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上善如水

ホークの観察日記

『のぼうの城』

2012-11-21 00:57:00 | 映画

映画『のぼうの城』を観て来ました♪

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発売日:2012-10-31


 天下統一をめざす豊臣秀吉が関東の北条氏と激突!
 北条方の支城の一つ、忍城(おしじょう)にも豊臣方の軍勢が迫ります。
 城主は北条氏の居城小田原城に兵力の半分を引き連れて出陣中。

 留守を預かるのは城代家老の息子でみんなから親しみを込めて「でくのぼうの”のぼう様”」と呼ばれる、戦いよりも人々の笑い声が好きな男。

 攻め入る豊臣軍を率いるのは、いまだ武功の無いことにあせる石田三成。

 2万の大軍勢に対する忍城(おしじょう)の兵力はわずかに500。

 果たして、この戦いに勝機はあるのか!?

 ここに歴史に残る攻城戦の幕が切って落とされる!!


 フフフ…


”のぼう”を演じた野村萬斎さんが、人を笑わせる役にすごくピッタリ♪

 さすがは狂言師!

 映画として見ると、逆にそのピッタリ感が目立ちすぎて、作品世界に入り込みづらい原因でもあるのだけれど(あとお笑い芸人の山口智充。やりすぎ感がスゴイ笑)、脇を固める佐藤浩市がいい演技をしているんですよね~

 バランス的にもっと本物の俳優さんを起用すれば、ずっといい映画になったとは思うのですが、山田孝之とか鈴木保奈美とかイイ味を出しています♪

 さすがに「七人の侍」には及びませんが、これはこれでエンターテイメントかな。

 ちなみにこの忍城(おしじょう)の戦いは史実に基づいているんですね。

 現在の埼玉県での出来事なんだとか。

 戦のむごさ、悲しさも描かれていますが、なにぶん時間不足かな?

 水攻めのシーン水攻めのシーンがあるため(これがかなり大規模でした)、東日本大震災直後の公開を延期し、この11月公開となったそうです。

 日本映画、頑張ってるなぁ~


 エンディングに流れるエレファントカシマシのテーマ曲「ズレてる方がいい」も良かった。
 人間、損得じゃなくて、戦わなきゃいけない時は戦わなきゃいけないんですよね。

 自分の生活とダブさせて、思わず涙ぐんでしまいました。

 最近涙もろくて困ります(苦笑)


『地獄の黙示録 特別完全版』

2012-10-25 23:12:33 | 映画

 映画『地獄の黙示録 特別完全版』を見ました。

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 ベトナム戦争を扱った名作ですが、主人公が追うカーツ大佐の机の上に、フレイザーの「金枝篇」が乗っていると聞いたので、ただそれを見たくて(苦笑)

 「金枝篇」好きなんですよね♪

 特別版で新たに追加されたフランス人入植者たちのシーン(ベトナムはフランスの植民地でした)で、妖艶な未亡人と主人公が交わす会話。

 

「急がなくても、明日も戦争よ」

「……それもそうだ」

 

 このセリフが今回とっても印象に残りました。

 そうなんですよね、仕事で忙しくて、今日とあと何日か乗り切れば何とかなるような気がしているけれど、忙しい日に終りなんかなくて、明日も、明後日も、ずっと戦争は続く。

 

 その中でいかに正気を保っていられるのか……

 

 なぁ~んて、いまの自分につい照らし合わせてしまいました。

 映画とはまったく関係ありません。

 牛がいけにえにされるシーンはかわいそうだったな。

 有名なワーグナーの曲を流しながらヘリの編隊が飛ぶシーンや、いつもジャングルにただよう不自然な赤い煙がまるでファンタジーのようでした。

 残虐なシーンも多いのに、変に嫌悪感がわいてこないのはそのせいなのかな?

 いい映画とはいえないけれど、印象に残る映画でした☆


『バトルシップ』

2012-09-13 23:23:36 | 映画

ピーター・バーグ監督の最新作、『バトルシップ』(2012年)をレンタル屋さんで借りてきました。

 

エイリアンとアメリカ海軍(一部日本の自衛隊も参加)との戦いを描いた、SFアクション映画。

 

出演はディズニー映画「ジョン・カーター」で主役を演じたテイラー・キッチュ。

その他、日本の自衛隊艦長として浅野忠信。

ユニバーサル映画100周年を飾る超大作だそうです(苦笑)

 

まずは、生命のいそうな星に向けて、人類が信号を送ります。

それをキャッチしたエイリアンが地球にやって来ます。

ハワイ沖に着水したエイリアンは、上空と水中まで届くバリアを展開、ハワイ一帯を物理的に隔離し、通信も遮断してしまいます。

エイリアンの攻撃でハワイのアメリカ空軍は戦闘不能。たまたま演習でそのバリア内に取り残されたアメリカ海軍のイージス艦と日本の自衛艦が、エイリアンに対して攻撃を仕掛けることになります。

