イカットの島 / バリ島に暮す / 風に吹かれながら

バリ島ウブドの小路は手工芸にあふれています。バリヒンドゥーの信仰に息づく暮らしに触れながら手織りの時を楽しみたい。

再びソンケット織り (2015年3月)

2015年03月14日 | バリ島伝統織物ソンケット/腰機
今回のシドゥメン小旅行は織りの講習だけが目的でしたので時間がたっぷりありました。1年前の記事に多少加えられたと思います。村ごと、個人の織りかたにも癖があるようです。文章化する作業は疑問の解決に繋がり、整理することが出来ました。

イダ・バグースさんのお話しからシドゥメンはニラルタ高僧の子孫が暮らす村です。かつてはソンケットを織ることが出来るのは王族に限られていたそうです。次第に王族周辺の人々にも伝承され、現在まで代々織り継がれてきました。先生Nengahさんのお話しではシドゥメンのタボラ地区で50人の織り人がいるそうです。農業のかたわらに、又は専業で織っていて、全て仕事です。趣味の織りはありません。
整経やデザインのモチーフを考案し糸そうこうに移す作業も含め分業で、注文してから順番によっては1ヶ月待つこともあるそうです。織り人の多くは近くのシドゥメンの市場で売るそうです。クルンクン、デンパサール、ウブド等の店頭で売られる時はとても高い値段になります。1枚の織りにかかる時間はとても長いのですが織り手にとっては時間給にならしても高くはなく、織りだけでは生活費が得られないのが現状です。タボラ地区では宿泊施設やレストランの働き口があるので、織りをやめてしまう人もいるそうです。仕事が織りだけの時代ではなくなりつつあります。

草木染めで織るNengahさんのソンケットはご自宅での販売のみで市場には出さないそうです。講習中にもお客さんが見えてました。

Nengahさんの作品。藍染めのシルク。





5日間で約10時間の講習でした。ソンケット織りの体験は今回で4回目ですが、やっと理解が出来ました。平織りを閉じ、モチーフの糸を浮かし、色糸を通す。緯糸が浮くので刺繍の様に見えます。

始めの12センチほどからスタートし、中間の黒地5~6センチほどが私の織った部分です。織り幅54センチ、長さ36センチ。残りの部分は先生が終了日までに仕上げて下さいました。下から花、星、山、道のモチーフです。飛び飛びの絵柄は通常一つおきに並べるそうです。絵柄の意味は語学力不足でわかりませんでした。進み具合をみて、中間から絵柄が左右対象となるよう、変更してくれました。たて、よこのどちらを正面にしても良いデザインです。



モチーフの糸そうこうの間違いがわかります。
左右対象となる目がひとつ抜けています。左下の山の絵柄も抜けています。私が講習をお願いしてから日にちが少なく、糸そうこうの作業を急がせてしまったのでしょう。



帰りにクルンクンの市場に寄り、かせの糸と様々な布を見て歩きました。糸の太いイカットや高機のウンデック、グリンシン、ソンケットはガラスケースに入っていました。セレモニーに使うパーツの部分の生地も多く、ミシンが置かれ、その場で縫っています。





コットンのかせの糸を買いました。
2かせ2色。280gでRP.30000 (約300円)でした。
このお店にはシルクや手紡ぎの糸も置いてありました。