goo blog サービス終了のお知らせ 

上善如水

ホークの観察日記

『ストリングス 愛と絆の旅路』

2008-12-25 19:40:26 | 映画

洗濯機が回っている間に映画鑑賞。

今回は、『ストリングス 愛と絆の旅路』を借りて来ました。

大人のための人形劇。

デンマークで2004年に公開された、アンダース・ラノウ・クラーランド監督の作品を、日本の庵野秀明監督が、新たに脚色し直し、日本バージョンとして公開した作品です。

登場人物は全て人形。糸を使って手足や表情を動かす、いわゆるマリオネットと呼ばれる種類の人形たちです。

もう、その見事な演技には一瞬、人形だということを忘れて見入ってしまいました!

一体の人形には、だいたい3人の人形師がつき、CGもアニメーションも使わずに撮影したそうですが、ちょっとした仕草とか、うつむきかげんな表情とか、すごく感情的な顔を見せてくれるんです。

民族衣装を着て踊るシーンでは人形なのに妙に色っぽかったり☆

映画というより、昔NHKで放送していた、「三国志」とか「プリンプリン物語」の人形劇が、そのまま1時間半になった感じ。

舞台は人形たちが暮す世界。

全ての生き物が天から伸びる糸に結ばれていて、その糸が切れると、その命も終る。

赤ん坊は木から削り出され、母親の糸が分かれて、その体に結び付けられると、命が与えられる…

頭につながった糸が一番重要で、手足の糸は、切れてしまっても、その部品(!)ごと、糸のつながった新しい部品と交換することもできます。

ただし、その新しい部品というのは、まだ生きている奴隷たちから無理矢理、手足ごと切り離して手に入れるのです。

糸が天につながっているので、家には屋根がなく、それを表現するために雨が効果的に使われています。

一度に30体もの人形が登場するシーンでは、画面に糸があふれます!