戦闘機はなし。

海軍対エイリアン。

だから、題名が『バトルシップ』

 

「戦艦大和」対「エイリアン」、みたいな構図だと思ってもらえれば間違いなし。

前半の間延びしたドラマ部分。

後半の演出されたあまりにも安易な「奇跡」

もう突っ込みどころ満載のB級SF映画です♪

元アメリカ海軍のおじいちゃん達が登場するシーンなんて、「アルマゲドン」で似たようなシーンがあったような気がします。

そしてもっとも気になったのは、宇宙人のデザイン!

古い! 古すぎる!!

「V・ビジター」じゃないんだからさ………

 

戦闘もハワイとその周辺海域に限定されているので、迫力はいまいち。

女性キャラの数も少なく、サービスシーンもありません(苦笑)

私なんて、最初に登場したヒゲ面の主人公が、海軍に入ってヒゲをそったら誰だかわからなくて、(アレ、主人公変わった?)なんて思ってしまいました。

それぐらい登場人物の影が薄いです。

前半、警官に主人公がスタンガン(電流の流れるやつ)で撃たれるのですが、せめてそれをヒントにエイリアンを倒す方法を考え付くとか、物語に複雑性が欲しかった。

脚本がつまらないと、どんなに映像がすごくても、映画としては印象に残らないんですよね。

砲弾一発で大爆発する敵の陣地というのも、あまりにできすぎな感じ。

さらに輪をかけて残念なのが、主人公の魅力の無さ。

まったく感情移入できない。

こういう映画、嫌いじゃないです(笑)

 

でもアメリカ海軍全部と戦う映画だったらもっと面白くなっただろなぁ。

戦闘機をバンバン打ち落とし、空母を沈め、潜水艦を食い破る。

予算的に無理があるかな?


『世界侵略:ロサンゼルス決戦』

2012-08-30 23:03:35 | 映画

 久しぶりにレンタルビデオ店で映画を借りて来ました♪

 

 ジョナサン・リーベスマン監督

 『世界侵略:ロサンゼルス決戦』(2011年)

 

 エイリアンとアメリカ軍の戦いを描いたSFアクションです。

 

 

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 まず、スケールがとっても小さいです。

 「第9地区」とか、「プレデター」みたいに、限定された場所での戦いがメイン。

 いちおうロサンゼルスの街が攻撃されるシーンはありますが、ほとんどがCGで、あとはひたすら小人数の一部隊をカメラは追い、次々と隊員たちがやられていく、というお決まりのアクション&サスペンス。

 突如流星群となって海に落下した正体不明のエイリアンとわけもわからないまま戦闘に突入した彼らは、逃げ遅れた民間人を助け出すため、エイリアンの真っ只中に放り込まれます。

 空爆の予定時間まで残りわずか。

 その時間内に果たして民間人を見つけ出し、救出することはできるのか?

 

 過去、部下を失った苦い経験を持つ退役まじかのベテラン軍曹。

 今回が初めての実戦となる若い士官学校出の指揮官。

 結婚式をま近にひかえた兵士に、兄が軍曹の下で戦って戦死したことをずっと根に持っている兵士など、それぞれに抱えているものはありますが、いまいち深みに欠ける。

 

 物語に広がりもないし、人間ドラマにも特に目新しい物はありません。

 エイリアンのデザインも、こんなものか、という程度ですし、宇宙船や兵器の設定にしても特別奇抜な物はなく、ちょっと物足りない感じ。

 戦闘も通常兵器で戦います。

 戦略もおそまつ。

 エイリアンとは最後まで意思疎通なし。

 まるでテレビゲームの敵役という感じ。

 

 ま、こういうB級映画大好きですけどね☆

 

 ただ気になったのが、自分を犠牲にして部隊を助けるシーンが何度かあること。

 自己犠牲ってあまりアメリカ軍のイメージじゃないんですよね。

 恋人の写真やヌードモデルの写真を見ながら、軽口をたたきあい、悪態をつきながら日本兵やベトナム兵に銃弾をあびせかける…

 死ぬことに美学なんか感じない。

 生き残って人生を楽しむことこそが何より重要。

 ま、戦争に美学なんてもともとないんですが、9・11以後、そうした愛国的自己犠牲がやたら目に付くと思うのは考えすぎなのかな?

