山の頂から

やさしい風

595円

2009-01-30 14:34:48 | Weblog

  山から帰って来たらしい60代後半と思われる男性が、
土産にと600円の団子を注文された。
折に団子を詰める間、男性は小銭入れからコインを掻き集めていた。
代金を頂く段になってその人曰く、「ねぇ、599円でいい?」と聞く。
ハア?と思ったが、まぁ、いいかと承知した。で、小銭を数えた。
 「あの~、595円しか御座いませんが・・・」と男性を見た。
するとその方は、「仕様がない!じゃっ、これで・・・」と千円札を出した。
流石にムッと感じたが、「ありがとうございます」と言いつつ、
釣銭を返した。男性は黙って受け取り、黙って帰って行かれた。 
5円くらいまけろやと思ったのかも知れない。
ジャガイモや大根を値切るならまだしも、私には出来ない行為だと思った。
少なからず侘しさを感じた。

 昨日、わざわざ真岡から来て下さった方に600円の団子をおまけした。
高速料金を払ってまで来て下さったことが嬉しかったのだ。
すると、その方は更に団子を2折買って下さった。
「花が咲いたら又来るからね」とにっこり笑って帰られた。

 大阪人は負かすのが文化だと聞く。
そのやり取りを楽しむらしいが、私には馴染まない。
まっ、そんなだから小銭すらも貯まらないのかも・・・・


ここ掘れ、ワンワン!!

2009-01-29 22:52:32 | Weblog
  昨年の暮れ、下野新聞社が発行している小冊子「たいむ」が、
2月号の特集に載せたいと取材にきた。
それを見たといって今夕、真岡から焼き鳥と玉子焼きを買いに、
わざわざ来てくれた方がいる。嬉しかった。
高速道路が繫がって30分で来られるそうだ。便利になった。
 真岡は今、自動車産業の不振のために景気は最悪だという。
せっかく手に入れた家を手放す人も多いと聞いた。

  庭に埋めた3億6千万円が盗難にあったとのニュースに、
度肝を抜かれた。また、タンス貯金5千万円を盗まれた人もいるという。
ファンの女形の役者に1万円札で作ったレイを、
それも3つもかける中高年の女性をTVで視た。 ああぁ~~
我が家の金庫にはホコリぐらいしか溜まってないが、
世の中には、こんなにもお金を持っている人がいるのかと感心した。

 国会では給付金問題で紛糾しているが、
実際にどれだけの効果を示すのか甚だ疑問だ。
もっと、生きた税金の使い方をして欲しいものだ。
 それに今日の田中真紀子議員の代表質問の低俗さには胸が悪くなった。
自分では気の利いた事を云ったつもりだろうが、政治家の姿勢ではない。
あんな議員ばかりでは日本の将来に希望は持てない。
本当に情けない政界の現状だ。

 モモよ、その鋭い嗅覚でビックリするような物を探し当てて欲しいのだが・・・
我が家の庭から、ご先祖様が埋めた小判でも出てこないものかしらねぇ。
それにしても不況が身に堪えますわぁ・・・


忙中有閑

2009-01-28 14:06:52 | Weblog
 
 市内に住むSさんは或る事業をされている傍ら、
趣味で骨董品を収集している。が、販売もしているようだ。
ほとんどがマニア向けとか。
しかし、どなたもが溜息をつくような物ばかりらしい。

 今や中高年のアイドル、時の寵児とまで云われる≪綾小路きみまろ≫
そのきつい漫談は抱腹絶倒だが、主に劇場での公演。テレビでは余り見かけない。
この入れ替わりの激しい芸能界で生き残る術であろう。
旅行会社での彼の観劇ツアーは、アッという間に予約が埋まるようだ。

 その彼が、まだブレイクする前からSさん宅を訪れていたという。
骨董が好きらしく、マニアを通して知り合いになったとか。
幾つか購入もしていると聞いた。勿論、「売れっこ」になってからのことのようだが。
ここ一年ばかりは忙しい所為か来ないとSさんは言っておられた。

 素晴らしい盆栽の前でのツウショット写真を見せて貰ったが、
あのテレビで見かける顔付とは違って見えた。
潜伏期間30年とテレビ番組で称していたが、
チャンスと運、躍り出るタイミングは骨董と同様な気がする。

