現代自動車とトヨタ①
韓国はここ数年不景気が続きます。
ウォン高円安に加え日本市場の喪失、中国の台頭等全て自ら生み出した事象に対策ができず、
産業壊滅の危機に瀕してます。
状況の急激な変動に国民、マスコミ、政治ともついていけず、
残された時間や資金を活用できず右往左往してます。
韓国が世界における自国の状況を把握せず従来通りの対応でやり過ごそうと努力している様は、
要所要所で現れています。
その端的な行動は特に自動車業界に抽出されてます。
韓国の自動車メーカーの賃金は既に世界最高水準です。
高い技術と生産性向上によるものではありません。
号俸制と強硬な労組により毎年賃金が上がりウォン高が続いている為です。
ルノーサムスン自動車は「釜山工場の従業員人件費が
ルノー自動車フランス工場の従業員人件費を2%上回った」としてます。
2年前は釜山工場の平均人件費はフランス工場の81%でした。
韓国の企業の多くは実績と関係なく毎年基本給を上げる号俸制を実施してます。
ルノーサムスンは11年2921億ウォンの赤字でしたが
年基本給を6%引上げ10年間で毎年4~6%ずつ基本給を上げました。
5年間で韓国GMの賃金は50%上昇してます。
現代自動車の賃金は30%上昇してます。
10年間推移では現代車従業員1人あたりの平均賃金は04年4900万ウォンから14年9700万ウォンへと倍。
BMW比で1.5倍。
GMはたまりかねインドに生産移転を決定しました。
韓国の労働組合は激しい闘争で有名で、
経営を完全無視した強力な交渉は限度を知りません。
外資撤退は当然ですし国内の自動車メーカーは業績悪化で実力を失わざる得ない。
結局黄金の卵を生むガチョウの腹を割くようなことを繰り返し、
韓国の高級労働者は失職リスクを高めました。
韓国の自動車労働者の異常な賃金水準を現代自動車とトヨタを比較し考察してみます。
自動車市場で13年から3年連続首位であるトヨタと第5位の現代自動車の
従業員1人当たりの平均年収は逆転し
1100万ウォン(約123万円)近い開きがあります。
トヨタの13年会計年度の平均年収は794万円。
現代自は9400万ウォンで、トヨタより1082万ウォン高い。
14年トヨタの労使は事実上の賃金据え置きで合意し14年の平均年収も前年ほぼ同水準です。
一方現代自の14年平均年収は約1080万円で1億ウォン(約1110万円)を目前に控えてます。
トヨタ営業利益は約2兆7250円、13年度基準で現代自の2倍です。
14年度の売上高はトヨタの約244兆ウォンに対し現代自は89兆ウォンでトヨタが3倍。
しかし12年から両社の平均年収が逆転してます。
日韓の差は労組の差でもあります。
トヨタは07年末の世界金融危機と米国での大規模リコールなどで
08年の営業利益が赤字に転落しました。
09年労組は会社側に賃金据え置きを提案しボーナス削減などに合意。
当時、トヨタ社員の年収は前年比で平均100万円近く減少しました。
結果トヨタは12年から約1兆1200億円台の営業利益を回復し13年には約2兆6800億円という過去最大の業績を達成しました。
しかし労組は賃上要求を見送りました。
時期ではないと判断した為です。
しかし15年の賃金交渉で月給を平均3.2%約1万1300円引き上げを得ました。
会社側は労組協力に感謝を示し若手社員の手当増額、優秀社員の定年退職後の再雇用、家族手当増額も検討してます。
現代自は11年に約1兆2300億円超の営業利益を計上すると
労組は12年に8.4%の賃上げを要求しストを経て前年比5.4%の賃上げで合意。
現代自は12年に過去最高益を記録したが13年からは販売不振とウォン高為替レートで営業利益は年々減少してます。
だが労組は15年も7.84%のベースアップ、当期純利益の30%の成果給支給などを要求してます。
トヨタは労使協力で気を引き締め直し再生させた一方、現代自は賃上げ一方行で業績に悪影響を及ぼしてます。
以下次回に続きます。
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