山の頂から

やさしい風

あぁ、団栗や・・・・

2010-11-26 23:37:12 | Weblog
 次女が他所に部屋を借りて自立すると言う。
三人きょうだいの末っ子で甘えん坊。
どうせ口ばかりであろうと高を括っていたら
【もみじ祭】でてんやわんやの親を尻目にズンズン事を進めている。
不動産屋と交渉・契約をし、電化製品を諸々買い求め、
既に引っ越しの日取りまでも決めてしまった。

 いつかこんな日が来ると覚悟はしていたが、
親が身動きの取れない時期に実行するとは・・・・
思えば上の子らとは年が離れ、まるで一人っ子のような存在であった次女。
バレエに夢中になって十二年間というもの日曜日に出掛けたことなどなかった。
それ程レッスンに打ち込んでものにした。
娘のレッスンやコンクールで共に過ごした時間は幸せだった。
彼女の踊る姿をみるのが好きだった。
が、己の才能に見切りをつけ或る日突然、
あっさりとバレエをやめた。

 そそくさと引越しの荷ごしらえをする娘。
親離れを決心した子にエールを送るべきなのだろう。
朝の散歩道でドングリがコツンと帽子にあたった。

 モミジは日増しに赤みを増す。
一日とも云えずに紅葉が進み、
どうやら今月の末が最高の見頃となるだろう。

   【どんぐりや子は故郷を後にして】 初桜

【もみじ祭】開催中~~

2010-11-19 23:21:23 | Weblog
 もみじの色付きが遅いのに気を揉んだが、
どうやら祭りに間に合い胸を撫で下ろしている。
今日は穏やかな天気に恵まれ行燈の蝋燭に灯を燈せた。
ライトアップも今夕から始まって、
後は開催中の天候が穏やかであるよう祈るばかりだ。

 今年初めての試みで、【玉子焼の無料体験】が行われ大盛況だった。
多くの方が体験しようと列に加わり並んでくれたという。
明日は昨年好評だったヘリ遊覧飛行が実施される。
空から太平山の紅葉を味わって戴きたい。
自然は本当に癒しを齎してくれることを実感されるに違いない。
日本の、故郷の山・川は限りなく優しい・・・

絢爛豪華な祭りが終わった

2010-11-14 23:41:29 | Weblog
 平成22年3月29日、合併により誕生した人口14万人の新生・栃木市。
それを祝って11月13日・14日の両日、【とちぎ秋まつり】が開催された。
期間中30万人の人出を予想とあったが天候に恵まれ、かなりの人出となったようだ。
太平山も紅葉には今一つ早いものの、それでも日に日に色付くモミジに、
祭り見学がてら足を延ばされる人々が訪れた。

 今夕、資料写真撮影に市内に出かけた。
10台の山車が巡行し、賑やかなお囃子に誘われて見物客が溢れていた。
3階のビルに匹敵する高さの山車は壮麗且つ勇壮で、
江戸時代に栄えた商人の町の栄華を充分窺わせるものである。
4年に一回の祭りゆえ是非また来年も!とお誘い出来ぬ事が残念。
それにしても山車に施された彫刻の数々は最高の匠の技。
山車を覆う幕の刺繍も、それはそれは絢爛豪華である。
栃木市は、もっともっと【売り】を上手くすれば、
観光客を呼べるのにとつくづく感じる。

 この太平山からの眺めは得も言われぬものがある。
朝な夕なの格別な眺望は、この地に住む者の特権。
ああ、少しぐらい貧しくても我慢すんべぇ~って思えてしまうのだ。
さて、4年後の祭りの時にはどんな自分がいるのだろうか・・・

目が語る

2010-11-11 23:31:25 | Weblog
 開店準備をしていたら、「まだ駄目かね?」と年配の御夫婦に言われた。
少し風がある。火の気がないがよかったらどうぞ~とお通しした。
時折見える方だったが、久しぶりの来店だった。

 会計を頂きながら、ひょんなことから人形の話題になった。
「与勇輝という人形作家を知ってる?」と聞かれた。
名を思い出せないが昭和時代を表現している作家の作品が気になっていた。
もしかしたら、その作家のことではないかと問い返すと、
確かにそうであった。
そのお客さんは与氏とマネキンを造る会社で共に働いていたという。
最近開かれた作品展の会場で与氏と撮った写真を見せてくれた。

 与勇輝氏の人形の数々すべてが目で物を言っている。
昭和時代の貧しいが心優しい人間が生きていたあの頃の言葉で・・・
布の彫刻家といわれるそうだが、作品を見ているとその世界に浸ってしまう。
作品の細部で何らかのメッセージを発している。
見せて頂いた作品集の中の【姥捨山】を一目見るなり涙が滲んだ。
かつて、アインシュタインが日本を訪問された時、
真宗大谷派の僧侶、近角常観先生と対談された中で、
仏様を知りたいというアインシュタインに、
近角先生は、姥捨山にまつわる伝説を例にあげ説明されそうだ。
口減らしのために老いた親を山に捨てる風習があった昔。