戦いのシーンでは、もう何が何やら。

でも、それがまた独特の雰囲気で、この人形たちの世界観を印象深く観客に伝える役目も果たしています。

糸が演技しているみたい♪

物語は、人形の国の王の死をめぐって、王弟である叔父が王の座を狙って、残された王子と王女の兄妹を陥れていくというもの。

日本版では、その王子役の声を草彅剛。

妹の王女の声を優香。

王弟の声を伊武雅刀。

王女を我が物にしようとする王弟の部下の声を香取慎吾。

そしてヒロインの声を中谷美紀が演じています。

糸につながれた人形たちまでもが戦いと憎しみに振り回される姿は見ていて痛々しいものがありました。

「空を見て。自分の糸の終わりが見える?」

愛する者同士は、空の上でその糸がつながっている…

誰もが誰かとつながっている。誰かの終わりが、違う誰かの始まりとなり、すべての命がそうしてつながっていく。

人形が糸につながれていることを逆手に取って、それを世界観の中に融合してしまったアイデアはすごく新しいです。

子どもたちが糸をわざと絡ませて、母親を困らせたりします♪

また、人形たちが演じることで、現実の人間の姿がオーバーラップして、ストーリーとしても引き込まれるものがありました。

とにかく、人形たちにこれほど見事な演技をさせた人形師さんたちには拍手☆

叔父にだまされ、父親の仇を探して旅に出る王子。

旅先でその命を奪おうと差し向けられる王弟の罠。

父親の死の真実を知った王女の身に魔の手が伸びる。

王子が知ることになる父親の真の姿。

そして、立ちふさがる敵国。

迫り来る戦争の足音と共に、まさに行われようとする王女の処刑。

あっという間の1時間半でした☆


『幸せのレシピ』

2008-11-28 15:10:31 | 映画

スコット・ヒックス監督の映画、『幸せのレシピ』を観ました☆

主演はキャサリン・ゼダ=ジョーンズ。ドイツ映画『マーサの幸せレシピ』のハリウッドリメイク版。2007年の作品です。

出てくる料理がとっても美味しそう♪

NYの人気レストランで料理長を務める、完璧主義のシェフ、ケイト役にキャサリン・ゼダ=ジョーンズ。

そのレストランに新しくやってくる、厨房で音楽をかけて笑いを振りまくシェフ、ニック役をアーロン・エッカートが演じています。

ケイトはシェフとして料理には絶対の自信を持ち、私生活でも完璧主義を貫く独身女性。

自分の仕事を持って自立し、スマートで何事もキッチリとした彼女の生活は、それなりに快適のようにみえますが、どこか近寄りがたい雰囲気も周りに発散しています。

そんな彼女が、ある事情で幼い姪のゾーイを引き取ることになったことから、それまで彼女にとって居心地のよかった生活は混乱しはじめ…

急に子供を育てることになった独身女性と、生意気盛りのゾーイがいいコンビ♪

その衝突すること衝突すること♪♪

どっちもとまどいながら、相手との距離を手探りする様子が、とてもうまく描かれています☆

ケイトの作った手の込んだ料理をいっさい食べようとしないゾーイ。

帰宅してから、ゾーイの学校へのお迎えをすっかり忘れていたことに気が付くケイト。

そんな混乱の中、ゾーイのことでしばらくお店を休んだケイトの変わりに、新しいシェフ、ニックが雇われます。

音楽をかけ、料理人たちにジョークを飛ばすニック。

彼のおかげで、ケイトがいた時とは厨房の雰囲気はガラリと変わってしまいます。

もちろんそれまで厨房を取り仕切り、完璧な仕事を生き甲斐としてきたケイトにとって許せるはずがありません。

ところが、何も食べようとしなかったゾーイが、ニックの作ったパスタを食べているところをケイトが見て…

ゾーイとニックがパンケーキを一緒に作るシーンが好きです♪

料理って、食べるだけじゃなくて、作るってことも楽しく幸せなことなんですね☆

ステーキの焼き加減に文句をつける味音痴のお客に、フォークに刺した生肉をテーブルに突き刺すケイトがカッコイイ!!

ケイトとニックのラブシーンはもう少しおとなしくしてもよかったかなぁ☆

落ち込んだり悩んだり。

最後には肩の力を抜いて、完ぺき主義も大人しくなるのかと思いきや、料理に関しては完ぺき主義のままのケイトが良かった♪

そんなケイトをそのまま受け入れてくれる男性に会えて、よかったよかった♪♪

幸せな気持にしてはくれるけれど、お腹の空く映画でした☆


『続・三丁目の夕日』

2008-11-21 23:54:02 | 映画

テレビで放送された、映画『ALWAYS続・三丁目の夕日』を観てました☆

監督は前作に引き続き、山崎貴。出演は堤真一、吉岡秀隆、薬師丸ひろ子、小雪、他。

オープニングから大笑いさせてもらいました♪

ゴ、ゴジラって。

さすが東宝!!

昭和30年代を再現した映像もよくできてた♪

でも、やっぱりストーリーが、ストーリーが…泣きました!!!

高度成長を迎えようとする東京。

東京タワーが建ち、高速道路も建設されようとするさなか、東京の下町、夕日町三丁目で暮す人々を描いた物語。

幸せって、ひとの温かみって、いいなぁ~

今回も売れない小説家、茶川竜之介(吉岡秀隆)が芥川賞を取るかどうかが、ひとつのポイントですが、鈴木オート(堤真一、薬師丸ひろ子夫婦の経営する自動車修理工場)に親戚の女の子をあずかったり、ろくちゃん(堀北真希演じる鈴木オートの住み込み従業員)のちょっとワケありな幼なじみが登場したりと、いろいろなストーリーがあって、それぞれに笑ったりジ~ンときたりで、見ているこっちが忙しいくらい♪

親戚の女の子、好きだったけどやっぱりイジワルしたな~

東京タワー、修学旅行で一回だけ登ったなぁ~

日本橋、あそこから旅行に行く時、バスに乗った…

観ていて自分の中のいろいろな思い出も出てきてしまいました。

さすがに昭和30年代は知りませんけど☆

欲張りな映画です。

前作も面白かったけれど、続編も楽しかった♪

日本映画、頑張れ♪♪


『ネバーランド』

2008-11-05 06:19:38 | 映画

レンタル料金が安かったので、このところ映画三昧♪

今回は、ジョニー・デップ主演の映画、『ネバーランド』を観ました☆

「ピーターパン」の作者、劇作家のジェームス・バリーが「ピーターパン」を書くにいたった物語を、実話をもとに描いています。

監督はマーク・フォスター。日本での公開は2005年。

子役のフレディ・ハイモア君が、ピーターパンのモデルとなった少年役で、ジョニー・デップと初の共演を果たした作品♪

彼のお母さん役で、『タイタニック』のヒロイン役で有名なケイト・ウィンスレットが出演しています。

なかなかヒット作が書けない劇作家のバリーに、興行主がボヤくシーンが印象的でした。

…演劇を彼らは(批評家)真剣に考えすぎる。演劇とはもともと、プレイ=”遊び”なんだ。

公園で知り合った母子に興味を引かれるバリー(ジョニー・デップ)