 「死中有活(死中に活あり)」:死を背にした中に活路を見出す
 「苦中有楽(苦中に楽あり)」:苦難迷妄の只中に楽を発見する
 「忙中有閑(忙中に閑あり)」:忙しい中に心の余裕を見つける
 「壷中有天(壺中に天あり)」:厳しい現実の中に別天地を見出す
 「意中有人(意中に人あり)」:心から尊敬できる人生の師を持つ
 「腹中有書(腹中に書あり)」:自己中に確固たる哲学信念を持つ
                      安岡正篤・「六中観」より

 どんなに多忙な現実、煩雑な状況にあっても、
心の中に揺るぎない「閑けさ」が保たれていることが「忙中有閑」とか。
自分の中の「閑けさ」を発見し、咀嚼、鍛錬し腹のすわった人になれと、
禅は説いているようだ。



話半分にしても・・・

2009-01-26 23:04:41 | Weblog
  Aさんには二人の叔母がいる。
が、厳密に言うとお一方が最近亡くなった。
どちらも金持ちである。が、どちらにも子供がない。
そしてどちらの叔母様も、Aさんを好ましく思っているようだ。
確かに、普段から真心を持って彼女達を支えていると聞く。

 亡くなった叔母様の葬式は、そのAさんが済ませた。
たった7人の近親者で送ったという。(叔母様がそう望んだようだ)
叔母様は一坪4百万円の土地を60坪持っておられた。
それを受け取る権利のある人間が17人いるそうだ。
だが、Aさんが相続することになるらしい。
財産の整理を思うと憂鬱になると言った。

 さて、もう一人の叔母様は半端ではない金持。
西日本の大富豪の後妻であった。
先妻には4人の息子がいて、夫は生前に各人10億円づつ分与した。
その叔母は、義理の息子等とは養子縁組はしなかったという。
夫は亡くなり、その土地を引き払って関東へ戻った。
何しろ金は唸るほどある。が、信じられないくらいに倹しいらしい。

 こちらに来てから、今まで叔母様とは無沙汰であった甥や姪が、
繁茂に訪ねてくるようになったと、
叔母の家の近所に住むAさんは苦笑しながら話しておられた。
何事かあった折はAさんが面倒を見ることにはなっているとか。
勿論、相続も・・・

 話半分にしても、今日の不景気を忘れさせるような話である。
が、オドロオドロしい感覚を覚えるのは貧乏人の嫉み感情かも。

      ≪しあわせは、いつも自分の心が決める≫  相田みつを名言より
 


健康でなくっちゃ~~

2009-01-25 00:32:27 | Weblog
  夫と、「突然死のサイン云々」とやらのTV番組を視ていた。
「脳溢血や脳梗塞」を疑い、2~3の動作や発声に異常があったら、
迷わず救急車を呼べと箇条書きのボードが示された。

 しばらく前、ひょんなことから夫の携帯電話に、
おかしなメールが入っていること発見した。
柳眉(楊貴妃を想像して頂きたい)を逆立てて問い詰めた。

 誓って言うが、夫とはいえ決してひと様のそれを開けて覗く趣味はない。
夫は携帯電話やパソコンには疎く、
操作は勿論のこと機能にはからきし弱い。
加えて面倒くさがり屋でもある。「メールなど打ったためしはない」と否定。 
飲みに出かけた先で、
悪友が韓国パブのおネエちゃんと夫の携帯電話で戯れたと、
申し開きを述べた。(この時点で遠山の金さんに入れ替わった)
「え~い、オイラの目は節穴じゃないゼ! で、女の名は何と申す!!」
しかし、シラを切り通し≪疑惑≫だけが残った・・・

 後日、「ノリで~す。お店かわたヨ。遊びに来てナ」との、
音声電話をキャッチ。
それ以後、時々、「ノリで~す!」とからかうと夫は苦笑いする。
が、敵はさるもの、尻尾を出さない。

 で、今朝、互いに老齢の身。寒さには備えましょう~~と呼びかけた。
「くんれ~~ん」と夫に向って言った。 貴方が倒れた。大変!!救急車~
その前に発声の異常はないか? 「ノリで~す」はい、言ってみて~~
「ムムム・・・母ちゃ~ん」だって。 ダメダ、こりゃ~手遅れ!!



