フリーター全般労働組合メールマガジン #14

2007-08-25 08:28:55 | 労働運動
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 フリーター全般労働組合メールマガジン #14 から
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(3) エッセイ/中村幸雄
(4) グッドウィルユニオン/梶屋大輔
(5) 朝青龍問題/植本展弘
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☆エッセイ/金沢市在住・中村幸雄

若者(じゃくしゃ)問題を読む? 「若者を喰い物にし続ける社会」 立木信(洋泉
社)

 格差社会、若者をテーマとした本と問題点をこれから紹介していきたい。

 この書は、若年層を中心とした政策を訴える。著者は、現代日本を「年長者帝国」
と呼ぶ。この国が築いてきたのは、今のお年寄りが独り勝ちをする巧みなシステムで
あり、それを若者中心へとシフトせよと説く。これまではその対立軸として「年長者」
という言葉で批判的に社会を分析してこなかった。では今の年長者帝国とは。その論
を証明せんという具体的な事例が次々と語られる。ニュースを忘れさせて目隠しの役
割を果たすマスコミ、将来世代への借金、50歳以上が半分を占める有権者、若者が
情熱を傾けられる効用の逓減、年功序列に従った従順さを育んだ会社組織、高齢者向
けに発展する医療や福祉、年金生活を営む「ニート」たち、空洞化した家族の成員を
ターゲットにしたビジネス……などという事例である。すべてが年長者に都合よく回
っている。だがらこそ改革が必要なのだ。
 貴重な指摘は、これが欧米等の先進国で共通の悩みとなっていることである。軽く
触れられているだけなのでこの点はさらに論及してほしかったが。アメリカのベビー
ブーマーたちも年金生活に入る事態を忘れてはならない。イラク戦争、アジア諸国や
世界の右傾化、暴動事件に対するフランス政府など、この視点から再考すれば、一つ
の世界情勢が見えてくる。多数の労働者を少数者が管理、監視したり、戦後の自由主
義経済体制を守り通すことは、年長者にとって非常に都合がよい。
 また、この本を読むと、戦後の「家族解体」の真相が見えてくる。それは徹底した
個の重視による集団からの解体、社会一体となった消費生活絶対の生活にあった。国
民一人一人は家族から「消費者」に変わってしまった。核家族への憧憬、子育て・教
育における金での解決、それぞれ会社と家で働く父母を見ての「自分探し」の夢など、
これらは団塊ジュニアを若者を消費社会へしばりつけてしまった。とくに専業主婦に
マイナスのイメージが流布した。著者曰く、「主婦の構造改革」が起きた。今では、
都会で、単身女性に優しい生活が行き届き始めている。今では、異性や家族よりペッ
トがもてはやされ商売になっている始末である。こう見ると家族解体は若者の悲惨な
境遇と深くつながっている。
 年長者がつくったシステムから若者や将来世代がはじき出され、債務のツケまで回
された。まさに「世代間闘争」は近い。

☆グッドウィルユニオン/カジヤダイスケ

前回団体交渉以降、会社側は2度に渡って団体交渉を拒否したため、8月6日(月)、
東京都労働委員会に不当労働行為救済申立を行いました。
会社側との次回の話し合いは9月7日(金)、東京都労働委員会の斡旋にて行われる予
定です。
そしてこの間、ユニオンでは着々と集団訴訟の準備を進め、8月23日(木)、2年
以上前のデータ装備費の返還を要求する原告として26名の方が立ち上がり、東京地
裁にて提訴を行いました。
原告の方の中には10年前に遡り、40万3400円の返還を要求されている方もお
られ、今回、データ装備費のみで総額445万円の返還を要求することになりました。
そんな中、会社側は過去2年分のデータ装備費の返還を開始しているのですが、中に
は返還要求の書類が送られて来ず、支店やサービスセンターに相談しても対応されな
いということも起きています。
そういった状況を踏まえ、9月10日(月)より第2弾の労働基準監督署への一斉申
告を開始します。申告の内容は前回同様、データ装備費・集合時間からの賃金・会社
都合のキャンセル時の賃金などです。
さて、来年の通常国会ではワーキングプアの温床である労働者派遣法の改正が行われ
ます。
ユニオンでは日雇派遣はもちろん、偽装請負を撲滅すべく派遣可能職務を特定の専門
業務に限定すること、そして常用型の派遣を禁止することや中間搾取割合の規制を導
入するよう訴えかけていきます。
そのさきがけとして、8月24日(金)にはグッドウィル問題をテーマに厚生労働省交
渉を行います。前回交渉時には「日雇派遣は制度上想定していなかった。このままで
はいいと考えていない。実態を調査して何らかの対応が必要」と答えていたのですが、
具体的な対策は検討しているのかどうか。そして裁判を前にして厚労省はデータ装備
費に関してどう見ているのか等、日雇派遣という問題の塊を放置し、半ば黙認してき
た厚労省の考えを聞きに行きます。
また、ユニオンでは9月8日(金)19時からユニオン事務所にて決起集会を開催し
ます。
グッドウィルで働いたことのない方もぜひいらしてください。
厚労省交渉と同日の8月24日(金)に『日雇派遣-グッドウィル、フルキャストで
働く』(派遣ユニオン著/旬報社)が発売されます。印税の一部が訴訟費用に充てる
予定ですのでご購入頂ければと思います。
グッドウィルユニオンでは引き続き、集団訴訟のカンパを募っています。多くの方々
からたくさんのカンパが寄せられています。お寄せ頂いた皆様、ほんとうにありがと
うございます。

