平成太平記

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韓国の家庭債務 危機時米国を上まる

2012年08月26日 09時26分12秒 | Weblog
[FT]韓国、消費者債務が危機的水準に増加
(2012年8月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
 1997年のアジア通貨危機で韓国の大企業が大幅な債務削減を余儀なくされて以降、同国の銀行は貸出資産の増加を消費者に頼ってきた。欧米同様、韓国でも家計への融資は不動産価格の上昇とともにその後10年間で急増した。
韓国の家庭債務 危機時の米国をはるかに超える債務
韓国の過剰な家計債務は消費の停滞につながっている。
 ところが、多くの先進国で消費者債務はこの4年間に減少しているのに対し、韓国の家計債務は増加の一途をたどり、昨年には可処分所得の164%に達した。これは、サブプライム危機発生時の米国の数字をはるかに上回る。

 自己資本が充実している韓国の銀行がシステミックリスクに直面する可能性は低いものの、消費者債務の増加は、輸出依存度の低下を目指す政府の取り組みを阻害している。韓国銀行(中央銀行)は、2012年1~6月期の消費成長率がわずか1.4%にとどまったのは過剰な家計債務が原因だとみている。
 同国は輸出市場の不振に悩まされており、経済をこれ以上弱めることなく消費者債務の増加に歯止めをかけようとしているが、道は険しいようだ。
■政府の対応に批判の声も
 韓国銀行は昨年、政策金利を徐々に引き上げ、政府は新規貸し出しを抑制しようと融資規制を強化した。だが、韓国銀行は今年に入って方針を一変。先月には予想外の利下げを敢行した。家計による高水準の利払いをめぐる懸念がこの決定の一因となったとみられる。
 一方、主要金融当局である金融委員会は先週、住宅価格の下落に関する政府の懸念を受けて返済負担率の規制を緩和した。
 金融委員会の当局者は「我々は家計債務を最大のリスク要因の1つとみている。一方で、政府からは規制を緩和し、より多くの住宅資金を借り入れられるようにすることを求められている。今回の決定はその妥協策だ」と説明する。
 英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのアジア地域担当エコノミスト、エリック・ルース氏は、政府は消費者債務の問題に適切に対処できていないと指摘。「家計債務はすでに持続不可能なほど高い水準に迫っている」と警告する。
背景に教育費や大企業の解雇の問題
 家計債務の増加は構造的な経済問題を浮き彫りにしている。若者の約80%が大学に進学する韓国では、多くの親は子どもの教育費を捻出するために多額の借金をする。これ以外に、消費者債務の大部分を占めるのは、全労働人口の約3分の1近くに達する自営業者が事業資金として借り入れる個人ローンや住宅ローンだ。彼らの多くは大企業に解雇された中高年者だが、新たな事業を始めるには資金の一部を借り入れに頼るしかない。 商業銀行が比較的高収入の顧客を囲い込む一方、ノンバンクは銀行よりも緩い規制を利用し比較的低収入の借り手をターゲットとすることで急成長してきた。当局が11年に融資基準を強化したにもかかわらず、「相互貯蓄銀行」(韓国では完全な銀行とはみなされない)による融資額は今年3月までの1年間に20%増加した。
 韓国銀行はこの傾向を懸念。4月にはノンバンクによるローンは「大規模な不良債権化」の恐れがあり、「相互金融会社の一部では資産の健全性が悪化する兆候がみられる」と警告した



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