数日前、転んで強かに側頭部を打った。
一瞬脳みそがグラッと揺れ動いたのを感じた。
投げ出されたコンクリートの三和土から暫し起き上がれないほどの衝撃。
駆け寄った夫も息子も驚き、「救急車を!」と口走ったが、
そんな騒ぎは厭であったし、しばらく静観して欲しいと頼んだ。
漸く起き上がり差し出された冷たいタオルで患部を冷やすが、
転倒時のショックが体中を駆け巡り何とも奇妙な感覚に襲われた。
そうこうするうちに大きなこぶが出た。
翌日には体中が痛み、その苦痛たるや例え様のないものであった。
そんなことがあった所為でもないが体調が狂い、
酷い咳が連発する風邪状態が続いている。
花粉症でもある為か何とも辛い状態は続く。
軽い吐き気で食欲もなく食べられない。
しめしめ、これで幾分か痩せられると半分自嘲気味の毎日だ。
そうは言っても腹は空く。普段は目もくれぬバナナに手が伸びた。
十分に熟成した一本を取り出し皮をむく。
一口口にして余りの美味さにペロリと平らげた。
バナナが何よりも好きという知人がいる。
彼女の食べっぷりはそれは見事で、見ている方もつい手を出すほどだ。
日本人は摂取量が少ないカリウムを補強するには最適なバナナ。
ところでバナナの皮の利用方の数々を目にして至極感心。
○ とげ抜き
とげが刺さっている部位にバナナの皮を内側にしてテープなどで貼り付け、
10分間ほど置く。すると、酵素の効果でとげが自然に抜ける。
○ かゆみ止め
虫にさされたところをバナナの皮の内側でこすると、かゆみが和らぐ。
○ 鎮痛効果
すり傷や、やけどの患部にバナナの内皮を当てておくと、鎮痛効果あり。
○ 肥料
バナナには植物の成長の3要素の一つ、カリウムが豊富に含まれている。
皮を土に混ぜて、肥料にするとよい。
○ 靴磨き
バナナの皮の内側で靴をこすった後、乾いた布で磨くとピカピカになる。
○ ナメクジ退治法
プランタなどに植えたトマトや苺の苗をナメクジに食べられないように、
ナメクジは夜行性なので、夜バナナの内側を下にして土の上に置く。
効果は長くないので、一時間程で十分。
以上は民間利用方だが、ブラジルに於いて、
バナナの皮で河川の重金属汚染を浄化する研究がなされているとか。
細かく刻んだバナナの皮は、銅と鉛を川の水からすばやく取り除く働きがあり、
他のどの素材よりも効果が高いという。
バナナを使った浄化装置は繰り返し利用でき、コストも安く、
自然の素材で安心できるとのこと。自然の持つ力に改めて感じ入った。