平成太平記

日常の出来事を書く

3 突然、日本に通貨スワップを求めてきた韓国――。

2016年09月21日 15時31分41秒 | Weblog

「四面」から「五面楚歌」へ

真田:韓国にとって誠に残念なことですが、ロシアは日本との関係改善に動いています。

この進展により「日本カード」を使えるようになると、ロシアにとって韓国の貴重さは一気に落ちます。

 つまり、韓国はこれまでほどにはロシアから大事にされなくなって「ロシアカード」も使いにくくなる可能性が大です。

鈴置:ロシアは中国ほどではありませんが、THAAD配備に反対しています。

韓国は下手をすると「四面楚歌」ならぬ「五面楚歌」に陥ります。

誰からも相手をしてもらえないという現実を、ますます思い知ることになるわけです。

真田:だから日本とのスワップを早くやりたいと韓国は焦っているのです。一方、日本は別段やらなくてもいい。

 そこで韓国は頭を下げざるを得なかった。

この辺りは鈴置さんが「『中国の通貨スワップ』を信じられなくなった韓国」で書いた通りです。

スワップ再開は米国の圧力?

鈴置:日本が「スワップの再開協議に応じた」のは米国から圧力を受けたため、と見る人もいます。

 「スワップを与えると直ちに掌を返し、日本に害をなす韓国」には日本人も怒っていて、常識で考えればとても応じる雰囲気はなかったからです。

 2011年10月、日韓は570億ドル相当の円ウォンスワップを新たに結びました。その途端、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領は「慰安婦に補償しろ」と言い出しました。

 翌年には竹島を訪問したうえ「日王(天皇)は謝罪しろ」と叫んだのです(「5年前、韓国は通貨スワップを『食い逃げ』した」参照)。

 結局、この「食い逃げ」を契機に、日本は韓国とのスワップをやめました。

韓国側も「不要だ」と言い返しました。中国とのスワップがあるから日本ごときにもう頭を下げなくていい、と考えたのです。

真田:韓国が2国間で結ぶスワップのうち、70%を占める中韓スワップです(「韓国のスワップ」参照)。

韓国の通貨スワップ(2016年9月14日現在)

相手国

規模

締結・延長日

満期日

中国

3600億元/64兆ウォン(約560億ドル)

2014年
10月11日

2017年
10月10日

UAE

200億ディルハム/5.8兆ウォン(約54億ドル)

2013年
10月13日

2016年
10月12日

マレーシア

150億リンギット/5兆ウォン(約47億ドル)

2013年
10月20日

2016年
10月19日

豪州

50億豪ドル/5兆ウォン(約45億ドル)

2014年
2月23日

2017年
2月22日

インドネシア

115兆ルピア/10.7兆ウォン(約100億ドル)

2014年
3月6日

2017年
3月5日

CMI<注>

384億ドル

2014年
7月17日

 

CMI(チェンマイ・イニシアティブ)は多国間スワップ。IMF融資とリンクしない場合は30%まで。
資料:ソウル新聞「韓国の経済体力は十分」(2015年2月17日)

 THAAD容認で怒った中国が肝心な時に発動するか怪しくなった。そもそも国際化していない人民元を貰って、いざという時に間に合うかとの疑問もあります。

鈴置:2011年のこの因縁の日韓スワップも、米国の要請によるものだったとの見方があります。

これを結ぶ直前に訪米した李明博大統領が、オバマ(Barack Obama)大統領にスワップ締結を要請しました。これが拒否されたことまでは確認されています。

 米国は断ったものの「日本に頼め。話は付けておく」と言ったフシがあります(「日韓、スワップの切れ目が縁の切れ目」参照)。

 

 



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