―カンパ振込先―
振込口座 郵便振替口座
口座番号 00180-8-631548
口座名義 派遣ユニオン
「通信欄」に「データ装備費訴訟カンパ」とご記入ください。

グッドウィルユニオンブログ
http://ameblo.jp/goodwillunion/

☆朝青龍問題/植本展弘

 このメルマガが発行されるころには、ひょっとしたら大相撲の横綱・朝青龍がモン
ゴルに帰郷しているかもしれない。理由は「急性ストレス障害」、その後の「解離性
障害」の療養のためだ。
 朝青龍は怪我のため夏巡業を休業したが、休暇を利用したモンゴルへの里帰り中に
チャリティのサッカーイベントに参加したため、相撲協会に厳しく咎められた。二場
所連続出場停止、九州場所千秋楽までの謹慎(稽古場・病院以外の外出禁止)、四ヶ
月間30%の減俸という「極刑」は、所属部屋の高砂親方も追認した。処分に加えマス
コミによる熱狂的なバッシング報道が続いたこともあったのだろう、横綱は精神的に
参ってしまったのだ。
 ここで労組としてみれば、問題はおよそ二点ある。一つは人権問題。朝青龍は「仮
病だ」とバッシング報道されたが、怪我のための休場は協会も認めたものだった。場
所中の力士は疲労骨折していても出場することがままあるという労働慣行を考えれば、
休日中のチャリティイベントへの参加を「仮病」とまでいわれる筋合いはない。相撲
協会の厳しい譴責処分には謹慎が含まれているが、これは事実上の自宅軟禁で、端的
に人権侵害である。こんなことが通用する角界と、これに同調してバッシングするマ
スコミこそが問題だ。
 二点目は労働問題として。余暇中の過ごし方への干渉も問題だが、人身拘束がまか
り通る状況は、力士たちが経営ギルドとしての相撲協会に支配されていることを示し
ている。大戦前には協会の前近代的な専横支配に対し、力士会という被雇用者として
の団体が数々の争議を起こして待遇改善・協会運営改革を追及した歴史があるが、戦
後は途絶えている。協会の評議員構成が年寄105名跡に対して現役力士4名のため、経
営の暴走を阻止する牽制は力士側の自主的な団結にのみ求められる。が、現在の力士
会は単なる親睦組織で、こういうときには役に立たない。経営者に包囲される横綱の
孤立・緊張を解くには、弟弟子・朝赤龍のように個人として見舞うだけでなく、力士
の横の連携が必要だろう。力士たちはプロ野球選手会を参考にして、力士会を労働組
合として再生させ、経営者の専断に「待った」をかけるべきではないだろうか。

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フリーター労組の清水です。
先日、派遣ユニオン著『日雇い派遣 グッドウィル、フルキャストで働く』(旬
報社)が出ました。

派遣法で禁じられた港湾労働中に労災に遭い、ヒザを脱臼骨折したスタッフ。日
雇い派遣をしながらまんが喫茶で暮らすユニオン副委員長。自分を追いつめるよ
うに過酷に働き日雇い派遣で生計を維持する現場リーダー。この人たちが、なぜ
日雇い派遣で働くようになり、どのような現場で働いているのかが、わかりやす
くまとめられています。

ほかにも、フルキャストユニオン、グッドウィルユニオンができた経緯や成果。
ユニオンメンバーによる日雇い派遣現場のレポート、など。日雇い派遣の実態と
「ワーキング・プアの逆襲」の息づかいを知ることができる1冊です。私も昨年、
工場の製造ラインを請け負っている請負会社に日雇い派遣されて働いたときのこ
とを書いています。

結びでは、長く派遣労働問題に取り組んできた東京ユニオンの高井晃さんが、こ
んなことを書いています。
「「データ装備費訴訟」はひとつの旗印となっているが、そこにこめられている
ものは「ディーセント・ワーク」(尊厳ある労働)につながる。労働者の歴史は、
放埒をきわめる資本に対する社会的規制の闘いの歴史である。それなくして人ら
しくは生きられない。」

冒頭には斉藤貴男さんからのメッセージ、帯には雨宮処凜さんの推薦文も。印税
の一部は、「データ装備費返還訴訟」の費用に充てる予定です。ご覧いただけれ
ば幸いです。もしよかったら、図書館にリクエストしてください。

『日雇い派遣 グッドウィル、フルキャストで働く』
派遣ユニオン著 旬報社
価格1300円+税

若者たちの怒りを「新しい連帯」へ。労働破壊の現実を正面から見据え、改善を
目指して批判していくシリーズ。2では、日雇い派遣の過酷な現場で働く若者た
ちによる合法的反撃の実態を掘り下げる。

http://www.bk1.jp/webap/user/SchBibList.do;jsessionid=3177JFK1LDL3ADGHNJ31V98UT5V5G4OCAJLP0T87HCMQ9DTHSFV7NGNIJGA02000P0000000.webap001_001?keyword=%E6%97%A5%E9%9B%87%E3%81%84%E6%B4%BE%E9%81%A3&genreCd=&initFlag=1&x=39&y=7


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1 コメント

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政策提言をお待ちしております (立木信)
2007-11-02 21:25:49
立木信 『自著を読んでいただき、ありがとうございます
「立木信の若者政策大募集 0歳児選挙権から少老化まで」を開設しました。幅広い若者政策についてご意見を頂戴できれば幸いです。 http://blogs.yahoo.co.jp/tachikimakoto
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