山の頂から

やさしい風

おんな・女・オンナ

2008-08-30 23:51:50 | Weblog
 
 病室を入ったら父の枕元で、
母が椅子にもたれて転寝をしていた。
疲れているのだと思ったが、
佇んだまま、1~2分の間その光景を眺めていた。
あと一年で≪ダイアモンド婚≫になるのに・・・
同時に目を覚ました二人の姿が涙に滲んだ。

 母の知り合いに、
数十年前に幼い子を置いて婚家を飛び出した女(ひと)がいる。
愛情のない辛い結婚生活の中で、道ならぬ恋をした女。
新しい生活も荊の連続だった。
残した子を思う毎日は辛かった。
「きっと、まともな死に方は出来ないと覚悟をしている」と,
母に打ち明けた。
その時代の不倫は石の飛礫を受けても仕方なかったであろう。
が、その人は心に十字架を負いながらも幸せの道を切り開いたという。
そして晩年、身体の自由を失う病に・・・
「罰だと思う」と、又、母に言った。

      
      羅(うすもの)や人悲します恋をして     鈴木真砂女

 その女(ひと)のことを聞いて思い浮かんだ真砂女の大好きな句。
不倫を賞賛するわけでは決してないが、
何て哀しく美しい句だろうと思う。
十七文字でこんなにも表現できる素晴らしさに感心してしまうのだ。

 ここ数日、政界のドタバタ劇の張本人、
‹お騒がせ不倫本・女性議員›のお粗末さに,
日本の政治家の品性の無さを嘆く。
数合わせの為だけの議員とテレビ番組で誰かが言ってていたが、
そんな人間に年間一億円も払う莫迦ばかしさに腹が立つ!!

 日本の女性が‹海外版・ミニコミ毎日新聞騒動›の通りなんて、
書かれないように、しっかりせい!!と言いたい。

びっくりしたぁ~~

2008-08-29 10:47:03 | Weblog
  今朝のこと。余りの雨の凄さにモモの散歩を後にした。
で、5時半に家を出て実家に向かった。
案の定、母は既に門口に立っていた。
いつもより早く病院に到着、父は驚きつつも嬉しそうだった。
20分ほどで病室を出て、階段を下りた。

 ちょうど2階に下る階段の正面でエレーベーターのドアーが開いた。
中からフワッと長い髪で白い服の女性が出た。
そう、下りたというより「出たっ!」と言う印象だった。
周りに人はいなかった。 ゆ・ゆうれい~~
思わず階段を踏み外しそうに驚いた。

 しかし、よく見ると白いパジャマの若い女性だった。
本当にドキッとして、立ち竦んだが顔が引きつっていたかも知れない。

 病院と言う場所柄、人気のない時間帯と先入観で、
鳥肌が立つくらいに、びっくりした。(ごめんね~~)
廊下を行く彼女の後ろ姿に足を確認。
「髪を縛っていてよ」と内心呟きながら病院を後にした。

日本の未来は・・・

2008-08-28 11:52:22 | Weblog
 北京五輪が終わって数日になるが、
テレビ番組は五輪の余韻を離れられないでいる。
かと思うと、雑誌や新聞の五輪選手らに対する容赦のない見出し。
この国のメディアの品度の低さを感じてしまうのは私だけか・・・

 先ほど、父に付き添う母から、
「父さんが残りのぼた餅を完食したよ」と電話があった。
我が家に於いては父の食欲が、いま一番の関心ごとなのだ。

 世界中で飢餓、暴動、侵略、テロ等のニュースに暇がないが、
何といってもアメリカの経済危機は一番の重大な関心事のようだ。

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 ここ20年間、米国経済は圧勝であった。
米国とそのやり方の真似をした中国の経済が圧倒的に強い時代であった。
「儲かっているものはすぐれている」という短絡的な発想。
しかし、これからは日本経済の復活と、米国経済の長期低迷がある。

 日本の製造業は無敵だ。
日本が元気なく見えるのは、
政治家やエコノミストたちの言葉に惑わされているから。

 輸出の中心が資本財である限り「日本経済は無敵」
日本人は未来を悲観する必要は全くない。

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以上、中国や韓国を実務でよく知っている方たちが、
揃って口にしている。

 目的としての利潤は否定されるが、他人を思いやる心、
人としての正しい心、相手を敬う心、知恵を商品に生かす心、
という4つの心を備えて唯ひたむきに仕事に執心した、
結果としての利潤は肯定される。

 ≪仁・義・礼・智の心が信を生む。≫

 このことが身についた日本人こそ、世界をリードするに相応しい。
今ここで日本人は自信を持って、頑張ろうではないか!!