「和光同塵」

2009-01-23 23:32:57 | Weblog

 転職後、収入が減りそれから妻の態度が変わった。
何をしてやっても妻が「ありがとう」を言わなくなった。
安価なのものをプレゼントすると皮肉を言われる。挙句の果てに、
別に頼んだわけではないから礼を云う必要はないとまで言う妻。
礼を言って欲しいわけではないが非常に空しく、
この先一緒にやっていく自信がない。
今朝の新聞の人生相談である。

 ドキッとした。 いや、夫が投書したわけではない。
このご時世、我が家に於いても同様に売上は下降線を辿るばかりである。
ため息の出る日が多い今日この頃だ。
つい、言葉や態度もきつくなりがち。他人事とも思えない。
 嘗て≪富める時も、病む時も・・・≫と確かに宣誓書は読んだ。
が、角は切らずに隠したままだった!!

 「和光」とは自分の持っている高い道徳的品性と、
秀れた才智の輝きを和げる。即ち、表に出さない事を云い、
「同」は同化の意で人を感化して自分と同じくさせる意。
「塵」はチリやゴミの事で汚れた現実の娑婆世界を指す。
即ち聖人君子がその知徳を隠して俗塵の世界に入り、
衆生済度する事を云うのだそうだ。

「和光同塵」を地で行った人物に「七福神」の一人布袋和尚がいる。
名利を求めるわけでもなく、見識ぶるでもなく、威張るでもなく、
誰に会ってもニコニコ笑うという「喜心」と、
べんべんたる太鼓腹の「太心」と、
欣々として優しい両眼の「愛心」とを以て接し、
会った人は誰でも、自然に福徳円満な気持になったいう。

 ああ、私も≪布袋≫になろう~~
えっ?十分に布袋だって!? 
その、べんべんたる太鼓腹が・・・・言える!! 



短編習作・「イヤリング」

2009-01-22 10:28:05 | Weblog
  昌枝は夫と二人、小規模に鋳物工場を営んでいる。
いや、正確にはシゲさんという職人が一人いる。
間もなく70に手の届くこの道50年の男だ。
安い給料にもかかわらず、黙々と仕事をこなす昔堅気の職人と云える。

 夫の武史は50歳半ば、これまた仕事一筋に生きている。
このところの世界的な経済の低迷で仕事は大分減ったが、
夫とシゲさんの製品の出来の評判はよく、
そこそこに、古くからの取引先から注文はきていた。
昌枝は経理を担当しているが、最後の製品の磨きでも奮闘しているのだ。
少し前までは年に1~2回、温泉に行けたが、
このところ温泉どころか買い物も控えている。
まあ、贅沢をしなければ何とか食べてはいける、そんな状態である。
子供は女子が二人、それぞれに自立して生活をしている。
この先、誰も家業を継ぐこともないであろうと思うが、
考え出すと気持ちが沈むので、極力考えないことにしている。

 夫と同じように、これといって趣味のない昌枝だが、
最近、ソ・ドヨン主演の韓流ドラマに填まっていた。
片方のイヤリングを落としたことから、
一人の男をめぐって女が二人、
泣いたり喚いたりのドラマが展開する物語に、
どっぷりと浸かり、その時間帯だけは現実を忘れられた。

 「どうも、お騒がせして悪かったわぁ~」、
栃木弁丸出しの電話の声に聞き覚えがあった。
「碌でもないイヤリングだけど、問題になったら大変だんべぇ」、
ああ、建具屋のカミさんだと判った。
先月、武史が青申会の集まりに彼女と他に2人の女の同乗を頼まれ、
鬼怒川温泉へ出かけた。その際、車の中にイヤリングを落としたらしい。
それが、ついさっき見つかり武史が届けてやったのだ。

 炬燵の一方でトドのごとく鼾をたてて転寝をする夫の武史。
と、突然、猫のポポが炬燵を飛び出した。武史の放屁に驚いたのだ。
薄くなった頭頂、メタボリックな体型。
どう見ても、ソ・ドヨンには及ばない。
それに、イヤリングの落とし主の決して別嬪でない智子に、
嫉妬心など起こりようもなかった。
さらに己の姿を鏡にうつし小さくため息をついた昌枝。
ああ、イケメンと美女でなければドラマは起こらないんだ・・・
そう実感し、やり残している家事を片づけに炬燵を出た。


ごまめの妄想

2009-01-21 15:40:44 | Weblog
  ホワイトハウスは知る人ぞ知る心霊スポットらしい。
なかでも有名なのがリンカーン大統領の幽霊。
彼の霊を目撃した最も有名な人は、
オランダのヴィルヘルミナ女王とか。
 また、霊感の強いブッシュ大統領の娘のジェンナも、
目撃したことを雑誌の取材で明かしているそうだ。

