「お風呂、入れるの?」
玉子焼と団子を注文した女性が、外人訛りの日本語で怪訝そうに尋ねた。
「あっ、アレねぇ、洒落よ。冗談、冗談・・・」
連れの男性は、面白そうに笑った。
一週間ほど前に問屋から仕入れた暖簾。【ゆ】と一文字書いてある。
茶の間の入り口に見本を兼ねて下げてみた。
確かに、「んんっ?」と思われる方もいるかも知れない。
そして先日の午後、年配の女性が暖簾を指さして、
「おカミさん、奥にお風呂在るの?」と真顔で聞いた。
「あの・・・、ごめんなさい、見本に下げているんです」と弁解しつつ、
内心、ある考えが浮かんだ。 そ・そうだ! 10人に聞かれたら・・・
そして昨日、また、年配の女性が言った。
「あのぅ・・・温泉なんけ?」
違うと言い訳しながら、シメシメ・・・・今日で3人目!!
そうよ、10人に聞かれたらフリフリ・レースのパンツを買おうと決~めた。
普通、主婦(私に限って)は滅多にフリフリ・レースのパンツなど購入しない。
だから、カウント10の記念に是非とも一枚買ってみようと決めた。
人間、何かのきっかけでもなければ行動はワンパターン化する。
普段であれば恐らく起こさないであろう行動を、
一つ実行するには面白い企画(だが、あまりに低次元かも)だ。
可愛い豚の内心の小悪魔・・・誰も知る由もないカウント10の秘密。(バレバレ~)
さて、フリフリ・レースや何時この手になるか!!
赤い暖簾の【ゆ】の文字が、今日も風に揺れてます。
汗にまみれて山を来る人には暖簾の向こうに温泉、欲しいだろなぁ・・・