 

 「インディペンデンス・ディ」とか「宇宙戦争」みたいに、SFファンの喜ぶマニアックな遊びもなく、謎解きもなし。

 ただただ戦争し続けます。

 

 それにしても、重要拠点の防御が甘すぎる(苦笑)

 何で陸戦?(宇宙空間から攻撃してもいいのに…)

 もう突っ込みどころ満載です(笑)

 

 あー、面白かった♪


『おおかみこどもの雨と雪』

2012-07-26 20:06:58 | 映画

 公開されたばかりのアニメーション映画、細田守監督の

 

『おおかみこどもの雨と雪』

 

を映画館で観て来ました♪

 

おおかみこどもの雨と雪 映画パンフレット 監督 細田守 おおかみこどもの雨と雪 映画パンフレット 監督 細田守

 いやぁ、泣いた。

 泣いてしまった。

 

 おおかみ男に恋をして、やがて二人の子供を産む大学生の女の子、「花」の声を宮崎あおい。

 彼女が愛したおおかみ男の声を、大沢たかおさんが演じてみえます♪

 最初はこの二人がどうやって出会って、どんな風に愛し合って、そして子供が生まれ、どうして父親がいなくなったのかが描かれるため、抱き合うシーンなんかがあって、子供連れの観客にはちょっと気まずい(苦笑)

 でも、こうやって世界中の子供が生まれてきているわけですからね。

 そして同時に、誰も避けて通れないのが「死」

 

 人間を、生き物を描くのに、「生」と「死」は避けては通れない道なんでしょうね…

 アニメ作品なのに子供向けの無難な作品にせず、きっちりそういう所も描いていて、監督のこの作品にかける意気込みみたいなものを感じました。

 子育てシーンは、もう本当に大変で、おおかみこどもならではの笑いもありますが、夜泣きしたり、すぐ吐いたり、もう一人で頑張る「花」が見ていられない。

 疲れきっていねむりしたり、夜中病院を探して走り回ったり、出生が出生なだけに、気軽に医者にも診せれなくって、しだいに追い詰められていく「花」…

 

 おおかみの血を引く姉弟、「雪」に「雨」の性格設定も見事で、気の強いお姉ちゃんに、気の弱い引っ込み思案な弟という対比が後半の二人の決断を際立たせていました。

 

 オオカミとして生きるのか…

 それとも、

 人間として生きるのか…

 

「元気で! しっかり生きて!」

 巣立っていく我が子にかける「花」のセリフを聞いたとたん、ジワッとこみあげてくるものが!!

 …ここから少々ネタバレを含むグチを書きます。

 知りたくない人はここから先は読まないで下さいね。

 

 子供の成長、親になる覚悟、母親の姿という、描きたいテーマはよくわかるし、そのメッセージを伝えるうえで、「おおかみ男との恋」という設定は確かに面白いし、功を奏している面もあります。

 「おおかみ男」の最後がちょっとあいまいだったり、「雪」の異性を意識し始めたらしい小学生とは思えない言動も少々気になりますが、それは小さなこと。

 一番気になったのは、「花」自身の人生です。

 

 子育て=自分の人生

 

 みたいなところがあって、ジェンダーな部分にうるさい私にはどうしても引っかかってしまう。

 そりゃあ、子供二人抱えて生きていくのは大変です。

 自分の夢を実現しながらこなせるほど、子育ては甘くはないでしょう。

 でも、でも、一人で育てる決心をした割には、「花」ってけっこう考えなしだし、いろいろ危なっかしいし、いつ破綻してもおかしくない人生設計なんです。

 だいたい、いくら過疎の村だからって、「花」に言い寄る若い男の一人や二人いないのはおかしい…ずっと一人の男を愛してなきゃいけないの?

 なぁんて、ちょっと製作者側の「男の理想」を感じてしまう(苦笑)

 ラスト、子供たちを見送った「花」が、自分の好きなことに打ち込む描写を入れて欲しかった(もしかしたら将来的にはそうなるかも知れないけれど、映画では言及されません)

 言い方がとっても難しいのですが、「花」も、子供や愛するおおかみ男(故人)とのつながりを大切にしながら、いち個人として独立した人間であって欲しいんです。

「いいお母さん」以外の人生もあるという、「大人」として「人間」として、人生を生きる「花」の姿が見てみたかった。

 映画を観て、ボロボロ泣いている男がいってもあまり説得力はありませんけどね♪

 

 エンターティメントを狙った娯楽作品ではありません。

 そういった作品ではありませんが、人間を描いた作品として、とって面白かったです。

 おおかみこどもを使って人間を描くというある意味逆転の発想がこんなにうまくいくなんて!

 やっぱりこの映画の見所は、その着眼点のすごさですね。

 細田監督の出身地で、今回の舞台のモデルともなった富山県の自然も美しかった。

 エンディングに流れるアン・サリーさんの歌う「おかあさんの唄」もとても耳に残りました。

 いろいろ書きましたが、感情に訴えてくるいい映画だったと思います。

 

 あー面白かった☆