山の頂から

やさしい風

回帰、そして故郷

2009-05-29 00:05:25 | Weblog
 
 故郷を想うことにかけて日本一は沖縄人らしい。
そして今、沖縄が盛んにスポットを浴びている。
魅力的な島、元気で大らかな人間性を総して【沖縄力】と云うようだ。

 「せんせぇ、お金払うんけ?」「いくら払うん?」
「ホラ~、外で整列しろ!」若い男性教諭の少々乱暴な物言いが気にはなった。
栃木市郊外の小規模な小学校の四年生は、
毎年、【名物を食べる】という課題の下に当店で食事会をする。
児童と先生を合わせて40数名。もう十年も続いているだろうか。
名物の謂れを学習し、一同で実際に食し味わうという試みは、
商売を抜きにして、中々憎い企画だと思う。

 時として、食べ物や匂いによって、
突然懐かしい場面を思い出す経験は誰にでもあると思う。
彼等が将来、県外や海外で焼鳥や玉子焼・だんご等を目の前にして、
ふと、故郷を、そして今日の日を懐かしく思い出すことがあろうかと思う。
そんな種を蒔く授業の一環なのではないだろうか。

 数年、或いは数十年後、この地を訪れ懐かしむ彼等・・・などと考えると、
非常に未来の広がりを感じ、熱い思いになる。
尤も、今と変わらぬ故郷があると云う事が前提ではあるが・・・
その前に、この私が元気でいればの話。
恍惚となっているか、千の風になっているかは、杳として知れない。

 「せんせぇ、3万円払ったんけ?」
「コラ~~ッ、言うことを聞け~」、児童達は先生に纏わりついて、
少しも整列する気配がない。 
毎日、こんなに元気のいい子等と付き合う先生も大変かも・・・

 「美味しかった!御馳走さま~~」
楽しそうに帰って行く児童達の後ろ姿に手を振り続けた。