   「奥山に枝折る莱は誰がためぞ親を捨てんといそぐ子のため」

 今まさに深い々奥山に親を捨てようとする子のために、
帰り道を迷わぬようにと、背負われた親が枝を折り道しるべにした。
その心こそが仏様であると話されたという。
それを聞いたアインシュタインは涙ぐみながら、
日本の宗教の教えに感動したそうだ。
缶ソーリー、賎獄監房チョーカンには姥捨ての古歌は理解できないだろうなぁ~
何しろ倣図ものコッカのコーサクインに敬語を使うオタンコナスだもの!!
彼らの目は真心を語らない。腐った魚の目をしている

謙信平からスカイツリーを

2010-11-05 10:14:29 | Weblog
 この夏の暑さは紅葉の時期を狂わせている。
それでも11月に入って漸く寒さを感じるようになった。
もう道端の細長いものにドキッとすることもなかろうと安心していた矢先、
昨日の朝、随神門辺りでマムシがクネっていた。
思わず飛びのいたが危うく踏みつけるところであった。後から鳥肌が立った。
死んでいたのかどうかは分からないが、
おそらくカラスの御馳走になったに違いない。

 我が家に庭のモミジは、紅葉してみようかなぁ~なんて言っているみたいに、
ここ2~3日で何となく庭全体が明るくなった。
それにしても今年くらい空と地平の境が溶け合ってしまったように、
スッキリ、ハッキリとしない年は珍しい。

 そんな中11月2日に吹いた風が久しぶりに遠目を利かせた。
スカイツリーが見えるのだ。
新宿副都心のビル群が立ち並ぶひと塊りから、
ずーっと左に視線を動かしてくると、
スクッと、まるで鉛筆のように立ち上がっているのが見える。
それは70キロもの彼方なのだが遮蔽するものが何もない。
上杉謙信が関東平野を一望し、感嘆したのが成程に頷ける。
スカイツリーは≪江戸むらさき色≫のライトアップがなされるとか。
歌麿の美人画をイメージしていると聞いた。完成が楽しみである。

日光へ

2010-11-01 16:16:48 | Weblog
  日曜日、雨こそ降らなかったがサッパリした天気ではなかった為、
客足は今ひとつだった。で、少し早目に閉店し、
日光は東照宮・輪王寺・二荒山神社のライトアップを見に出かけた。
県内に住んでいながら滅多に日光へなど出掛けたことはない。
入り口に迷いながらも、どうにか駐車場に到着できた。

 車から降り立って凛とした山の気を肌に感じる。
折悪しく霧のような雨が降り始めた。
まずは二荒山神社への道幅の広い参道を歩き始める。
しかし、辺りは暗く足元もガラガラ石の悪路。
目を凝らしつつ坂を上がった。
境内に入りライトに照らし出された拝殿と、
その背に天を衝くが如き杉の大木に圧倒される。
降り注ぐ霧のような雨が更に幽玄な雰囲気を醸し出す。
拝礼をするために急な石段を上がる。二礼二拍一礼にて参拝。
神の領域に立って鳥肌の立つ思いがした。

 そこから脇道を抜けると東照宮の山門前に出る。
昨夜がイベント最後の日であったが人の出は差ほどにない。
山門に当たったライトにより仁王が浮かび上がる。
既に閉じられた門の向こうに陽明門があるのだ。
山門を背にひろばの右側に五重塔が浮かび上がっていた。
ライトはその全景を照らし出し、正に日本の美がそこにあった。
この建築物を目にし改めて先人の偉大さを感じる。

 輪王寺は、これから十年をかけて修復にあたるとか。
寺の建物全体は巨大なシートで覆われており、
前面には輪王寺の全景が描かれてあった。
十年後には是非訪れてみようと思う。

 山内は余りに広く又神秘的で世界遺産としての価値は十分にあると感じられた。
さて、十分に歩いたのでお腹はぺこぺこ。
時間を見れば7時半になっていた。
どこかで食事をと車を流していると【西洋料理・●●】の看板を目にする。
そこはちょうど、東照宮の裏手にあたる。
昼間でもおそらく静寂を保つであろうと思われる場所で、
クラシックな建物の外観と、自然を生かした小洒落た庭が広がる。
雰囲気は申し分がない。
通された内部は思いの外狭く感じた。
この店は県内でも大々的に宣伝をしているし、チーズケーキは有名。
夫は魚料理、自分は肉料理を注文した。
前菜にサラダとスープ。そしてライス。
しかし、残念ながら私の口には合わなかった。
おそらく、また食べに訪れようとは思わない。

 日光の紅葉は昨年に比べ十日くらい遅いという。
我が家の庭を眺めても、その感はある。
今日から11月。 急な冷え込みを願うばかりである。