 エイエイ・オ~~ッ。
父さん、頑張ろうねっ!! まだまだ未来は続いているよ。

ぼた餅

2008-08-27 23:37:37 | Weblog
 父は病院食を口にしなくなってしまった。
果物と毎食出される小さなパック牛乳のみ。
しかし、それさえも食べられないと拒否するのだ。
家族は、何とか摂取させたいと苦慮している。

 昨日、「父さん、何が食べてみたい?」と尋ねた。
すると、「おふくろがよく作ってくれた【ぼた餅】が食べたい」と言う。
町中の和菓子屋に電話をした。しかし、時期外れの為無いとのこと。
妹は、職場に休暇を取り宇都宮から佐野まで出かけて探した。
が、矢張りどこにも無かった。

 よし、生まれて38年間(あっはっは・・・中国も顔負けの年齢詐称で~す)
未だかつて作ったことのない【ぼた餅】作りに挑戦してみた。
小豆を煮て、こし餡と混ぜ(小豆のみは口にざらつく)上手い具合にできた。
次は、うるち米ともち米の割合で悩む。
もち米1キロに対し、うるち米200グラムで炊いてみた。
少しモチモチ感が多いが、どうにかなった。

 ところが小さな俵ぼっちに、どうしてもならない。
何としてもハンバーグ状になってしまうのだ。
不器用な手先に腹を立てつつ、何とか形にはなった。

 早速、病室へと急いだ。
「長女がトライして作ってきたから・・・」と皿に三分の一ほど取り分けた。
すると、父は「うん、美味しいよ~」と言いながら口にした。
また明日、楽しみながら食べると満足そうに礼を言う父。 嬉しかった。

 「おふくろのぼた餅」ねぇ~~
何で、ここにきて【おふくろ】なんだろう?
父さんだめじゃんとも言えなかった。 母さん、大目に見てやってね。

前向きに・・・

2008-08-26 08:38:16 | Weblog
 「モモ、散歩だよ~」今朝は4時半だった。
「ナ・ナニ~雨も降ってるじゃん!」そんな顔つきを向けるモモ。

 母には自宅を6時に出発すると言ってあるが、6時には門口に立っているから、
15分早めて、迎えに行くことにした。
そうすれば病室には6時20分には着く。
父は、私達を待っているのだ。
窓を開け空気を入れ替える。母は排尿の世話をし、顔を拭いてやる。
せめてリンパ液が全身に廻ってくれるよう願いつつ、
私は数分間、父の身体の側面を擦る。

 今を、現実を受け止めて、その時を充実しようと考えた。
神様がいると思えばこそ祈るのだが・・・(いるはずはないことを感じている)
しかし、鰯の頭でも手を合わせてしまうのだ。

 それにしても、この【運の底】状態は長い。長すぎる~~~
「エ~~イ、負けるもんか!!」と腹で叫びつつも苛立たしい。
この夏は客足はサッパリだし、悩み事は山ほどある。

 2~3日前、夕方の空に≪鳳凰≫のような雲を見たと、
母と妹が言っていた。80年も生きてきてあんな雲を見たのは初めてだと、
母は興奮気味に語っていた。写真に撮れなくて残念!!

 もしかしたら好い事あるかなぁ~~なんて思ったりもする。
まぁ、クヨクヨしても仕方ない、前向きに今を精一杯生きてみよう!!

