韓国国会空転②
青空のブログ
前回の続きです。
かろうじて韓銀が基準金利を低くしたのみです。
瞬間的に上がった株価は前の水準に戻り、成長率は0%台です。
投資と消費など内需が回復せず輸出も悪化。
ドル高と円安が輸出環境を悪化させており、韓国大企業は中国追撃で競争力を急速に失ってます。
各種不動産活性化対策で弱冠回復した住宅市場はまた活力を失ってます。
経済政策の骨子は内需活性化と民生安定、経済革新の3本柱でした。
財政と金融両面で拡張的マクロ政策を展開し家計と企業所得の好循環を通じ消費と投資を増やし規制緩和して住宅市場を回復させるという計画です。
最初と3番目の政策は典型的な短期浮揚策で、2番目の家計所得増大策は心理的な対症療法です。
当初は発表だけで株価、住宅取引きが回復しました。
もちろん、財政規模30兆円の韓国が景気低迷、税収不足且つ野党との審議で成果がない中での案でした。
与党の目的は野党の評判を下げる為だったとも感じます(最初から採択されないと踏んでいた)。
対策案は短期対策が中核で中長期成長戦略が不在です。
韓国経済の安定的成長の為には構造調整が必要で体力を補強に短期的な浮揚策が必要で中期的負担は増えるとという試算が不十分でした。
結局絵に描いた餅で終わりそうです。
財政不足と国会無機能は自治体の財政を直撃してます。
全国の市長・郡守・区長226人が11月に「福祉デフォルト」(支給不能)を宣言。
基礎年金と無償保育の支給は予算不足で今後出来ないと宣言してます。
これらは与野党政界が支持率向上の為、財源確保もせず無償福祉を実施した結果です。
無料福祉の破綻は当初から予測されてました。
財源不足は明確だったのですが無負担をうたったためです。
基礎年金を含めた3大無償福祉の支出は14年21兆ウォン17年30兆ウォンが見込まれます。
政権は地下経済の陽性化や非課税・減免縮小で福祉費用を捻出すると計画しましたが実現してません。
日本の民主党の埋蔵金と同じです。
増税なき福祉拡大という公約自体が不可能なのです。
無責任な政治と賢明ではない有権者は、民主主義を堕落させる最悪の組み合わせです。
福祉には国民と企業の負担が必須です。
韓国は典型的な小負担-小福祉ですが小負担のまま高福祉にしようとしました。
選挙での支持率のために虚実の案を唄った為です。
高福祉の北欧諸国をモデルにしたようですが彼らの租税負担率が50%超です。
一方、韓国の租税負担率は19%です。
元々大幅な増税と社会補償費の個人、企業、自営業の負担率の上昇が20%以上必要な策案でした。
韓国内では国民は政治家に対する非難が高騰してます。
しかし14年、国会議員への歳費を3.8%引上を推進するなど意味不明な展開をし更に怒りをあおってます。
企画財政部は14年度の国会議員の歳費と国会事務局の人件費を公務員報酬引上げ率と同幅で引上げる歳出予算案を国会に提出。
確定すれば国会議員1人当たりの年間歳費は1億4320万ウォンで524万ウォン増加します。
韓国の国会議員の歳費は1人/GDP2450万ウォンの5.6倍です。
韓国の経済状況を考えれば信じがたい法案ですが通りそうな勢いです。
この支給水準は他先進国より高水準です。
米国は平均国民所得の3.5倍、英国2.8倍、フランス2.6倍です。
与野党は先の総選挙と大統領選挙で国会議員特権廃止の一環で30%の歳費削減を約束しましたがリップサービスでした。
他の法案が通らず本法案だけ可決されれば相当に滑稽です。
法案が可決されれば国民の怒りも頂点に達する。
しかし韓国には解散も大統領否認もない。
国会が正常化しない中で国内法の変更が多岐にわたるFTAを朴大統領は中国、インド、カナダ、オーストラリアと合意しました。
これらを期日までに国内法変更を批准するのは至難の業です。
FTAは自由貿易協定で先進国にとっては国内の強い産業にはプラスですが弱い産業や農業には大概マイナスです。
韓国は一挙に進めた為弱い産業や農業分野に対して各種緩衝措置をとる必然性に直面してます。
当然新法と財源が必要ですが野党の妨害を考えれば容易でない。
国内の保護法律や財源がないまま批准するか最悪、合意内容を破棄し巨額の損害賠償か国際信用の失墜を覚悟する羽目になります。
現状の国会無機能の中で進める事自体正気の沙汰ではありませんが、中長期のリスクを軽く見る傾向が韓国には強いことを考えると、必然なのかもしれません
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