ここでの子どもたちとジョニー・デップのふれ合いが楽しい♪

やがて、子ども達と仲良くなり、一緒に海賊ごっこや凧あげなどをして遊ぶようになるのですが、兄弟の中の一人、ピーター(フレディ・ハイモア)だけはなかなか心を開きません。

父親を失った悲しみが彼の心を深く傷つけ、すぐ良くなるからと言っていた大人たちを信じられなくなり、しいてはこの世界を、夢を見ることさえ信じられなくなっているのです。

「彼は早く大人になろとしている。大人になれば傷つかなくてすむと思って」

父親だけでなく、母親までも失うかもしれないという不安に、ついに感情を爆発させるピーターがせつない。

とても悲しい時、つらい時に、一人で笑うことは難しい。

でも、誰かがそばにいれば。その人のことを心配してくれる人がいてくれれば。いつか笑うことができるはず…

フレディ君~(泣)

「ピーターパン」のお話がしだいに出来上がっていく過程も興味深いのですが、それだけではなく、人間ドラマとしても見せてくれます。

演劇を愛し、人間関係に不器用なバリー役のジョニー・デップがハマリ役♪

しかし! それよりも何よりも、今回は子どもたちがすごくよかった☆

子どもたちの体が浮き上がって窓から外に飛び出していくシーンには見ているこっちもワクワク♪♪

映画、演劇、物語…

表現の形は様々だけれど、人の持つ”想像力”って力は素晴らしい♪ って見ていて素直に思いました☆

いい映画でした。


『初恋のきた道』

2008-11-01 22:08:30 | 映画

中国映画『初恋のきた道』のDVDを借りて来ました☆

監督はチャン・イーモウ。

出演は女優のチャン・ツィイー。

中国の農村を舞台にしたラブ・ストーリー♪

父親の死の知らせを受けて実家に帰って来た青年が、父親と母親の若き日の出会いについて語り出します。

現実の描写を白黒の映像で。両親の若かりし頃を鮮やかな色彩で描き出す演出で、農村を包み込む美しい紅葉の黄色、厳しい冬の雪の白さが印象的。

人を好きになるってことに国籍も人種も宗教も思想の違いもありませんね!

すごく共感できて、中国の人が好きになります☆

村にたった一人の教師としてやって来た父親に恋した若かりし頃の母親。

字も読めない彼女ですが、子供たちに朗読するその声を聞きたくて、学校の近くの井戸に水をくみに行くという理由をつけて、毎日毎日通いつめます。

道で偶然出会うために待ち伏せしたり♪

全然偶然じゃないけど(笑)

でも、やがて二人は離れ離れになってしまうのです。

男の戻ってくるという約束を信じて、村から町へとつながる道でひたすら、ひたすら待ち続ける…

あぁ~、自分の両親のなれそめっていつ頃聞いたかな?

別に聞きたくはなかったけれど、一度聞くと絶対忘れない。

映画では、夫の遺体を病院から村へ運ぶのに、昔の習慣通り、亡くなった人が故郷への道を忘れないために、村人で担いで行きたいと母親が言い張ります。

しかし、今は車やトラクターもあり、人手もお金も足りないのでそれは無理だと村長が言います。

でも、母親は諦めません!

お金は息子である青年が用意し、人手も隣村から雇うことにし、なんとか形だけでも整えた時。

父親の教え子だという人が、何人も、何人もやって来て…

先生って職業はこうでなくっちゃ!!

レンタルでその日のうちにDVDを返さなくっちゃいけなくて、真っ赤な目をしたまま返しに行きました☆

中国の農村を舞台にした初恋の物語♪

泣ける映画でした。