 モモは、眠そうな目をして私を見上げ、
「いいから、いま少し寝せてよ~~」って言ってる。

思うようにいかぬもの

2008-08-24 23:07:12 | Weblog
毎週のように両親を連れて来店される方がいる。
メニューは決まっていて、「いつも通りね」で通じてしまう。
私の両親より少しお若いが、概ね同年代である。
つい、自分の両親とイメージを重ねてしまう。
もっと、時間を作って何処へなりとも連れ出せばよかったと後悔している。
日々、痩せて体力が衰えていく父親に、そうすることは最早叶わない。

 寝返りは打つものの、大儀そうに寝てばかりいる父が、
床ずれを作ってしまうのではと気がかりで、今朝、足腰を擦った。
骨太でガッチリとした体格の父の身体は、筋肉が落ちて骨ばってしまった。
モモとの散歩中、ありとあらゆる神様に祈るのだが奇跡は起こりそうにない。

 未熟な親知らずの歯の細胞から、増殖能力が高く、
さまざまな細胞に変わる新万能細胞「人工多能性幹(iPS)細胞」を初めて作ったと、
東京で開かれたシンポジウムで発表された。
 iPS細胞を将来、再生医療に応用する場合、
移植に伴う免疫拒絶反応をできるだけ抑えるため、
さまざまな白血球の型(HLA)をそろえたバンクを作っておくことが望ましい。
とのニュースを聴き、すがる思いでいる。

 あらゆる細胞に変わる万能細胞は、いつか死をも超越してしまうのだろうか?
医学の進歩で、果たしてそんな時が来るのだろうか?
あぁ、時間が欲しい!!と心底思う。

【善】なるもの

2008-08-23 23:40:17 | Weblog
北京オリンピックも明日閉幕となる。
思えば波乱の16日間だった。
特に今回のそれは、日本にとって惨憺たる結果であった。
今日の三位決定戦の野球などは、全くもって酷いものだった。
言っては何だが、選手らには覇気を感じなかった。
野球に於いて一流のプロと言うが正直ガッカリした。
 
 その争奪対象の金メダルに或る疑惑が・・・
金メダルに有害物質が含まれているという噂が、
ウェブ上で飛び交っているらしい。

 韓国の「京郷新聞」ネット版19日付の報道によると、
中国湖北省武漢市にある五輪金メダル製造会社「百パーセント」社の職員が、
自らのブログで、「北京五輪金メダルには人体に有害な鉛が含まれている」
と書き込んだことから、インターネットを中心に噂が広まった。

 北京五輪委員会は、直ちに記者会見を開き、
スポークスマンの王偉氏が「悪い冗談だ」とこの噂を否定。
開幕式以来、口パク、偽花火、偽少数民族と、
スキャンダル続きの北京オリンピックだが、当局も火消しに躍起になっている。

 「善」と言う漢字は、上部の“羊”と“言”の“口”から成り、
シンプルに解釈すれば、「羊の言葉」となる。
羊はどんな状況に置かれても、柔和に従順に振舞うことから、それが「善」となった。

 「善」の反対は、「悪」である。
「悪」は、中国語の“亜”(2番目、弱さなどの意味)と、“心”からなる。
従って、「悪」は、弱い心、もしくは2番目の心ということになる。
古代中国人は、悪意は心の弱さから来ると信じていた。

 どんな逆境にもめげず、堂々とした「善」を示せる人は、
つまり真に強靭な心の持ち主なのだろう。

 ソフトボールの上野投手が「他のどのチームよりも我々の心は強かった」
と言っていた。彼女ら全員が強靭な心を持ち合わせていたのだ。

  仏教を含む多くの宗教では、「慈悲心(善)」を持つことが大切だと教えている。
それは、他人に対する思いやりであり、その苦しみを理解してあげることである。
また、更に寛容な心を持つ者は、全てにおいて自分を後に、他人を先に考え、
ずば抜けた忍耐力を持ち合わせているものだ。

 さて、この【善】なる漢字を生みだした中国の真の姿は・・・
漢字、【善】も偽装なの? まさかぁ~~~


則天去私

2008-08-23 00:12:33 | Weblog
 【則天去私】とは、
我意に捉われない自然な生き方を理想とする人生観。
夏目漱石の造語だそうだ。

 しかし、吾が凡人には全くそのような意味さえ解らない。
目の前の現実にとらわれ、がんじがらめとなってうろたえているのだ。

 今朝、いつもどうりに母を迎えに行った。
家を6時に出る約束になっているから、20分頃には到着する。
しかし、今朝は10早く出発した。
いつもの門口に母の姿が無い。早い所為かと思い玄関のベルを鳴らす。
が、返事が無い。ええ~~っ、いったいどうした!?胸騒ぎがする。
家の中で倒れている? ああ~~どうしよう!!

