イカットの島 / バリ島に暮す / 風に吹かれながら

バリ島ウブドの小路は手工芸にあふれています。バリヒンドゥーの信仰に息づく暮らしに触れながら手織りの時を楽しみたい。

腰機でタテ縞模様を織る (青色が基調)

2022年08月22日 | 腰機(弥生原始機)輪状式 / in Yamato / 2022年
色合いを替えて、シンメトリーのタテ縞模様を
腰機で織ります。

整経
スタート棒を後ろから見たところ。
片結びで2回、色替えの結び目が沢山あります。
切り揃えてから織ります。

配色図



途中で織りを休む時の様子です。
中筒と下糸ソウコウ棒が抜けないようにひもで結び、
手元側の布送具に少し巻きつけて、腰当てのベルトの片側を
外します。




腰機でタテ縞模様を織る

2022年08月10日 | 腰機(弥生原始機)輪状式 / in Yamato / 2022年
多色使いで、シンメトリーのタテ縞模様を織ります。
Pinterestを見てるとベルト織り(Inkle Weaving)の色合いが参考になり、試してみます。

整経
色糸はスタート棒で替えます。
前回はぐるぐるとスタート棒に巻きつける「巻き結び」で
結んでいました。
結び輪が2重になり、色替えも多く、織り幅に影響していました。
織り始めだけが太くなってしまう事に気づき、
今回は「片結び」を2回だけにしました。

配色図
今までは下糸からスタートして、上糸で終わりです。
織る時に両耳での折り返しが互い違いになるので、今回は揃える意味で下糸で終わらせてみました。
上糸は中筒の上を通っています。開口は上糸が上の状態


この時の両耳は右端・左端と下糸で終わり、揃っています。
刀杼の上を通っているのが上糸になります。


織り
織り始めの始末は玉止めやヘムステッチをしないで、スタート棒のきわに打ち込みました。(見出しの写真)
緯糸は2本取りです。

スタート棒に近づき、開口が難しくなれば織り終わりです。
ほどけてこないように左端から緯糸を1本にして、下糸と上糸を2本一緒にして片結び。

織りは輪状になります。
部品を外し、スタート棒だけを残した様子




出来上がり寸法
織り幅  約5cm
長さ   140cm
(整経の長さは織れない部分の35cmを足して、175cmです)


ほど良い太さの色糸が少ないのでネットで探しました。
毛糸ピエロ メーカー直販店、楽天市場
手織りnote[1]
色揃いが沢山あり、綿100%、 合細
コーン巻きで 150g=761m、 693円
とても良いショップを見つけました。


パパイヤオレンジ・ディープレッド・バイオレット
コバルトブルー・ディープシー・ブラック
サックスブルー・ライムグリーン




グアテマラ織物のタテ縞に似せて腰機で織る

2022年07月20日 | 腰機(弥生原始機)輪状式 / in Yamato / 2022年
自己流で織っている腰機ですがYouTubeなどを参考にしています。
現地に行かなくても、技術が見られるとは有り難いこと。

グアテマラは織物の宝庫とも言われているそうです。
アジアのブータン、「王家のために布を織る」クルテ地方の村で織られている片面縫取り織りや両面縫取り織りもあり、糸を染めてから織るインドネシアのイカットもあります。
中央アメリカのグアテマラで同じ技法で連綿と継承されていることに驚きです。

吉本忍先生(国立民族学博物館民族文化研究部)のフィールドワークのレポートから、腰と棒を使ってタテ糸に張る力を持たせている汎用腰機は環太平洋とその周辺地域(東アジア・東南アジア・南アジア・オセアニア・北米・中米・南米・マダガスカル)に限られているそうです。世界的に腰機が集中的に分布している腰機文化圏だそうです。
織物を織る技術は人類が新石器時代に獲得し、生活技術に欠かせない一つであったとあります。
各地域で同時的に技術が発明されたのか、または人々の移動とともに伝わってきたのか、いつ、どこから、とても興味深いです。

グアテマラの約4割の人々は紀元前1000年以上前から9世紀頃まで続いたマヤ文明の末裔と伝えられています。日本の弥生時代に腰機が伝わってきたように、グアテマラも原始の時代に民族の移動があったのでしょうか。

グアテマラの整経は輪でしていますが織りは直状式です。
機のセットは両端の棒に糸で固定させていて、手元に巻き込みながら織りますので仕上がりは四角形。直状式でも筬はないので、タテ糸が詰まっています。
輪状式も輪での整経ですが、輪状で織れます。筬はありませんのでタテ糸が詰まります。そこで、タテ縞が鮮やかなグアテマラの織物に似せて織ってみました。(見出しの写真)

写真は先日見学した唐古・鍵考古学ミュージアムで展示されていたグアテマラの織物です。

6色で整経


色糸に替えるスタート棒の裏側は結び目でいっぱいです。







織り始めの始末に悩む

2022年06月30日 | 腰機(弥生原始機)輪状式 / in Yamato / 2022年
並太の綿糸(生成り)を経糸にしてみました。
始めに中細の綿糸(藍)2本取りで数段織り、始末は
ヘムステッチです。
3倍ほどの長さに残していた2本取りの綿糸でヘムステッチ。
経糸の間に糸を入れるので幅が広がってしまいました。その幅で織ると両耳は広がり、中心は狭まり織り幅が一定になりません。
経糸はそれぞれが寄ってくるので、段々と織り幅は狭くなりました。