 第44代・バラク・オバマ新アメリカ大統領は、
第16代・リンカーン大統領を信奉しているようだが、
もし、その幽霊話が本当だったら
ホワイトハウスへ入居して、リンカーンの幽霊と遭遇できるだろうか。
それが今、私の一番の関心事である。 だって、44は4×4で16。
こじつけと言えない数字の不思議もある。

 もし、彼がリンカーンの幽霊に出会ったら何と云うのだろうか?
いや、リンカーンの幽霊がオバマ大統領に何かを伝授するのだろうか?
妄想とはいえ、考えただけでもワクワクするのだ。

 余りに恰好良く、期待が大のオバマ大統領。
その重圧と前途多難な山積みの問題を如何に撥ね除け片付けるのかも、
非常に関心のあるところだ。
 ミシェル夫人のミモザ色のドレスの意味するところ「革新と希望」が、
本当にそうであるよう祈るばかりだ。

 それにしてもミシェル夫人とのダンス、絵になるわぁ~~
「惚れてまうがな~~」 今年、流行語大賞にノミネートされそうな言葉。



わ~たしゃ、93の・・・

2009-01-19 15:07:24 | Weblog
 「生きていたら、また来るから・・・」
昨年の紅葉時期に93歳の老婦人が、そう言って帰られた。
そうしたら今日、ご家族に手を引かれ、その方がみえた。
「お元気で何よりでした!」と思わず口にした。

 兎に角、その方は食欲が旺盛なのだ。
蕎麦を食べ、玉子焼きは一人前をペロリと平らげた。
更に焼き鳥を2串、ゆっくりと咀嚼。見ていて微笑ましく感じた。

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  人として生まれ出でた子がその親に対して
 おのずから催(もよお)す感恩報謝の情意を、
 実に「孝心」、あるいは単に「孝」と言う。

 孝こそは我々が
 その最も直接な造化に対する帰順合一であり、
 孝によって我々は
 はじめて真の意味における人となり、
 あらゆる道徳的行為はここより発する。

 真に孝は徳の本であり、
 教えのよって生ずるところである。

            『安岡正篤 一日一言』より

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 御一緒された家族は70歳代の娘と孫。
のんびり、ゆったりとして好い家族関係が理解できる。
セカセカ、ギスギスとした現代に於いて、
何だか昔なつかしい田舎のお婆ちゃんに逢ったようだ。

 「今度は桜が咲いたら来るよ」と帰って行かれたが、
その背中に、どうか風邪など召さぬようにと祈らずにはいられなかった。
老人と子供が幸せと感じるニッポンでなくてはならない。
普く国民が国を愛せるニッポンでなくてはならない。



てんやわんや

2009-01-17 23:15:46 | Weblog
 「ちゃんとした仕事してよ!!」声を荒らげて言った。
ソバの汁の味が薄い。お客さんを待たしているから焦る。
表顔は≪おたふく≫だが、裏顔は吠える≪鬼≫なのだ。

 今日は4時近くまでお客さんが絶えなかった。
嬉しいことではあるが、夫婦二人なのだからエライことだ。
注文を取り、そばを作り持ち運んで、その間団子も売る。
そう、八面六臂の活躍である。

 頭の隅に、チラッと浮かぶ≪ハドソン川の奇跡≫
飛び立ったばかりの旅客機が、厳冬下のハドソン川に不時着した。
日本時間で16日早朝、米・NY市で起きた緊急着水事故では、
ベテラン機長の判断と技術により浸水する機体から迅速な救助で、
乗員155人全員が救助された。(更に機長は最後に2度も機内を見回った)
大惨事を回避して着水を成功させた機長の高度な技術が奇跡をよんだ。
≪冷静で確かな仕事≫の結果だと称賛の的になっているという。

 きっちりとした仕事をした人間の何というかっこよさ!
が、それを比較する私がアホなのだ。
機長と団子屋では、比較の対象にはならない。馬鹿だねぇ~~私って。

 しかしなのだ、確かな仕事をするという点においては、
如何なることでもかっこいい。
女は、完璧な仕事をする男に惚れるのだ!!

 ごく最近、≪逆チョコ≫なるCMが流され始めた。
菓子屋の宣伝にのって、世の男性諸君がチョコを買い漁るのだろうか!?
アンケートによると女性の評判は概よさそうだ。
チョコの中に指輪が入っていたら、もっといいかも・・・

 でも、本命以外のそれらは質屋行きではあろうねぇ~~
女性って、すっごくシビアですゾ!!