 と、な・な・なんと、ひょっこり門口から顔を出す母。
二人で堂々巡りをしていたのだ。 胸を撫で下ろす。

 父の病室まで送る。弱々しい目を向ける父。
それでも娘を気遣い、「ありがとう」と礼を言う。
つとめて明るい笑顔を向け、≪気≫を送るべく手を握る私。
おっとっと、涙はいけません! ぐっとこらえて、こらえて・・・
妹は、ここでいつも涙ぐんでしまうのだ。
キカン坊のくせに涙脆くて、人がいい妹。

 ‹なすがままに、あるがままに›とも解釈できる【則天去私】
とても、そんな境地になれそうにはないが、
一日、一時間、一分を意識して生きる毎日が、
辛いけれど充実している。

 昨日、金メダルを取ったソフトボールの試合。
まさに、人生のドラマを見ているようだった。
今朝の朝焼けにも感動~~

夢ならいいのに・・・

2008-08-15 07:08:40 | Weblog

 母と妹と三人で知らない土地へ旅行に行った。
気が付いたら二人の姿を見失っていた。
いくら呼べど叫べど返事が無い。
悲しくて目が覚めた。夢だった。
今日一日中、その胸に迫るような悲しい感情を引きずった。

 拉致被害者の御家族は、こんな思いを数十年味わってきたのかと、
どんなにか辛く苦しい日々であろうと思う。
今度こそ、今度こそと期待をする度に北朝に落胆させられる。
時として、あの外交官の首根っこを押さえつけたい感情に駆られる。

 夏風邪なのだろうか、身体も気分も状態が悪い。
実家の父が急に衰弱した。大手術をして一年、この夏の暑さが耐え難いようだ。
診断の結果、入院した。
ベッドに横たわる父は、ひどく小さく感じる。
点滴を指す針が余りに痛々しい細い腕。
食欲が無い。気力も失せた。歩くことさえ出来ないのだ。
一抹の心配が心を過る。

 付き添う母が又、一段と小さくなった。老々介護。
父が母でなくては駄目なのだ。母も自分が、と言って承知しない。
八十歳を過ぎた父と母。
そして今日、検査結果を告げられた。 芳しくない状態である。
近々、肉親が揃ってドクターから説明を受ける予定だ。

 永遠の命はない。 命の限りがあり、別れがある。
意識では理解するのだが、それを受け入れない自分がいる。
毎朝、神棚に向かって両親や肉親の健康と安全を祈る。
が、どんなことも受け入れられる筈が無いと知ってはいる。
この数日間。ひどく疲れ、気持ちが落ち込んでいる。
明日もまた、暑そうだ・・・

国旗と国歌

2008-08-14 08:37:40 | Weblog
 昨日も五輪柔道会場に日の丸が揚がった。
粛々と国歌が演奏される中、翻る日章旗。
日本国民として心は高揚し、感動した。

 国旗と国歌には、様々な感情と意見があるが、
スポーツの場に於いてセンターポールに翻る国旗は誇らしい。

  日の丸が国旗になるには、徳川斉昭、阿部正弘、
島津斉彬の三人が大きく尽力しているという。

 日米和親条約調印後、外国船と区別するための標識が必要となり、
日本国共通の船舶旗(日本惣船印)を制定する必要が生じた。
幕府の重臣は当初「大中黒」(徳川氏の先祖である新田氏の旗。
白地に黒の横一文字)を日本総船印に考えていたが、
薩摩藩主島津斉彬、幕府海防参与徳川斉昭らの進言によって、
「日の丸」の幟を用いることになり、
同7月9日、老中阿部正弘により布告された。
と、或る資料に書かれている。

 知らなかった。
もしかしたら国旗は≪白地に黒の横一文字≫になったかも知れないのだ。
 また、かつてドイツのベルリンで世界的な音楽家や音楽評論家の集まりの席上、
世界各国の国歌が演奏されて検討した結果、
どこの国歌が一番優れているか、ということを吟味し合ったそうである。
衆口一致して一番立派であると折り紙の付いたのは、
「君が代」であった。
      (高崎正秀「国歌〈君が代〉の論」國學院雑誌昭和三十五年十二月号収)

 私達は、もっと、国旗や国歌に誇りを持っていいのではないかと思う。
国を思い、国旗や国歌を誇りに感じなければ心も宙ぶらりんなのだ。