ある作業員は福島第一原発に向かう前に、墓参りをした。楽しい思い出が詰まった母校を訪れ、子どものころ遊んだ川べりを歩き、光景を目に焼き付けた。すべては最悪の事態を考えてのことだ▼本紙で不定期に連載中の『ふくしま作業員日誌』は、収束作業の現場で汗を流す人たちから、聞き取りを重ねた証言集だ。初回は昨年夏。四十七歳の男性が、心情を吐露している。「今回の事故は日本の運命を左右するもの。生まれたからには誰かの役に立ちたいという気持ちがある」▼これが現場で働く人たち共通の思いだろう。これまでの『日誌』を読み返して、あらためて感じたのは、東電への不信、雇用条件への不安を抱えつつも働き続ける、使命感だ▼三十七歳の男性は六次か七次の下請け会社で働く。四次なら一万五千円ほどの日当が八千円。同じ仕事なのに、下請けは下に行くほど日当が下がる。それを嘆きながらも「誰かがやらなきゃならない仕事」と現場にとどまる▼危険な現場だとは承知しているが、元作業員の男性(46)が、労基署に申し立てた事実は、おぞましい。彼の同僚は事故直後、高濃度の汚染水につかる一回の作業で、通常なら五年の被ばく線量限度とされる値の、二倍近くも浴びた▼こういう人たちの命を、東電は、どう考えるのか。電気料金の値上げはしても、作業員の待遇は改善しないのか。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012110202000120.html
「高線量下で作業 違法」 福島第1元作業員、労基署に訴え/中日新聞・メディカルサイト
元請けの処罰など要請
東京電力福島第1原発事故の収束作業で、東電と作業を請け負った関電工(東京都港区)が、高い放射線量の中で被ばくを最小限に抑えるよう必要な措置をせず、作業を続けさせたのは労働安全衛生法違反に当たるとして、福島県いわき市の元作業員男性(46)が、両社を同県富岡労働基準監督署に申し立てた。
いわき市の下請け会社に所属していた男性は、昨年3月24日、3号機タービン建屋内で、電源ケーブルを設置する作業に従事した。
男性によると、事前の説明では、作業に危険はない程度の線量だと聞いていたが、実際には、建屋地下には大量の高濃度汚染水がたまり、線量も高かった。東電社員の別の作業班は、3号機地下で毎時400ミリシーベルトの放射線量を計測したため、撤退した。しかし、男性グループは作業継続を指示された。
男性は危険を感じ、汚染水につかる作業は拒否したが、40分〜1時間ほどで11ミリシーベルト超を被ばくした。男性を含む6人の作業員のうち、脚が汚染水につかった3人の被ばく線量は、この1回の作業で173〜180ミリシーベルトに上った。通常の被ばく線量限度「5年間で100ミリシーベルト」の2倍近くに当たる値だった。
申し立ては30日付。男性の弁護団は、同じ場所で別の作業班が高線量の危険を避けるため撤退したのに、関電工が作業を継続させ、作業員を危険にさらしたのは違法だとして、関電工に対する処罰を求めた。
発注者の東電に対しては、関電工の違法行為を止めなかったなどとして、線量管理や放射線防護のあり方を是正するよう求めた。
男性は「末端の作業員は危険手当もろくにもらわず、被ばくしながら命懸けで作業をしている。東電や元請け会社の責任は重い」と訴えた。
「真摯に対応」 東電
作業を請け負った関電工は「事実関係を確認中です」とコメントした。
発注者である東電は「(労基署への訴えは)現時点で承知していないためコメントは差し控えたい。労基署から求めがあれば、真摯(しんし)に対応していきます。引き続き現場作業員の安全、放射線防護を徹底していきます」とコメントを出した。
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20121101115634260
よろしければ、下のマークをクリックして!
よろしければ、もう一回!
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012110202000120.html
「高線量下で作業 違法」 福島第1元作業員、労基署に訴え/中日新聞・メディカルサイト
元請けの処罰など要請
東京電力福島第1原発事故の収束作業で、東電と作業を請け負った関電工(東京都港区)が、高い放射線量の中で被ばくを最小限に抑えるよう必要な措置をせず、作業を続けさせたのは労働安全衛生法違反に当たるとして、福島県いわき市の元作業員男性(46)が、両社を同県富岡労働基準監督署に申し立てた。
いわき市の下請け会社に所属していた男性は、昨年3月24日、3号機タービン建屋内で、電源ケーブルを設置する作業に従事した。
男性によると、事前の説明では、作業に危険はない程度の線量だと聞いていたが、実際には、建屋地下には大量の高濃度汚染水がたまり、線量も高かった。東電社員の別の作業班は、3号機地下で毎時400ミリシーベルトの放射線量を計測したため、撤退した。しかし、男性グループは作業継続を指示された。
男性は危険を感じ、汚染水につかる作業は拒否したが、40分〜1時間ほどで11ミリシーベルト超を被ばくした。男性を含む6人の作業員のうち、脚が汚染水につかった3人の被ばく線量は、この1回の作業で173〜180ミリシーベルトに上った。通常の被ばく線量限度「5年間で100ミリシーベルト」の2倍近くに当たる値だった。
申し立ては30日付。男性の弁護団は、同じ場所で別の作業班が高線量の危険を避けるため撤退したのに、関電工が作業を継続させ、作業員を危険にさらしたのは違法だとして、関電工に対する処罰を求めた。
発注者の東電に対しては、関電工の違法行為を止めなかったなどとして、線量管理や放射線防護のあり方を是正するよう求めた。
男性は「末端の作業員は危険手当もろくにもらわず、被ばくしながら命懸けで作業をしている。東電や元請け会社の責任は重い」と訴えた。
「真摯に対応」 東電
作業を請け負った関電工は「事実関係を確認中です」とコメントした。
発注者である東電は「(労基署への訴えは)現時点で承知していないためコメントは差し控えたい。労基署から求めがあれば、真摯(しんし)に対応していきます。引き続き現場作業員の安全、放射線防護を徹底していきます」とコメントを出した。
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20121101115634260
よろしければ、下のマークをクリックして!
よろしければ、もう一回!