おはようヘミングウェイ

インターネット時代の暗夜行路。一灯の前に道はない。足音の後に道ができる。

Are you going to New soba festival?

2018-12-02 | Weblog

サイモンとガ―ファンクルのスカボローフェアの音楽を頭に流しながら、新そばまつりに出かけてみました。晩秋の味覚はいろいろあれど、やっぱり新そばは外せない。12月にしては暖かい気候に誘われて、いざ会場へ。

お出かけは公共交通機関をご利用ください!

なんてことは地方の、しかも大きな広場がある地域では言いません。

農村地帯、言い方を変えれば田園地帯では車は1人に1台、あるいは一世帯2台、3台は珍しくありません。

お祭りや地域の運動会などが開催される広場には隣接の青空駐車場こと草刈りされた空き地が臨時駐車場となります。

行列ができるのは訴訟に勝つので有名な法律事務所だけではありません。

新そばまつりの匂いを嗅ぎつけた地域の人々らが、お昼前からどんどん集まってきます。

夫婦で、一家総出で、孫引き連れて、1杯5百円の食券を買って列をつくります。

普段着姿の、この光景を見れば、そばが庶民の味覚だと改めて分かるでしょう。

スーツにネクタイ姿という、会場風景になにやら違和感を感じさせる方が一部おられました。市長、県議、市議、元国会議員の方々でした。来賓でもありました。そうか、来年は統一地方選も予定されていましたね。顔と名前を有権者に売り込む。選挙に勝つイロハを実践されてました。

そばは地域の在来種だそうです。自家用で食してきたものの、生産農家が減って栽培が消滅しかかり、まぼろしのそばと呼ばれるようになったとのこと。今日では「まぼろしの」という形容詞が要らないほどに、おおっぴらとなり、のぼりが道路沿いに立つほどに、地域の名物となりました。

さあ、まぼろしではなくなった、名物そばの製法を見ていきましょう。大きな器でそば粉をこねていきます。新たな命を育むような、慈愛に満ちた優しい作法です。

しっかりこねたそばを専用棒で伸ばしていきます。

愛を込め、気持ちを込め、感謝の念を入れ、この日のために修練に修練を重ねた技を使い切ります。

生地が円盤状のピザとそばとの違いが、ここから始まります。

普通、家庭では使うことも見ることもない大きな専用包丁です。

魚を3枚に下ろしたり、じゃがいもを剥いたりには不向きでしょう。

ただし、器用な方ならばキャベツの千切りができるかもしれません。

丁寧に包丁を入れられたそばは、いわゆるそばの形となり、人数分を小分けにしてパックに納めます。生そばとしても売られます。新そばを味わいたい! 食欲に着火された瞬間です。

まだか、まだか。行列に並んだお客さまたちが、新そばが出来あがるのを待っています。

どんどん茹でていきます。そばにいると、そばの熱気が伝わってきます。

陶器のどんぶりによそおってほしいところですが、不特定多数が訪れるまつりですから発泡スチロールの容れ物で我慢しましょう。掛けそばながら、油揚げとかまぼこが載ります。

食欲はもはや、お預けをくらって喉をごろごろと鳴らしているワンちゃん状態です。

仕上げは醤油味のそば汁を容れ物に注いでいきます。

新そばの誕生です。早く手渡してください! そんな喉から手が出そうな思いで両手を差し伸ばします。

新そばを頂く前の、自分でやる仕上げはこれ。青ネギと柚子胡椒ですね。

舌鼓をぽんぽんと、さらにもう1度ぽんと、打ち鳴らして頂いております。

味はどうかって? そりゃ、そばの味に決まってるじゃないですか。

うどんやちゃんぽん、らーめんじゃありませんからね。

そばは、新であれ、なんであれ、そばの味を越えないんですよ。

肝心の絵がないって? 食べるのに忙しくてね。撮ることをしませんでした。

正確に言えば、食べている途中で撮らなくてはと思ったのですが、箸を止めることができませんでした。

そば切れのすべて、汁の1滴、青ネギの1片に至るまで胃の中にすっぽりと納められました。文字通りの完食です。胃の中の新そばを胃カメラで撮ってお見せする訳にはいかないですからねえ。新そばそのものに、つくってくれた方々に感謝の時間となりました。ああ、本当にごちそうさま。

 

 

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