織り終わりはヘムステッチではなく玉止めに、
表側はこぶが出ますが裏側は二重の回した糸なので綺麗です。
表側
裏側



タイトルから外れます・・・
経糸が太いと裂布の緯糸が殆ど目立たないので、糸と糸の間を広げようと途中で2本渡しに替えてみました。
機をかけたまま、上糸の中筒と下糸そうこうを2本取りに直しました。
中筒
下糸そうこう
経糸1本
経糸2本
織り上がり
太い経糸の時は単色よりも色合いを入れたデザインが良さそうです。
・・・・・

カレン族の動画を見ると、緯糸は細く、織り始めはスタート棒のきわから緯糸を入れ、スタート棒に直接はたいています。
バリ島のソンケット織りも糸は細く、織り始めの始末もせず織り始めます。それでも端から解けることはありません。
今まで房の部分の長さを考え、スタート棒から離して織り始めていました。
筬のない腰機で緯糸は裂布で、そして織り幅を一定にしたい。

スタート棒に沿わせて細い糸で玉止め、綿糸で数段織り、裂布で織る。試してみました。

細い糸で玉止め、スタート棒のきわに。



綿糸と裂布を交互に。
織り幅は一定になりました。

緑色とカラシ色の横縞が単調なので途中から綿糸と裂布をランダムにしてみました。
糸の太さで上になる色合いが変化します。
赤系の裂布で緯浮き織りをセンターに

緯浮織りを一列に
「上糸が上」すくい棒で2本づつすくう。すくい棒を立て、裂布を通す



「下糸が上」先の裂布をはたき、刀杼を立て、裂布を通す



間に平織り5段



浮織りを繰り返す


経糸の張りに強弱があり、織りにゆがみが出ます。
整経が大切だと気づかされます。

使用した糸  (見出しの写真)
バリ島で引っ越しまで預けていた環境が悪く、殆どの糸は使えない状態でした。今回、久しぶりに糸を買いました。
楽天、小糸屋の佐分進商店さん
並太 生成りアイボリー 100g=230m 500円
オーガニック中細 深緑、カラシ 100g=400m 500円
ファンシーヤーン中細 白・橙・エンジ・ベージュ4色
           100g=430m 300円

緯糸は裂布   布幅約1cm前後





腰機 織りの手順

2022年06月24日 | 腰機(弥生原始機)輪状式 / in Yamato / 2022年
腰機の織りはとてもシンプルです。
経糸を腰と棒などで固定して張り、上糸を上にして、出来た開口に杼を通します。
次に下糸を上にして、出来た開口に杼を通します。
平織りはこれをくり返します。


1. 写真は少し横から見ています。
上糸(青色のみ)は中筒の上を通り、
下糸(茶色と青色のタテ縞)は中筒の下を通る。
輪で織れるので織った布は中筒の下。
2. 「上糸が上」からスタートします
上糸(青色のみ)は中筒の上。
中筒の高さがあるので刀杼は差し込まず、裂布を巻いた
板杼を入れます。
3. 次は「下糸を上」にします
下糸そうこうの棒を上に持ち上げて、中筒のきわに刀杼を当てると上糸と下糸の開口部がしっかりと開きます。

開口に刀杼を入れ、先に入れた裂布をはたきます。

そのままの下糸開口で刀杼を立て、開口を確保します。
板杼を入れます。

4. 次はスタートの「上糸が上」にします
下糸そうこうを中筒に近づけます。
そのまま、下糸そうこうと中筒をつかみ、少し前後させます。
綾が変わり、上部は上糸(青色のみ)が表れ、下部は
下糸(タテ縞)のままです。
上糸開口に刀杼を入れて、先に入れた裂布をはたきます。




はたいた刀杼は抜いて、板杼を入れます。
平織りが一往復、織れました。これを繰り返します。

5. 始めのスタート棒に幅だし棒が近づくほど、織りが進みました。

6. 開口が狭くなって、刀杼が入れにくくなると、織りは終了です。
最後に通す刀杼と板杼です。

板杼を入れて、開口を替えて、はたき、織りが終わりました。
7. 終わりの始末はヘムステッチにしました。
取り付けていた下糸そうこう、中筒、幅だし棒、スタート棒を取り外します。



完成です。

使用した道具

刀杼と板杼
バリ島 テガガランのDukuk Village Homestay に泊まった時に作ってもらいました。ようやく活用が出来ました。

気づき
1. 織りの始めに玉止めをしました。
何故かガタガタになり、前回の織りとの違いを考えました。


前回は15cmほど試し織りをしていて、布の部分を布送具に挟んでいました。経糸は輪なので1本づつの張り具合が違います。そこを挟んでしまうと、張りの強弱がそのままなので
玉止めのラインがくずれてしまうと思い、玉止めを中止。
綿糸で織り進めてもラインのくずれが直らないので、布送具を1本に替えました。輪がそのまま生き、グルグルしながらも互いに調節しあってくれます。
写真は布送具を1本に切り替えた所です。
白の裂布の段までが2本、青色の綿糸から1本にした織りです。ガタガタが解消されました。

2. 途中で布送具を2本に替えました。
おりひめ手織り機の前巻棒の先端は紐が外しにくいので、違う棒にしました。
布送具に挟める程度に織り進めて、布送具に挟む。
腰あて紐をしっかりと布送具に結びます。

3. 色糸を替える。
替える糸(裂布と青色の綿糸)は交互に差し込みます。
方向が同じだと重なりが厚くなり、織りのバランスに影響しますので。

4. 織り幅を時々確認します。
YouTubeを参考にして厚紙で定規を作りました。
布に合わせ、織り幅が一定か調べます。


出来上がりは、織り幅10.5cm、長さ108cm。
企画より小さめでした。裂布の材質や打ち込み具合が考えられ、次の整経は少し長めにしてみます。