散歩から帰った作家先生は、居間から漏れくる笑い声を聞いた。
妻が出版社の山田みなみとコーヒーを飲んでいたのだ。
「先生、お邪魔してます」と、みなみが挨拶をする。
渋谷で偶然に行き会い、夫に用事があるという彼女と帰宅したと昌枝が言った。
「あなた、渋谷は今や中国人がすごいんですって!」
「何じゃ、そのすごいって?」 作家先生は座り込んだ。
それを受けて山田みなみが口を開いた。
彼女の親戚に元警視庁刑事の通訳捜査官が居て、
彼から日本人の殆どが知らない非常に深刻な実態を聞いたというのだ。
それによると、三年前から中国人の不法入国者が激減し、
二年前は来日外国人が過去最高の伸びを見せた。
そして昨年はやっと密入国者が僅かに減少したという。
ところが実際には違う。
「なりすまし」という方法で彼等は不法入国をしているというのだ。
これは、中国国内のブローカーが来日条件を満たしていながら、
来日することのない中国人の戸籍を買うという方法で身分証明書類を手に入れ、
本来日本に来る条件を満たしていない来日希望者に、
その書類で出国の手続きを取らせる。
全く別人の真性旅券を準備することが出来るのだ。
何故そんなことが出来るのか!?
身分を証明する公証役場や、旅券を発行する公安局が、みんなグルだからという。
そして本来日本に来ることの出来ない密航予備軍が、
真性旅券を持って堂々と来日している。
で、中国からの旅行者が爆発的に増え密航が殆ど無くなってしまったと言う訳だ。
「先生、今、この≪なりすまし≫が、日本各地に爆発的に増えているそうです」
作家は聞いて日本の危機を強く感じた。
ということは、親戚を本国から日本に呼び込み、
日本各地にそのコミュニティを築く。
さらに、「国籍法」で日本人が際限なく認知したら、
あっという間に日本国民に匹敵する中国人が増えることになる。
変種党の党首が過去に、
「我が党が政権を取ったら中国ともっといい関係になる」と言ったが、
何を持っていいことなのかと改めて思った。
書斎に戻った作家先生は次の章で、
今の事実をどう組み込んでいこうかと呻吟するのであった。
底知れぬ問題が山積みの日本を愛おしく感じる作家先生に、
モモが体をすり寄せた。
妻が出版社の山田みなみとコーヒーを飲んでいたのだ。
「先生、お邪魔してます」と、みなみが挨拶をする。
渋谷で偶然に行き会い、夫に用事があるという彼女と帰宅したと昌枝が言った。
「あなた、渋谷は今や中国人がすごいんですって!」
「何じゃ、そのすごいって?」 作家先生は座り込んだ。
それを受けて山田みなみが口を開いた。
彼女の親戚に元警視庁刑事の通訳捜査官が居て、
彼から日本人の殆どが知らない非常に深刻な実態を聞いたというのだ。
それによると、三年前から中国人の不法入国者が激減し、
二年前は来日外国人が過去最高の伸びを見せた。
そして昨年はやっと密入国者が僅かに減少したという。
ところが実際には違う。
「なりすまし」という方法で彼等は不法入国をしているというのだ。
これは、中国国内のブローカーが来日条件を満たしていながら、
来日することのない中国人の戸籍を買うという方法で身分証明書類を手に入れ、
本来日本に来る条件を満たしていない来日希望者に、
その書類で出国の手続きを取らせる。
全く別人の真性旅券を準備することが出来るのだ。
何故そんなことが出来るのか!?
身分を証明する公証役場や、旅券を発行する公安局が、みんなグルだからという。
そして本来日本に来ることの出来ない密航予備軍が、
真性旅券を持って堂々と来日している。
で、中国からの旅行者が爆発的に増え密航が殆ど無くなってしまったと言う訳だ。
「先生、今、この≪なりすまし≫が、日本各地に爆発的に増えているそうです」
作家は聞いて日本の危機を強く感じた。
ということは、親戚を本国から日本に呼び込み、
日本各地にそのコミュニティを築く。
さらに、「国籍法」で日本人が際限なく認知したら、
あっという間に日本国民に匹敵する中国人が増えることになる。
変種党の党首が過去に、
「我が党が政権を取ったら中国ともっといい関係になる」と言ったが、
何を持っていいことなのかと改めて思った。
書斎に戻った作家先生は次の章で、
今の事実をどう組み込んでいこうかと呻吟するのであった。
底知れぬ問題が山積みの日本を愛おしく感じる作家先生に、
モモが体をすり寄せた。