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上善如水

ホークの観察日記

現在進行中 ジョー・ウォルトン『図書室の魔法』

2014-05-31 01:11:38 | 本と雑誌
 これは面白い!!

 母親から逃げ出して、離婚した父親の元に身を寄せるんだけれど、三人の伯母によって寄宿学校に押し込められた15歳の女の子が、一人称で語る物語。

 本を読むことがもう宿命付けられているかのような彼女が読むSF、ファンタジー小説が、自分の趣味とドンピシャリなので楽しい楽しい。

 しかもその作品に対する、時に辛辣な批評や、時に崇拝的な賛辞が、言いたい放題、単純明快、快刀乱麻で気持ちいいこと!!

 舞台がイギリスで70年代から80年代にかけていうことで、トールキンにC・S・ルイス、ル・グウィンにハインラインといった大御所が登場するのはもちろん面白いけれど、今や名作と言われる「アンバーシリーズ」を新刊で読んでいたり、「銀河ヒッチハイクガイド」が目新しいかったりと時代を考えているのもいい。

 『スター・ウォーズ』をけちょんけちょんにけなすところは面白かった♪

 
 ウェールズ生まれで双子の一人という主人公。

 妖精を身近に感じ、魔法を信じていて、母親を魔女だと思っています。

 寄宿舎での女の子ばかりの学園生活も、「赤毛のアン」や「リンバロストの乙女」みたいな所から、思春期の女の子らしく、友人との付き合いだとか、レズビアンだとか、ブラジャーだとか、恋人だとかセックスについて、悩んだり考えたり失敗していて、「アンネの日記」の発展版のような側面もあります。

 失った家族。
 閉じ込められた寄宿舎。
 事故で自由にならない片足。
 老人ホームに入れられている祖父。
 母の秘密に支配したがる父方の三人の伯母たち。
 そして酒びたりの父。

 女の子の境遇は、決して安穏としていられるものではないのに、本が好きだということで乗り越えることができているかのようなストーリー展開も楽しみ。

 上下巻の上巻を読み終わったので、これから下巻を読みます!

 おかげで寝不足です(苦笑)

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