日米合意に対する環境保護4団体の共同声明

2005-10-29 11:29:32 | 沖縄
生物多様性に富むサンゴ礁と海草藻場が広がる沖縄県名護市の辺野古海岸および大浦湾は、日本では絶滅のおそれのあるジュゴンの重要な生息域であり、自然環境保全上の重要海域であることから、我々は、日米両政府に対し、普天間飛行場代替に関して、新たに合意された「キャンプ・シュワブ沿岸案」をはじめとするすべての案に対して反対の意思を表明する。
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沖縄・辺野古における普天間飛行場代替施設建設計画の10月26日合意「キャン
プ・シュワブ沿岸案」の中止を求める共同声明

グリーンピース・ジャパン
WWFジャパン
ジュゴン保護キャンペーンセンター
ジュゴン保護基金委員会

 生物多様性に富むサンゴ礁と海草藻場が広がる沖縄県名護市の辺野古海岸お
よび大浦湾は、日本では絶滅のおそれのあるジュゴンの重要な生息域であり、
自然環境保全上の重要海域であることから、我々は、日米両政府に対し、普天
間飛行場代替に関して、新たに合意された「キャンプ・シュワブ沿岸案」をは
じめとするすべての案に対して反対の意思を表明する。

 最初の普天間飛行場代替施設建設計画である「海上ヘリ基地」(1997 年
11月)は、名護市民投票によって否定された。次の「軍民共用空港計画(現行
案)」(2002年7月)は、住民および市民,環境団体の反対運動によって実現
は不可能になった。その結果、日米両政府は「辺野古沖縮小案」、「キャンプ
・シュワブ沿岸案」などについて新たに検討し、10月26日に「キャンプ・シュ
ワブ沿岸案」について合意した。

 しかし、辺野古海岸および大浦湾では、現行案、縮小案、沿岸案のどれをと
っても、ジュゴンの重要な採食・休息の場である海草藻場とサンゴ礁が埋め立
てによって破壊され、また、軍用機が強烈な騒音を発し、軍事基地から汚染物
質が流出する可能性が高いなど、自然環境と生物の生息条件を悪化させること
は、容易に予想される。これらは、地域住民の平穏な生活環境をも著しく損な
うものである。また、地域住民の意見を聞かずに計画案を決定することは、民
主主義に反する行為である。

 IUCN(国際自然保護連合)は、2000年にアンマン、2004年にバンコクで開催
した第2回、第3回世界自然保護会議において、日本のジュゴンの保全に関する
勧告を採択し、UNEPも、2002年のジュゴンに関する報告書で沖縄近海での保護
活動の緊急性を指摘している。しかし、このような国際機関の勧告や警告を、
日米両政府が無視していることは、きわめて遺憾である。絶滅危惧種の生息地
に軍事基地を建設することは、アメリカ国内では許されない。それは、日本国
内でも同様である。

 我々は、日米両政府に対し、絶滅のおそれのあるジュゴンとその生息環境の
保全の観点から、沖縄の辺野古における代替施設建設計画を中止し、IUCN勧告
にもとづき、ジュゴン保護区あるいは海洋保護区の設立や保全の行動計画を作
成することを要請する。

添付. IUCN第3回世界自然保護会議勧告(2004,バンコク)

この件に関する連絡先
高名 瑞 グリーンピース・ジャパン
,Tel.03-5338-9800,Fax.03-5338-9817,oceans@greenpeace.or.jp
花輪伸一 WWFジャパン,Tel.03-3769-1713,Fax.03-3769-1717,hanawa@wwf.or.jp
蜷川義章 ジュゴン保護キャンペーンセンター
,Tel.090-8524-6372,Fax.03-5228-1377,info@sdcc.jp
東恩納琢磨 ジュゴン保護基金委員会,Tel/Fax.0980-55-8587

http://www.wwf.or.jp/lib/press/p2005/p05102801.htm

=====================ここまで==========================

辺野古ボーリング関連ニュースリンク:
http://www.jca.apc.org/HHK/2005/henoko_news.html
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沖縄タイムス

シュワブ内に貝塚時代遺跡/発掘調査に数年必要?
 米軍普天間飛行場の新たな移設先として日米両政府が合意した名護市のキャンプ・シュワブ内兵舎地区一帯に、沖縄貝塚時代後期(約千七百―千年前)とみられる未調査の遺跡や遺物散布地が四カ所あり、そのうち三カ所が代替施設建設予定地に掛かる恐れがあることが二十八日分かった。調査には数年以上を要するとみられ、代替施設建設の工期に大きな影響を与えるのは必至だ。(北部支社・石川亮太)
 政府が建設工事に着手する際は、文化財保護法に基づく分布調査を行い、破壊される恐れがある場合は、記録保存のための本格調査をする必要がある。

 同市教育委員会は「仮に移設が決まれば、米軍施設内であっても文化財保護法に基づき一般的な手順を踏む」としている。

 市教委文化課によると、キャンプ・シュワブ内で確認されているのは、思原遺跡、思原石器出土地、思原長佐久遺物散布地、大又遺跡の四カ所。

 同市が一九七九年から八一年に行った分布調査で、基地内の四カ所から沖縄貝塚時代後期とみられる土器や石器、遺物などが見つかった。

 遺跡などは、いずれも兵舎地区の海岸線近くに分布。県内ではリーフのある海岸近くから多くの貝塚などの遺跡が見つかっている。兵舎地区での本格調査は行われておらず、四カ所以外にも発見される可能性が高いという。

 文化財保護法では、埋蔵文化財を包蔵する土地を開発する際は、所在市町村に照会。市町村の試掘で遺跡が見つかった場合には、計画の変更または記録保存のための本格調査をすることを義務付けている。

 古宇利大橋の工事に伴う名護市済井出の大堂原貝塚の発掘調査には六年を要した。

 市の担当者は「調査期間は遺跡の規模や深さによって決まる。分布調査をしてみないと何年かかるか分からない」と話している。
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沖縄タイムス

北部に基地機能集約/大野長官「日米合意」と表明
 大野功統防衛庁長官は二十八日の衆院イラク支援特別委員会で、米軍普天間飛行場の新たな移設先として合意した、本島北部のキャンプ・シュワブなどに中南部の基地機能を集約させる構想で両政府が大筋で合意したことを明らかにした。日本政府が具体的な基地名を挙げ、北部地域への基地集約化を正式に認めたのは初めて。北部の関係市町村は、基地の機能強化に反対しており、反発が強まりそうだ。赤嶺政賢氏(共産)への答弁。
 大野長官は沿岸案に駐機場建設を盛り込んだ理由として「南部の基地は整理・統合する方向で、キャンプ・シュワブの中で集中的にやろうかなという問題も出てくる。自衛隊も例えばハンセンなどで米軍とともに活動していく可能性もある。そういう方向性について日米間で内々に合意している」と述べ、自衛隊との共同使用にも言及した。

 稲嶺恵一知事が現行案の条件として求めた十五年使用期限について「今回の合意ではそのような考えは含まれていない」と否定した。

 大古和雄防衛局長は沿岸案の総面積が図面上で約百ヘクタールになることを初めて明らかにした上で、飛行場施設が当初想定の千五百メートルから約千八百メートルに延びたことを「米軍の小型輸送機の離発着ニーズがある」と説明。空母艦載機の使用は滑走路の距離の制約から否定したが、海兵隊の次期主力機MV22オスプレイの使用は言及を避けた。

 沿岸案が周辺地域に与える騒音については「場周ルートが集落の上にかかることはないと考えている。音の影響は集落に防音工事をするような地域はないと判断した」と話した。


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