髪をショートカットにしてから、
手入れが簡単になった分、少し伸びると鬱陶しくて我慢ならない。
雨でも降らないと美容室にも行けないので辛抱していた。
が、もうどうにも限界! 9時を待たずに美容室へ行った。
「いらっしゃいませ~~」 元気な声で迎え入れられたが先客が2人もいた。
嫌な予感・・・先生が孤軍奮闘しているのだ。
雨は上がりそうな気配だし、相当に待たされそう。
「独りなの?」と聞いてみた。 「10時にはスタッフが来ます」と先生。
出てしまおうかと思ったが、又いつ来られるか見当がつかない。
すると、また一人客が来た。 仕方ない!待つことにした。
そうして待つこと30分、漸く呼ばれて鏡の前へ・・・
それでも、あっちと、こっちと先生は忙しく動き回る。
隣のご婦人の大きな声に少々閉口する。 と、「おはようございま~す」
スタッフが現れた。しかし、いつもの人と違う。再び嫌な予感がする。
どうやら、かかりつけのスタッフは体調を崩して休みのようだ。ハアァ・・
あれこれ注文をつけるものの、今ひとつ感じが違う。
ヘアースタイル・ブックとかけ離れているわよ!!と内心思う。
切り落とされた髪の量にギョッとした。 ええ~い、もういいわい!!
一か月もすれば髪は伸びてくる。(夫にはズシンとくる言葉)
ああっと、そんなにクルクルローリングしないで~~と言ってやりたいが我慢。
「ハイ、お疲れ様でしたぁ」 鏡の中の自分に思わず、「ギャッ、オバサン」
ひどく憂鬱になった。 そりゃ、十分にオバサンには違いないけど・・・
更に強調された。 ひとは、こんな風にマインドコントロールされて、
オバサンであることを受け入れていくのか!(大根役者の言葉みたい)
「あら、奥さん、髪の感じいいじゃない!」 寄り付けの御客さんに褒められた。
んっ?悪くないかも・・・ 今泣いたカラスが~(オバサンの単細胞!!)
「ただいま~」 娘が帰って来た。そして私を見て言った。
「何、その頭。ブロッコリーみたい!」 ああ~~
あの、スットコドッコイのスタッフめ!
裸の王様は、斯く叫ぶのであった。