ヘルストピアダイアリー

ヘルス(健康)とユートピア(理想郷)の造語、「健康天国」「健康別天地」。健康を楽しむ三セク施設。

天才の育て方

2008年07月07日 | その他
今日は朝日新聞のbe study から興味のある記事がありましたので、
それから引用したいと思います。記事トップに「★天才の育て方」と
あり、見出しで「生半可には育てられない、と覚悟」。登場者は、柔道
家 井上康生のおやじ(原文のまま)

 まずは、書き始めから。

 >4月29日、全日本柔道選手権の準々決勝で敗れた井上康生(30)は、
北京五輪出場の望みを絶たれた。その後、康生は明(62)に電話をしてき
た。事実上の引退を決めた息子に、明は「ありがとう」「ありがとう」を繰り
返すばかりだった。

 以下本文

 >宮崎市の平和台公園の石段を、小学4年生の康生が80㎏の明を背負って
上っている。156段。明が命じたのは3往復。3回目の上りに差し掛かった。

 康生の膝が震え始めたのが、明に伝わってくる。呼吸も乱れ、10歩進んで
休み、やがて5歩進んで休む。明をおぶったまま、両手を階段について息を
整え、それからまた一歩を踏み出す。

 たまらなくなって切り出した。

 「康生、ここまで、ようがんばった。この上で終わりにしょうや」

 「いや、お父ちゃん、3往復って言ったやろ。もう1回、上って下りる」

 3回目の下りに入り、明は考える。ここで康生が転べば2人とも大けが
をする。しかし、これをやり遂げたら・・・。康生のがんばりに明は腹を
くくった。

 「あの3往復で私は、康生の体力と精神力に改めて驚きました。生半
可にこの子を育ててはいけない、と覚悟しました」

 
 この内容で思い出したのは、よく漫画で百獣の王ライオンは我が子を崖
から突き落とし、上がってくる子どもだけを育てる、という超スパルタ教育
のような厳しい躾でした-事実かどうか知りませんがそういった話をジャ
ングル大帝レオだったか、巨人の星だったか、漫画の一こまにそういった
厳しい育て方をしているのを思い出しました。

 一瞬ですが、突き落とす光景それに似ているかなと。しかし、よく考え
てみるとそれとは全く違ってました。ライオンの父は崖の上から見ている
だけ、明さんは康生さんと一緒にハードなトレーニングに打ち込んでいる
こと。片や一方的、片や協同で。その点が全く違ってました。

 しかも一歩間違えば大けがというリスクが伴うトレーニング、一人でな
く親子二人が犠牲になる可能性があったというのに。

 どんなに厳しい指導者(親)でも、どちらかと言えば口先だけの指導者
が多い中で、「父明は息子康生を信頼した」。そこが普通の指導者との違い。
全幅の信頼を寄せる明さんは、その時に目覚めた(覚悟)とも受け取れる
親子の関係が出来上がった、とも思えます。

 素晴らしい親子の話ですね。
 
 続いて後半

 >康生が柔道に興味を持ったのは5歳のとき。明が勤めていた延岡警察署
の道場に、幼稚園帰りの康生がたびたび忍び込んだ。同僚が聞いてきた。

 「井上の三男坊じゃなかと?」(宮崎弁はそうは言いませんが原文のまま)
柔道講師でありながら、明は仕事に追われ道場に顔を出していなかった。の
ぞいてみると、畳の隅に隠れるように座っていたのは、やっぱり康生だった。

 「なんやおまえ、柔道したいんか?」
康生の兄2人は剣道をやっていたこともあり、明が感激したのは言うまでも
ない。その足で柔道着を買いに走った。小学2年生以下の宮崎県大会で、5
歳の康生が優勝するのは、半年後のことだ。

 「康生を育てたというより、こちらが育ててもらった感じです。5歳から
の25年間、ありがとうのひとことです」

  康生さんの今は、父明さんがいたからこそでしょう。しかも育ててもら
ったという謙虚な気持ち。

 人物ですね、明さん。あの息子にしてこの父あり。

 そして、康生さんも延岡で育った一人。トップアスリートです。