棒を取り外します。



完成です。

使用した道具

刀杼と板杼
バリ島 テガガランのDukuk Village Homestay に泊まった時に作ってもらいました。ようやく活用が出来ました。

気づき
1. 織りの始めに玉止めをしました。
何故かガタガタになり、前回の織りとの違いを考えました。


前回は15cmほど試し織りをしていて、布の部分を布送具に挟んでいました。経糸は輪なので1本づつの張り具合が違います。そこを挟んでしまうと、張りの強弱がそのままなので
玉止めのラインがくずれてしまうと思い、玉止めを中止。
綿糸で織り進めてもラインのくずれが直らないので、布送具を1本に替えました。輪がそのまま生き、グルグルしながらも互いに調節しあってくれます。
写真は布送具を1本に切り替えた所です。
白の裂布の段までが2本、青色の綿糸から1本にした織りです。ガタガタが解消されました。

2. 途中で布送具を2本に替えました。
おりひめ手織り機の前巻棒の先端は紐が外しにくいので、違う棒にしました。
布送具に挟める程度に織り進めて、布送具に挟む。
腰あて紐をしっかりと布送具に結びます。

3. 色糸を替える。
替える糸(裂布と青色の綿糸)は交互に差し込みます。
方向が同じだと重なりが厚くなり、織りのバランスに影響しますので。

4. 織り幅を時々確認します。
YouTubeを参考にして厚紙で定規を作りました。
布に合わせ、織り幅が一定か調べます。


出来上がりは、織り幅10.5cm、長さ108cm。
企画より小さめでした。裂布の材質や打ち込み具合が考えられ、次の整経は少し長めにしてみます。






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